アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第128話 本物を見に行こう。アートトリップの計画2014

2014-01-29 21:40:53 | Art and Artist

Sleeping Gypsy

 

新年の一月は、元旦から仕事にいっていたためか、あっという間に過ぎて、やっと3週間もたって午年の抱負が形に見えてきました。自分が本当にしたいこと、好きなことは、普段押さえ込んでいたり、あきらめていたりで、わからなくなっているのだなあと再認識。

高校時代の同級生、きよちゃんが、「楽園のカンヴァス」というアンリルソーの絵「夢」と、バイオグラフィー、ルソーにかかわる人たちを織り込んだ、小説を送ってくれました。

毎晩、一章、一章、読みながら、じぶんで絵を描くときの気持ちや、一枚の絵をじっと見る時の気持ち、どんな絵にもその裏にお話があることなど、思い出していました。

わたしは、ずっとルソーの「眠るジプシー女」が好きでしたが、本物を見に行こう、と思ったことはなかったのですが、この本は、「本物を見たいと思ったら、どこでも見に行けばいいさ」と教えてくれました。

病院のアートセラピーセッションでも、ルソーのジャングルの絵のひとつ、ロンドン、ナショナルギャラリーに所蔵されている「トロピカルストームとタイガー」を患者さんたちと一緒に模写しています。「眠るジプシー女」にも使われている、イエローオーカーとバーントシエナのくみあわせが、ルソー独特なんだなあ、と感じ入ったり、こうやって多種多様の植物を重ねて描くことで、ジャングルが出来上がるんだなあ、などとわかったり。

40過ぎてから絵を描き始めた、ルソーは、生前は、絵が売れたり、コミッションがあったりすることはなく、貧しく、60歳代でなくなるのですが、ただ描きたいがゆえに、描いていた、その素直な気持ちが、素朴な絵に表れていて惹かれるのかも知れません。

メキシコのジャングルに行った、と本人は言っていたが、本当は、そんなことはなくて、パリの植物園で写生した、というのも、おかしいエピソードですが、イマジネーションは、かくも自由なものなんだなと思います。

ということで、今年はもっと、アートトリップに熱が入りそうです。今までは何の準備もなく旅をしていたり、美術館に行っていたりでしたが、「楽園のカンヴァス」に登場する、キュレイターや美術史研究家のように、作品や、画家のことをもっと知ってから、本物を見たらまた感動も深まるかなと思います。

 

希望は口にしたほうが、かないやすいので、ここに書き出してみます。もし、興味のあるひとは、ご一報ください。

楽しい一年になりますように。

 

アートトリップの計画2014

1.ドレスデンでラファエルのシィスティナマドンナを見る

2.アイゼンハイム, オルターピクチャーを拝みに行く

3.プラハ、ミュシャ美術館でアートヌーヴォ

4.「眠るジプシー女」と「夢」をみにアメリカへ

5.フリーダカーロ美術館、メキシコへ

 

間美栄子 2014年1月29日http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef



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