土星の新衛星？それとも…

No.306　2008/5/23作成

Moons? or Clamps?

5月16日、NASAの土星探査機カッシーニが土星のFリングを撮影しました。
今回の画像には、Fリングの内部に小さなこぶが多数みられ、それらを集めてみました。
比較のために、右下にはFリングの近くを回るプロメテウス（長径約50km）とアトラス（長径約20km）の画像も載せておきました。
大きさ数kmのものから、大きなものでは20km程のものもあります。
これらのこぶの正体は何でしょうか？
輪郭がぼやけているので、部分的にリング粒子が塊をつくっているのかもしれません。
そうだとすると、そのような塊はなぜできるのでしょうか？
一つは土星の周りを回る衛星の重力の影響が考えられます。
あるいは、このような塊の中心部に衛星が隠れているのかもしれません。

Fリングのすぐ近くには同じような天体が多数発見されています。
1995年にハッブル宇宙望遠鏡が発見した衛星候補天体S/1995 S3, S4, S5や、2004年にカッシーニが発見した衛星候補天体S/2004 S3, S4, S6などはその代表です。
またアトラスやパンなどの衛星は、表面に大量のリング粒子が降り積もっているような形状をしており、Fリング近傍にもこれとよく似た小衛星が存在する可能性があります。

元の画像：NASA/JPL提供