「北極星に願いをこめて」 (右脳のひらめき)

I'm your polar star in the journey of life.

魚はフレッシュ 肉はエイジド ~ところでこれ、食えんの?~

2011年06月27日 15時27分08秒 | 「妙」な「見」聞のある朋の不思議話

こんにちは。

先日、焼肉屋に行きたがる主人と、子供と焼肉に行った。閑古鳥が鳴いていた。ついでに言えば、外がまだ明るく、肉の色が分かった。

「おいおい、これ、食えんの?」

と聞いた私に、主人が言った。

「よく焼けば食えるだろう。今まで、こうだったんじゃないか?」

「まさか、この色でだよ、この臭いで、どうしてこれ、イケるの。ありえねぇ。子供達には、良く焼くか、まず、私が食べる。」

「うーん。じゃぁ、ソーセージとか頼もうか。全然焼肉屋じゃないけれど。」

「いや、君が、これを生でいただけますって言うんなら、それでもいいんだけれどね。におい嗅いでみなよ。」

「だけれど、家で君だって、割とぎりぎりにして使っているジャン。」

「あれはね。あれは、計算づくで、よく加熱するから、やっているんだよ。これ、見てみなよ。この色、この匂い。これ、美味いだろうけれどね、ギリギリだよ。」

「計算づく?」

「そりゃ、そうでしょ。肉はエイジド、魚はフレッシュっちゅーじゃん。肉は、腐肉であればある程、美味いんだけれどね。これは、それ、越えているよ。」

「え?、前もこうだっけ?」

「というか、前はこんなのなかったな。今まで回った店の中で、一番凄い色ジャン。他、色味を戻すように、薬かけているかもしれないけれど、この匂い。腐肉だよ。煮込んで使うならいざ知らず、これ焼くんならしっかり焼いても、子供に当たるときはあるよ。私も、実際、親がそうやってやったとき、腹壊したしね。」

「そうなんだ。」

「そうだよ。モノには、それを耐えられる人かどうかって消化器官の発達も見なきゃならんのよ。昔、凄く有名なビーフシチューを出す店ってのがあって。」

「うん。」

「それに親に連れて行かれてね。」

「うん。」

「いやー、美味いって言う前に、食べてて痺れるんだよ、そこの店。」

「え?本当?」

「うん。兄貴とか、両親は、うまいうまい言うんだけれどね、自分は痺れる味なわけ。案の定、その晩に寝込んだりとかして、そりゃ、まずいわけよ。」

「それ、本当に美味い店なの?」

「うまいって評判だったよ。無論、他の大人も行ったけれど、やっぱ、大人でも、その晩おなかが下るって人がいてね。」

「それ、めちゃまずいじゃん。」

「いや、君、戦後の東京、そんなのアリだったんだよ。腐肉使って、腐るギリまで持っていって、そこで飯を作るんだ。うまいし、コスト安いし。ここは、まさに、そのギリギリだよ。次男は特に気をつけさせて。ヤツが、口が変とか言いだしたら、文句言わずに、トイレで吐かせるんだ。それか、安全に加熱するまで焼く。腐肉ってのはそうやって食うんだ。クサレグルメの一歩だけれどな。分かってて、食うんなら、自衛策は必要なんだよ。」

「・・・・・・・・・・・・・」

「この匂い、家でこれをやろうとしたら、そりゃ、うまいハッシュドビーフはできるけれどね。焼肉だって、うーんと火を通しても、それでも、ダメな人にはダメなんだよ。肉屋でバイトしてみなよ。もう、顔真っ青になるから。」

結局、主人は、胃腸関係が強いらしいので、食べた。私たちは、ゆでであるじゃがいもとか、ソーセージとか、そういうものを食べた。私も、焼肉は食べたけれど、流石に、ヤバメな味がした。何かが、皿の上に乗っていたので、食べたら、焼いていない腐肉だった。慌てて吐き出したら、主人が、それを口にして見たいという。自己責任でお願いしますということで、食べてもらって、「火が通ってねぇ、腐肉だよ。」と私が言ったら、主人は少し青くなっていた。

巷でユッケとか食べる人がいるけれど、あれは、生食用の肉と言うのはないので、なるべく新鮮な状態の肉を薄くスライスして食べる。けれど、肉と言うのは、表面上に「菌」がいるので、なるべくなら、表面をよく焼いたローストビーフってモノの方がありがたい。何故、ヨーロッパ、米国に、ローストビーフっていう食べ物があるのかと言えば、そりゃ、そういう意味であるんだ。

犬を食べる人もいるけれど、犬も結構寄生虫がいるもんだ。

腐肉は、確かに加熱して食べると美味い。けれど、消化器官がどれ位発達しているかってところも問題になる。ところで、私は、胃腸が弱い。変なものを食べると、腹がせりだして、物凄く膨らんで、凄く痛い思いをする。だから、昔、そのすごく美味い店ってところに連れて行かれそうになると、あれこれ、手を変え品を変え、行かないようにして、行くとなったら、行ってもいいメニューを頼んだ。親には、「うまいものが分からないのか」と言われたが、自分は自衛するしかなかった。

今は、もう、うまい焼肉屋ってのは、そういう腐肉をどう出すかって所もあると思う。でも、グルメ道にて、まぁ、凄まじい腐肉が好きな人もいるわけでね。そういう人は、分かってて食べている。戦後を過ぎて、平成になったら、そういうこと、忘れちゃうのかな。訴える人もいるけれど、昔からそういう事は結構あったんだ。ちなみに、米国に行った時、ユッケってメニューを、見たとき、ローストビーフが乗っていて、驚いたこともある。何でも、禁止にしたら、それを求めるクサレグルメのような人たちは、隠れた店を絶対に探し当てる。ちなみに、両親が好きだった店は、バブルがはじけて、氷河期になって潰れた。

 

子供の消化器官の未熟さは、きちんと把握したほうがいいし、ついでに言えば、大人になっても、けっこうなるもんだ。それでも、腐肉はうまいんでねーの。

 

 

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