南房総館山・なぎさの自然詩

シボリザクラとイソヒヨドリ


北風の吹く海岸は1年通して暖かな南房総にも冬を感じさせます。
そんな海岸は土曜日とあって、たくさんの観光客で賑わっていました。
観光客の皆さんの服装を見ると軽装の方もいて、他所から来ると南房総は暖かいのだと実感しました。


海岸の砂浜には白く細かい石のような漂着物が網目のように打ち揚げられています。
海水は透明度がとても高くて、青く澄みとても綺麗です。


ゆっくりと歩きビーチコーミングを始めると、サクラガイが幾つかあり、その中に紅白のサクラガイを見つけました。
全体が薄ピンク色のものはサクラガイで、白色にピンク色の放射彩があるものはシボリザクラと呼ばれているそうです。
これまでにシボリザクラを幾つか見ていますが、こんなに色の濃いものは初めてです。
原色日本貝類図鑑によると、ニッコウガイ科で殻表は平滑白色で紅色の放射彩があるが、この放射彩は褪色し易く、本州以南潮線下に棲むとありました。


エンジン音がして、ふと沖を見ると遊覧船が浮かび、人影が見えました。
観光客が短い海上の旅を楽しんでいるのかもしれません。
シボリザクラを見つけた後は、砂浜にしゃがみ込み小さなコメツブウニを集中して探して、20個位拾いました。

そして同じ海岸の磯にいたイソヒヨドリのメス。
スズメ目ヒタキ科で、ヒヨドリとは全く別種の鳥です。
個人的にはイソツグミの方がしっくりくる感じがしていました。
すると英名はBlue rock thrush青い岩ツグミと言うそうです。
イソヒヨドリのオスは青色をしているので、そこからの由来かもしれません。


夢中で採餌していたはイソヒヨドリは、どんどん近づいて来ました。あまり人を怖がっていない様子です。
イソヒヨドリは縄張りに他の鳥が来ると、追い払う行動を取ることがあります。
以前カワセミを執拗に追い掛けていたり、ムクドリを追い払っていました。
人に対しても同じようにするのかと思いましたが、採餌に集中していただけのようで、それ以上は近づいてきませんでした。
昼時で人が居なくなって閑散としていた海岸に、再び人が増え始めてイソヒヨドリもどこかへ去って行きました。
ここ数年の南房総の海岸には、夏冬問わず人が訪れているようになりました。
僅かな時間滞在するだけかもしれませんが、野生動物にとっては貴重な餌場であり、荒天が収まった唯一の採餌の機会なのかもしれません。
野生動物の行動を妨げる事にならないように、海岸の利用について制限が必要な時期にきているような気がしています。
ものを言えぬ生き物達の言葉が聞ければいいのですが、それを想像して自分の行動へ反映していく事が大切だと感じました。









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