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ラテントピック・一語一絵その24

2021-05-22 10:46:45 | ラテントピック・一語一絵
Rodrigo Amarante

ホドリゴ アマランチ

1976年リオデジャネイロ生まれのブラジル人歌手。作曲家でもあり楽器は何でも
器用にこなす。40才半ばにしては顔中髭だらけにしたせいか随分と老けて見える。
以前は真っ黒だった髭も白髪が目立つようになった。まるで預言者モーゼのような
風貌。ちょっと大袈裟かな。目にインテリジェンスが漂う。

そんなに若手でもないけれどまだまだこれから大ヒットでも出しそうな予感の
するブラジル人歌手の一人だ。大いに可能性を感じるよ。
ブラジル人だからサンバもやるし、いわゆるMPBもこなすしもちろんロック
だって何だってやる。大体ブラジルのミュージシャンは何か新しいものに
憧れる傾向がある。昔から常にどこか変わることを要求されている傾向があるね。
中身はそんなに変わらないのにロックの味付けがあったり、アコースティック
にしてみたりと、皆同じであることをあまり喜ばない。つまり自分の色の音楽
の世界を主張したがる。当たり前なのかもしれないがブラジルの音楽マーケットに
はそういう動きが昔から目立って来た。新しい物好きだね。アメリカやアフリカ、
ヨーロッパに出かけ自分のオリジンを探すとか作曲に反映するとかね。今だと映像
に最新のテクノロジーを加えてみたりとか。アメリカに出かけていってジャズから
ヒントを得たり、アメリカはアメリカでわざわざブラジルへ行ってアフロっぽくした
りしている。紆余曲折して新鮮味を出すのに苦労しているのは50年前と変わらない。
まあ、あっちやって見たりこっちやって見たりで落ち着いたら、結局ベイシックな
のがよかったりするんだけど。

この人もバンドを結構変えて来て、Los Hermanos,  Orquesta Imperial, Little Joy
とメンバーや時期がダブりながらもボーカルやギター、作曲と色々して来た様だ。
大当たりはないが地味にベストインストルメンタリスト賞を受賞していたりするし、
かなり守備範囲が広いよ。カエターノ・ベローゾの息子とも組んだり付き合い
の引き出しがたくさんある。そうか、息子ねえ、カエターノだのガウ・コスタだの
もう高齢者だものね。二代目が後を継ぐ、もうそういう世代なんだね。30年や
40年はあっと言う間に過ぎた 。60年代70年代なんかリアルタイムだった、全くさ。
アマランチもバーデン・パウエルの息子も次の世代になる訳だよね。早いものだ。
(ガウ・コスタは残念ながら亡くなりました)
今はアメリカのLAでのソロ活動が多いようだが海外でも結構ツアーをしているし
多才だよね。マルセロ・カメーロとの繋がりもあるし大御所ガウ・コスタとも
デュエットしている。ブラジル音楽界ではかなり知られた存在だ。一度結婚して
いるが離婚して現在は独身。映像にも興味が強いようだ。奇才な感もある。器用だ。

2015年に作曲した、Netflixで配信されているクライム・ムービー ”NARCOS” の
テーマである”TUYO”がヒットしている。コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルを
描いた作品だ。ブラジル人俳優のWagner Mouraが主演している。
スペイン語で書かれたこの歌はかなり官能的なフレーズで更にメロも良いからこれは
ヒットするよね。

大体テレビドラマの主題歌とか挿入歌と言うのは話題になるし人気になることが多
いね。世界中共通みたい。最近は有料配信と言う手立てがあるから良いね。全世界で
同時に見られる。便利な世の中になったものだが、ストリーミングでないと見られ
ない音楽もある。ダウンロードがメインになって行くのかな。

ついでに、"TUYO"はアマランテ自身もギターで歌っているが、カバー曲としても
多くのシンガーが取り上げている。個人だったり複数ユニットだったりするなかで
Hot Club Tirana というグループが取り上げている。独特の世界観だ。女性ボーカル
のGigliola Haveriku がアップテンポで官能的に歌い上げている。男の声よりも
女の声、あるいはデュエットが良いね、この情熱的な歌詞なら。髭ずらのオジサンが
ムードたっぷりに歌うのも良いけど女性に歌わせたい。まあ、テンポにもよるけどさ。
ともあれ、Youtubeでいろいろ見られますよ。
このグループはラテンナンバーを結構カバーしているが特にバイオリンのValin Qerimaj
が何より素晴らしい。女性ボーカルの名前はギリオラと紹介されているのを見かけるが
どうもジリオラらしい。本人がそう発音している。ジリオラ・チンクエッティと言うイタ
リアの歌手がいるし、同じスペルだからジリオラでしょう。難しいね、ひとの名前の読み方は。
コンパイ・セグンドらが歌うキューバの歌である ”Veinte Años"もカバーしている。
このバンドは音楽のセンスも優れているし、エキゾチックで日本でも受けると思うけどね。

最近の、学芸会の延長みたいのがゾロゾロ出てくる日本の歌謡ショーやエンターテイメント
の世界は、ちょっとあまりにも低レベルで見ているのも恥ずかしいよ。キチンと歌える歌手を
出して欲しいよね。話がずれたけどさ。

Rodrigo Amarante は髭のある顔の写真が多いな、真っ黒もあれば白髪交じりもある。
髪の毛もグシャグシャだったりとどれが普段の顔だか。どこかで写りの良いのを見つけて
描き直すよ。だけど目が良いねえ、この人は。

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