大空の下で

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忘れられない雨の日の話

2021年09月28日 | 見知らぬ人

前回の雨の日のお話で思い出したことがあります。

当時、私は中学1~2年生でした。
学校の部活を終えて帰宅途中、急に雨が降ってきたのです。
走れば5~6分です。
でも歩いても走ってもずぶぬれは確実でした。
そのため開き直って、早歩き程度で歩いていたところ、頭上に赤い傘が。
ビックリして傘を持った人を見ると、見知らぬ若い女性。
「私もこっちの方だから、途中まで入れてあげるよ~」
若いOL風の女性でした。
「あ、ありがとうございます」私は目を丸くして頭を下げました。
見知らぬ人が傘をさしてくれたのは生まれて初めてのことでしたし、親切な人っているんだな~と思いました。
年齢を重ねた現在なら、傘詐欺か?ストーカーか?などと疑ってしまうのが先なのでしょうけど。



傘1本に2人入っているのだから、どうしても片方の肩が濡れてしまいます。
私は子供ながらにも、親切なお姉さんが出来るだけ濡れないよう自分の肩を、傘からはみ出して歩きました。
お姉さんは、歩きながら「○○学校なんだね(制服を見て)。私もそこ卒業したんだよ~」など話しかけてくれました。

その女性は昔、中学生に傘をさしてあげたことがあったなんて、おそらくもう覚えてないでしょう。
でも、助けてもらった方は、ずっと忘れないのです。(忘れる人は単なる恩知らずですね)

片方の肩は雨で濡れてしまいましたが、心はカラリと快晴でした。
今も同じ街に住んでいたら、どこかですれ違っているかもしれません。

人間っていいな〜って思わせてくれた出会いでした。


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