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2月4日 松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM )
企業は社会の公器
一般に、企業の目的は利益の追求にあると言われる。たしかに利益は健全な事業経営を行なう上で欠かすことができない。しかし、それ自体が究極の目的かというと、そうではない。根本はその事業を通じて共同生活の向上をはかることであって、その根本の使命を遂行していく上で利益が大切になってくるのである。
そういう意味で、事業経営は本質的には私の事ではなく、公事であり、企業は社会の公器なのである。だから、たとえ個人の企業であろうと、私の立場で考えるのでなく、常に共同生活にプラスになるかマイナスになるかという観点からものを考え、判断しなければならないと思うのである。
【コラム】筆洗
2014年2月3日 東京新聞TOKYOWeb
▼驚くべき数字だ。日本には約五千のバレエ教室があって四十万人が習っている。これほどバレエダンサーがいる国は珍しいという
▼ローザンヌ国際バレエコンクールで、二山治雄さんが優勝した。二位、六位も日本人。バレエ大国と言って差し支えない結果である
▼日本にバレエが伝わったのは、一九一二年。イタリア人指導者が帝劇歌劇部のバレエマスターに起用された。「日本バレエの母」はロシア革命で日本に亡命したエリアナ・パブロワさん。二七年に鎌倉で開いたスタジオが日本のバレエ学校一号である
▼永井荷風はオペラのように肉体と切っても切れない芸術について、「その作者と人種を同じくする者によって演ぜられることを望んでいる」と書いている。バレエも含めて、それほど西洋人と異なる体格の日本人には難しい芸術ということだろうが、克服し、およそ百年で世界のトップクラスにいる
▼発展過程に日本の少女たちの「憧れ」を思う。なんとバレエを題材にした少女向け作品の豊富なことか。戦前は高畠華宵(かしょう)の「バレエ抒情(じょじょう)画」。戦後は高橋真琴さんのイラスト。そして山岸凉子さんの『アラベスク』や有吉京子さんの『SWAN』へ続く。その裾野を広げた
▼優勝の二山さんは男性だが、この道に入った理由にも「少女」がいる。「好きな女の子がバレエを習っていたので」。漫画みたいとはいわない。
【社説】
被災地の子ども 心の悲鳴に耳澄まそう
2014年2月3日東京新聞TOKYOWeb
東日本大震災の被災地で子どもたちの暴力や引きこもりが目立っている。震災の喪失体験などが心の傷となり、行動に影響している。ケアには医師ら専門家のほか、NPOなどの力も借りたい。
宮城県石巻市の小学校に勤める女性教師は震災後、子どもたちが落ち着かないと感じてきた。
津波で校舎が流れた沿岸部の学校は他の学校を間借りしたり、仮校舎を使って手狭な状態が続く。その中で子どもたちはすぐにけんかを始める。教師や友達に対して暴力的な言葉を吐いたりする。震災から三年になろうとする今、とくに中学では転校を機にした不登校も増えている。
大震災で地震に脅(おび)え、津波を目撃し、原発被害にさらされた。そんな過酷な体験が後の行動にどう影響を与えていくのか。国立成育医療研究センターの藤原武男研究所部長らが被災地で行った調査では、四人に一人の子に問題が表れていた。被災地の深刻さをはっきりと裏付ける結果だった。
調査対象は、震災当時に岩手、宮城、福島の沿岸部の保育園で三~五歳児クラスにいた約百八十人と保護者。面接とアンケートを行い、震災でどんな体験が心の傷になったのか、情緒や社会性にどんな問題が起きているかを探った。
「暴力をふるう」「爪をかむ」「よく泣く」「引きこもる」などの問題が25%に表れた。比較のために三重県の同年齢群を同時に調べたところ、行動に問題を持つ子は標準的な8%だった。
心の傷となっているのは、大切な人を失ったり、家を流されたりした「強烈な喪失体験」のほか、震災時に親と一緒にいられなかったことなどが目立つ。
だが、子どもは震災で大事なものを失っても、怒りや恐怖をうまく言葉に出せない。
問題を見過ごされがちなのは、友達を亡くした子や、家が半壊した子らのケースだ。喪失のつらさを経験しているということでは変わりはないはずだ。
友達や家族の間で震災の話題を避けようとする子もいる。元気そうにみえても、緊張やストレスは続いているのだ。
国は津波被害の大きかった地域に学校心理士を重点的に派遣し、教員を増やしてきたが、支援は追いついていない。医師や心理士らだけでなく、音楽活動や読み聞かせをするNPOやボランティアなどにもかかわってもらい、周囲の大人たちが子どもたちの心の傷を癒やしていきたい。
☆ 今日も寒いですが、皆様にとって良い一日で有りますように ☆
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