どこ吹く風

旅のことを主に書く。

翠崋山 出会い

2010年10月14日 06時54分06秒 | 西安・敦煌遊学
 石林は至るところに文字が刻まれている、遠くの山肌や近くの岩に。朱色の文字は遠めにくっきりと浮かび上がり岩壁にへばり付くように生えている緑と相まって力強い。
 ここに来るまで時々顔を合わす二人の女の子を石林でも見かけた。会うたびにお互いニコッと笑顔で挨拶していたので「上まで一緒に上ろう」と声を掛け階段を上り始めた。見晴らしの良いところにカップルが休んでいたのでシャッターを押してもらった。そこへ例の二人連れが追いついてきた。

「どうして男的朋友と来なかったのか?」
”だっていないのに”
という風なことを話して笑った、カップルもテレながら笑っている。

 さあ一緒に行こうと声を掛けて又階段を上った。上に行くにつれ傾斜も強くなる。展望所でまたひと休み、一緒に写真を撮った。私のカメラは壊れたので同行の者が撮るのを見ているだけ。彼女たちも自分のカメラで撮ろうとポーズをとっている。ところが充電し忘れたようで写せない、悔しがっている。

 実は会話の教科書に全く同じような場面が書かれてて「馬大哈」で終わっていた。それで私たちは彼女に「馬大哈」と言うて笑った。しかしこの馬大哈という語は通じなかった。一般的な言葉ではないのか、発音が悪かったのか、教科書に載っているのに。

 同行したSさんは研修旅行の最高齢者で75才である、階段がきついようだ。私もきついのでマイペースで上った。ふと後ろを振り返るとあの女学生たちがSさんの腕を支えながら階段を上がっている。知り合ったばかりの老人に手を添えるなんて心優しい娘さんたちだ。

 本峰の手前に前衛峰がありお寺があった。彼女たちに「来年は男的朋友と来れるようにお祈りした。」と言うと、”来年も再来年も男的朋友はできないよ。”と笑っていた。
気立ての良い明るい子なのできっと良い出会いがあるでしょう。

 Sさんを待たせて本峰まで足を伸ばした。途中吊り橋があり、一人の女の子は怖い怖いと鎖にしがみ付いている。もう一人の子はわざと揺らしている、おもしろい子たちだ。
崋山ほどでは無いけど岩山なので切り立ったところもあり、緊張を強いられる箇所もあって楽しい登山だった。後に見える山がここより高くお寺が建っているのが見える、この辺りの山の主峰はあの山だと思われた。

 1時も過ぎている、お腹も空き始めたので降りることにする。下りとはいえ階段なのでヒザに負担が掛かる。よろめいて階段を踏み外さないよう気をつけながら慎重に足を運んだ。お腹も空き疲れているけどもう来ることも無いだろうと未だ足を運んでいない箇所へは貪欲に寄り道した。

 天池まで来たので遠慮する彼女たちを誘って食堂を探した。大きなレストランがあるので入ると客は誰もおらずウェイトレスが片づけをしている。席を作ってもらったら彼女たちが”この店は高いので別の食堂へ行こう。”と言う。
レストランに入る時も”自分たちは寮に戻る。”と一緒に食事するのを断っていたのを無理に誘ったのだ。あれこれ私たちの懐具合まで心配してくれるなんて本当に優しい子たちです。(笑)

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