やっと、相方の公演を津あけぼの座で開催する。
津あけぼの座に出会って、地方の演劇というものの力を改めて考えさせられた。
東京から大阪に来た時は『なぜ?』という疑問符をつけられ珍しがられたが、
自分には自分の理由があって大阪に来たのだ。
でも、少し慣れてくると、東京と大阪のスピードの違い、仕事内容の違い(演劇に関係する仕事ね)に、
大阪というのは地方都市の一つなんだと感じることが多くなった。
けれど、来たくてきた場所で、肌に合う、というか、水に合ったと言うべきか、
大阪は私にとって大切な場所には変わりないのだが、
ごくごくたまに、疑問符が出て来ることもあるのだ。
でも、その疑問符は、ここに出会って、自分がそれに対して何をすべきかを知ったのだった。
津あけぼの座に初めて訪れたのは、劇団野の上の津公演。
昔からの友人である山田百次の劇団の公演だった。
津の公演を知った時、大阪の人たちに、野の上の作品を観せたい!と
無理やり大阪公演を企画し来てもらった。
そしてその流れで半ば脅して(笑)津にも連れて来てもらったのだ。
初めて会う、油田さん、山中さん、後に友人の奥様となる三重文化会館の香菜ちゃん、そしてその上司である松浦さん。
それぞれがとても素敵な方達で、いっぺんにファンになってしまった。
彼らに共通しているところは、嘘がない、ということ。
本当のこと(辛辣な意見も時にはある)を、笑顔で話す人たち。
なんと心地良かったことか。
他地方から来た劇団に対する受け入れ方や、作品に対しての厳しく、そして優しい目。
居心地がいいとはまさにこれだ!と思わせてくれる。
こちらの一方的な要求に、無理なものは無理と言い、可能な限りのことをして下さった。
終演後、開催される、お客様との交流会も、いつまでも続いて欲しいと思えるような素敵な時間だった。
その後、年に二回は津に来る機会を頂き、毎回顔見知りが増えていく。
そして、油田さん、山中さんはいつも笑っている。
香菜ちゃんは、こんな事にも心遣いが!とびっくりするくらい働いている。
松浦さんは酔っ払って寝ている→ちゃんとお仕事されてますけどね(笑)
山中さん率いる現場サイドのスタッフも、行くたびに新しい顔が増え、そしてやっぱりみんないい人達なのだ。
相方である白木原がここ数年創っている作品を、この居心地のいい劇場でやりたい!
この作品を、津の方々の目で観てもらい、さらにいい作品にして行きたい!
そして、油田さんと山中さんに、この作品を育ててもらいたい!
そんな気持ちがどんどん強くなって、映像を観て頂き、会うたびにやりたいと言い続けた。
昨年末だったか、油田さんから「そろそろ白木原さんの作品をやりましょうか」とお電話を頂いた。
やっと、津あけぼの座で、この作品をお観せする事が出来る!
もう、ワクワクするしかない。
結局、足りない事だらけの甘え放題で、今日のこの日を迎えてしまったけれど
明日明後日の公演、本当に一人でも多くの方に観て欲しいと心から思うのです。
来るたびに、好きになって、
また来たいと思える
津あけぼの座。
もっと色んな劇団が津あけぼの座でやって欲しい。
この居心地の良さを知って欲しい。
そして、大阪にこういう劇場がもっともっと増えるといいな。
と切に願う。
誤解しないで頂きたいのだけど
私が役者として初めて大阪に来た時の劇場のウイングフィールドや
大阪以外の劇団を呼び続けていて、劇場独自の企画も多いin→dependent thatreや
大阪にもいい劇場はあるんだよ。
もちろん、そのほかにもね。
最後のシーンの音楽が流れて来た。
場当たりが終わって楽屋に戻って来た相方は
「なんか、演りやすいわ〜」と一言。
ふふふ、そう、津あけぼの座はとてもいい劇場なのですよ。
明日、明後日はそんな大好きな大好きな津あけぼの座でお待ちしております!
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