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エンセラダスの擬似カラー画像(強調画像)

2008-03-15 23:53:52 | オリジナル画像
No.296 2008/3/14作成

Enceladus False Color Images (Enhanced)

3月12日、NASAの土星探査機カッシーニが土星の衛星エンセラダスに接近しました。
その際撮影された紫外線、可視光線、赤外線で撮影された画像を組み合わせて作った擬似カラー画像をさらに処理し、色の違いを強調した画像を作ってみました。
左は北極地域、右上は南極地域を撮影した画像です。

エンセラダスは大きさ512 x 494 x 489kmの中型の衛星です。
エンセラダスは太陽系の中でも最も白い物質で覆われており、恐らく雪のように細かい氷の粒で覆われていると考えられています。

北極地域と南極地域を比べると、北極地域では比較的クレーターが多く、逆に南極地域ではクレーターが少ない代わりに無数の溝や亀裂で覆われているのが分かります。
クレーターの多くは、エンセラダスが誕生したばかりの古い時代にできたものです。
溝や亀裂のような地形は、長年にわたるエンセラダスの地殻活動によって新たに形成されてきたと思われます。
また、その際に内部の氷の粒が外にふき出し、それが降り積もって表面を覆っていると考えられます。
エンセラダスの表面が明るいのはこのためです。

この画像を見ると、青緑色の溝があちこちに見られます。
これらは比較的最近できた新しい地形と考えられます。
風化を受けていない新しい氷が地表に露出した部分が、このように青っぽく見えると考えられています。
南極地域に見られる、縦に平行に走る数本の溝は「虎の縞(タイガー・ストライプ)」と呼ばれ、特に濃い青緑に見えます。
これまでの探査で、この地域は周囲よりも温度が高いことが明らかになりました。
さらに、南極地域から細かな氷の粒が噴出す様子も確認されています。
これらの観測結果は、エンセラダスの内部が現在も活発に活動している動かぬ証拠となりました。
また、エンセラダスがふき出した物質が、Eリングと呼ばれる希薄なリングを作っているらしいことも明らかになりました。
今回の接近観測では、エンセラダスから噴出している物質の分析なども行われました。

元の画像:NASA/JPL提供


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