南房総館山・なぎさの自然詩

ザトウクジラのストランディング


トウクジラのストランディングがあると知って、2025年1月6日に見てきました。
白浜と千倉の境辺り、白間津の岩場の続く海岸にその鯨は浮かんでいました。
鯨がいたのは岩場に囲まれた小さな入り江です。
地元の方の話によると、鯨は年末位から沖に浮かんでいたそうです。


腹を上に向けている鯨のその顎には白色のブツブツしたものが見えます。


これはオニフジツボで、鯨だけに付着するフジツボだそうです。
命の尽きた鯨と共に、そのフジツボも一生を終えていました。

このストランディングの前の2024年12月13日に、東京ディズニーランド沖に鯨が迷い込むニュースがありました。
鯨を見た漁業関係者の方の話では体長約10mのザトウクジラだったそうです。
このニュースを見た時に、鯨が無事に東京湾から脱出出来るのか心配していました。
しかし時期的みても、その時の鯨なのかもしれないと個人的には思っています。
まだ大人と呼ぶには少し小さな体のザトウクジラは、どうして親からはぐれてしまったのか。
死因は何だったのかなど、色々と疑問に思うことがあります。
これから先にこの鯨がどうなっていくのかと思い、しばらくザトウクジラの観察を始めることにしました。

1月11日のザトウクジラの様子は、前日に吹いた強い南西風の影響で、最初にあった場所から更に奥へと流されていました。


1月16日には鯨の尾の付け根に2本のロープが巻かれて、その先は岩場に打った杭に繋がっていました。
ユリカモメが近くを飛んでいるのですが、恐らく鯨を食べようと様子をうかがっているようです。

見物している方も数人いました。
人と対比するとザトウクジラの大きさがよく分かります。

海面には鯨の脂が浮いています。
表皮が剥がれ始めていて、脂肪が出てきているようです。


岩場の表面にも白い脂が付着していました。


更にオニフジツボの数が少なくなっていました。

5日前の1月11日の時のオニフジツボの様子と比べると半分以上無くなっている感じがします。


1月20日のザトウクジラは、かなり体が崩れてきていました。
表皮もどんどん剥がれていて、鯨の頭部近くの岩場はその脂で白く変色していました。
2本のロープは繋がれたままなので、恐らく調査されることになっているので、鯨が流されないように固定してあると思われます。
地元の方の話ですと、正月にはこの場所にザトウクジラが漂着していたそうで、多いときには50人位の見物人がいたそうです。
その時から20日程経っているのに、未だに放置されているのは、どうしてなのでしょうか。
鯨の体もだんだん崩れて来て、とても気の毒です。
その後にこのザトウクジラの運び出し作業が1月23日に行われると知って、やっと鯨も落ち着く場所が見つかって、浮かばれるような気がしています。
一ヶ月近い時間の経ったザトウクジラの体は最初に見た時から、かなり劣化が進み自然に分解が始まっています。
ここまで放置していたザトウクジラは、行政機関にとってどんな価値があるのか、知りたいと思いました。












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