貧乏人の周りには、貧乏人が集まってくるという法則があるらしい。
あるとき、私は、営業の帰りに公園で、くつろいでいた。
ふと、前を見ると、初老の男性が、私のもとへ近寄ってきて、
何か話しかけてきた。
”すいませんが、100円、もらえませんかね。
タクシーに乗りたいんですけど、あと100円あれば、
乗れるんですよ”
100円くらいだったら、と思い”いいですよ、ちょっと待ってくださいね。”
といいかけて、自分の財布を
とりだそうとした瞬間、私は思い出した。
実は、手持ち、163円しか、ないことを。

そんな、馬鹿なあー、ハハハ。家に帰れば、あるんでしょ?
なんて、言う人がいる。
いや、本当に、ないのだ。私は、この163円で、どうやって、
この1週間を生き抜こうか考えていたところなのだ。
そうもしているうちに、横にいる老人は、
”あの、100円で、いいんです。もらえたら、本当に助かるんです、”と、けしかけてくる。
”爺さんよお。あげたいのは、山々なんだ、でも、俺も163円しか、
ないんだよ。もっと金のある奴に頼んでくれいっ!”(心の声)
なんて、いえるわけもなく、
”実はねー、今、持ち合わせが、ないんですよ。
ごめんなさいねえー。”とやんわりと断ろうとした瞬間、
その老人は、なんと 掌をひろげて、
私にみせてきた!
んんっ??水戸黄門かっ!?
”ほらっ、みてくださいよ、ここに、いち、にーさん、しいー.
100円玉が、あるでしょう。ほんとに、あと100円さえあれば、
タクシーに乗って、病院まで、いけるんです。”
私の目の前につきだしてきた、老人の掌を見た瞬間、
一瞬、言葉を失った。
それは、まぎれもない、ゲームセンターなどで、使われる、あれだ。
そう、ゲーム専用のコインだったのだ。
言いにくい気持ちもあったが、
”あのうーっこれゲームのコインですよ。
これ100円じゃないですよ”
と老人に、いうと
一瞬、びっくりしたような表情をして、それから、まら、すぐに
懇願するような眼差しで、私に訴えてくる。
それでも、金のない私は、どうすることもできず、
老人は、がっくりと肩を落とし、去っていたのだ。
正直、100円くらいなら、はい、どうぞ!といえる、そんな自分だったら、
となんだか、とても、惨めな気持ちになってしまった。
一昔前だったら、知らない人間に、お金をください、なんていう人間を
みかけることは、ほとんど、なかったように思う。
だけど、今は、みんな困窮してるのだ。
こんな極貧生活をしている私にまで、すがろうとする人がいる。
でも、貧乏神にとりつかれた者同士が、助け合おうとしても、
どうすることも、できない。
本当に、悲しく、惨めなものだ。
もしも、金持ちになったら、そのときこそは、
とは敢えて言わない。
次に貧乏神にとりつかれた人間が金を懇願してきたら、
そのときは、貧乏神を追い払えるだけの気迫と、そして充分な
財布の中身がほしいものだ。
そのとき、こそ、叫んでやる!
”貧乏神めっ!もう来るんじゃないぞ!これ以上、増えなくて
いいんだぞー!”と。
あるとき、私は、営業の帰りに公園で、くつろいでいた。
ふと、前を見ると、初老の男性が、私のもとへ近寄ってきて、
何か話しかけてきた。
”すいませんが、100円、もらえませんかね。
タクシーに乗りたいんですけど、あと100円あれば、
乗れるんですよ”
100円くらいだったら、と思い”いいですよ、ちょっと待ってくださいね。”

とりだそうとした瞬間、私は思い出した。

実は、手持ち、163円しか、ないことを。


そんな、馬鹿なあー、ハハハ。家に帰れば、あるんでしょ?
なんて、言う人がいる。
いや、本当に、ないのだ。私は、この163円で、どうやって、
この1週間を生き抜こうか考えていたところなのだ。

そうもしているうちに、横にいる老人は、
”あの、100円で、いいんです。もらえたら、本当に助かるんです、”と、けしかけてくる。
”爺さんよお。あげたいのは、山々なんだ、でも、俺も163円しか、
ないんだよ。もっと金のある奴に頼んでくれいっ!”(心の声)
なんて、いえるわけもなく、
”実はねー、今、持ち合わせが、ないんですよ。
ごめんなさいねえー。”とやんわりと断ろうとした瞬間、
その老人は、なんと 掌をひろげて、
私にみせてきた!
んんっ??水戸黄門かっ!?
”ほらっ、みてくださいよ、ここに、いち、にーさん、しいー.
100円玉が、あるでしょう。ほんとに、あと100円さえあれば、
タクシーに乗って、病院まで、いけるんです。”
私の目の前につきだしてきた、老人の掌を見た瞬間、
一瞬、言葉を失った。
それは、まぎれもない、ゲームセンターなどで、使われる、あれだ。
そう、ゲーム専用のコインだったのだ。
言いにくい気持ちもあったが、
”あのうーっこれゲームのコインですよ。
これ100円じゃないですよ”
と老人に、いうと
一瞬、びっくりしたような表情をして、それから、まら、すぐに
懇願するような眼差しで、私に訴えてくる。
それでも、金のない私は、どうすることもできず、
老人は、がっくりと肩を落とし、去っていたのだ。
正直、100円くらいなら、はい、どうぞ!といえる、そんな自分だったら、
となんだか、とても、惨めな気持ちになってしまった。
一昔前だったら、知らない人間に、お金をください、なんていう人間を
みかけることは、ほとんど、なかったように思う。
だけど、今は、みんな困窮してるのだ。
こんな極貧生活をしている私にまで、すがろうとする人がいる。
でも、貧乏神にとりつかれた者同士が、助け合おうとしても、
どうすることも、できない。
本当に、悲しく、惨めなものだ。
もしも、金持ちになったら、そのときこそは、
とは敢えて言わない。
次に貧乏神にとりつかれた人間が金を懇願してきたら、
そのときは、貧乏神を追い払えるだけの気迫と、そして充分な
財布の中身がほしいものだ。
そのとき、こそ、叫んでやる!
”貧乏神めっ!もう来るんじゃないぞ!これ以上、増えなくて
いいんだぞー!”と。