三升海老蔵、倫敦に行く。

前回の英国訪問。テレグラフ誌の写真。「歌舞伎のブラッド・ピット」
という見出しがついていた。


市川海老蔵が６月４日から１５日までロンドンで歌舞伎公演をするらしい。
４年くらい前にもロンドン公演をしている。あの時は市川亀冶郎らと一緒に
サドラーズ・ウェールズ劇場に出ていた。今回も同じ劇場でやるようですよ。
全く初めての劇場ではないのでそんなに不安はないだろう、と思う。

海老蔵襲名以来、パリ、ロンドン、モナコと積極的に海外公演をやってきた。
今回は「義経千本桜」を上演する。宙乗りに関しては劇場の構造上やれない
ようですが、現地に行って急に変更するってのは彼の場合大有りですからね、
我儘こいてやるかも知れませんよ。父親の団十郎は行かないみたいだし。

「鳥居前」「吉野山」「四ノ切り」とか書かれていますけど、現地は夜７時
３０分からの幕開き。何時まで演じるのか知れませんが、日本なら９時過ぎ
には跳ねてしまいますから時間的に収まらないかもねえ。最もあっちは映画館
なんかでも最終が午後１１時から、なんてのもありましたから、夜遅く終わる分
には平気なのかもね。宵っ張りですもの、連中は。

それにしても、フォックスハンティングで有名な英国で「義経千本桜」を
選んだのは何か特別な理由でもあったのでしょうか。狐の親子の情愛が
テーマのこの作品、親を思う心は世界共通とは言うものの、はたして英国
人の眼にはどう映るのでしょうか。つい、うがち気味に考えてしまいます。

６月のロンドンなら気候も良いねえ、行ってみたいけどちょっと無理で
ございます。と言いつつ、勘三郎のＮＹ公演なんかにはフットワーク軽く
ウチのカミサンは行ってしまいましたが。私ァ、隅田川そばの平成中村座
で充分です。浅草ならすぐだもの。

個人的に見たいのは、今の海老蔵ならやはり「弁慶」か「助六」あたりが
よろしいか、と。お父さんの今の団十郎のそのまたお父さん、つまり
海老蔵のお祖父さんの１１代目団十郎の当たり狂言をやって欲しいんです
けどね。将来市川宗家のトップになるんだからね。

海外公演も結構ですが熱いうちに鉄は鍛えておかないと、ねえ、成田屋ァ。