7月28日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)
降格は公の心で
部長が適任でない場合どうするか、ということは非常に大事な問題である。日本の会社では、とりかえるということはむずかしいことである。だが、それはやらなくてはならない。やりにくいことをやらなければ物事は成り立たない。断乎としてやる勇気を持たなくてはいけない。
そういうときに、一つ勇気を出す方法がある。それは会社は個人のものではない、公のものである、だから個人の情において忍びなくても、公のためには変えな ければならない、と考える。実際はそう理屈通りにはいかないが、そのような解釈を強く持つか持たないかによって、それが適切にできるかできないかという差 がでてくるのではないだろうか。
2013年7月28日天声人語(OCN朝日新聞デジタル)
天声人語
▼日替わりの絵が楽しい「しつもん!ドラえもん」はいま、かんきょう編が続いている。先日は、水道を1分流しっぱなしにすると約12リットルの水が無駄になると教えられた。蛇口をひねれば水がほとばしる便利さは、無駄と表裏一体だ
▼先の小欄で「みずばち」について書いたら、幾つも便りを頂いた。「水を雑に使うと水罰があたって水に不自由する」という戒めである。ある女性は、水だけでなく「火罰(ひばち)」や「紙罰(かみばち)」があたるから粗末にするなと、親から教えられたそうだ
▼ 農民作家の和田伝(つとう)が戦前に書いた随筆を送ってくださった方もいた。随筆には、女中さんの性格は井戸端で水を使わせれば分かる、とある。締まりな く使う者は一事が万事で、味噌(みそ)でも醤油(しょうゆ)でも同じだという。現代人にも当てはまりそうな、鋭い観察である
▼「湯水のように使う」という表現に、和田は異を唱えている。田舎の人は惜しげもなく水を使うことはなかった。時は流れて今、日本人は1人1日平均で約300リットルの生活用水を使うようになった
▼水から目を転じれば、まだ食べられるのに捨てられる食品が、国内で年に500万~800万トンにのぼるという。食料の過半を海外に頼りながら、こうも粗末にする国は、いまに「食罰」があたりそうで怖い
▼何にしても、ものが有限であることへの謙虚な畏(おそ)れを失いたくはないものだ。地球にはいま70億の人間がひしめく。「もったいない」に通じる「罰」の感覚は、古いがモダンだ。埃(ほこり)を払って磨きたい。
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