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南房総館山・なぎさの自然詩

ザトウクジラの運び出しから埋葬まで




南房総市千倉に漂着したザトウクジラの1/6と1/20の状態です。
地元の方の話では年末位から沖に浮かんでいたという事で、約一ヶ月近く放置されていた鯨がようやく調査される事になったそうです。
調査関係者の方によると、このザトウクジラは未成熟のメスだそうで、体に添わせた計測で体長約10mとのことでした。
ここは岩礁海岸なので鯨を埋設出来ない為、近くの砂浜海岸へ移動するそうです。
更に入り江の奥に鯨がある為、海から船で曳航出来ないそうで、陸路で運ばれるようです。

1/23の朝に白間津の海岸へ行くと、鯨の運び出し作業がすでに始まっていました。
腹を上に向けて浮かぶ鯨には布の様な物が被せられています。

次に幅広のロープが鯨の体に数本巻かれていきました。

しばらくすると工事車両が到着し、道路が封鎖され道幅いっぱいに駐車しました。
大型のクレーン車、重りを積載した車が2台、鯨を運ぶトレーラーの全部で4台です。
そして鯨の吊り上げ作業に入るようで、重機のセッティングが始まりました。

それが終わると、クレーンを伸ばして鯨の吊り上げが始まりました。
クレーンの先に鯨に巻き付けたロープを取り付ける作業をしています。
何度か試しに鯨の体を上げた後、ゆっくりと引き上げ始めました。

海面から鯨が浮かび上がり、遊歩道を越え、道路の上まで移動していきました。

そしてトレーラーの荷台に鯨が載せられました。
荷台から胸ビレと尾びれがはみ出していて、全部収まるのが難しい程大きな体である事に驚きました。

尾ビレがはみ出したまま、鯨は道路で輸送されていきました。
誘導する車がトレーラーの後を走り、万が一に備えているようでした。
埋葬予定の海岸入口にトレーラーが到着したのがお昼少し前だったので、昼休み後に作業が再開されるようです。

作業が再開するまで時間が空いたので海岸を歩いたり、外房の力強い波を眺めていました。
砂浜には既に鯨を埋葬するための大きな穴が掘られていました。

運び出し作業の時と同じくクレーンで鯨が吊り上げられました。

深く掘られた穴へ鯨が運ばれていきます。


朝から始まったザトウクジラの移動は約6時間かかりました。
鯨が降ろされたのを見た時に、やっと落ち着ける場所に来れたと、ほっとした思いがしました。
一ヶ月近く海岸にあった鯨の屍はだんだん分解が始まっていました。
そしてトビやカモメにとって貴重な餌場となり、たくさんの鳥たちが集まって来ていました。
大きな生き物は小さな生き物の糧となり、多くの命を繋げていくのかもしれません。
埋葬された鯨がやっと成仏出来たと感じたのは、人間視点の特殊な考え方なのかと感じました。














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