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カラスの巣に通うのも、今日これが最後の機会にしたい。
来る度にそう思っているのだが、不滅の奈落、ベネットの強さに毎回打ち砕かれる。それまでの3人も尋常ではない強さだったが、ベネットの強さは頭一つ分抜けている。
曇り空の中、今日も闘技場は満員だ。貴族のような身なりの女性から海賊のような粗野な男まで、多種多様な人間が客席で闘技場を取り囲み、他人の命のやりとりに興奮する歪んだ愉悦にとりつかれていた。張り上げられるヤジも、何度となく倒れ伏した石畳も、いつの間にか私に馴染んでいた。
万全の準備をしたはずなのに、ジャリ、という音ともに目の前に現れた銀髪赤服の彼女の姿に、どうしても肩に余計な力が入るのがわかる。
格子戸が下ろされ、観客の声が一段と激しさを増す。剣を握った手に、じわりと水気を感じる。仮面の下で、彼女が微笑んでいるのがわかる。
不意に雲が晴れ、日の光が闘技場の中心に差し込んできた。それが徐々に広がる。それとともに“ガヤの声”が次第に小さくなっていった。訪れる一瞬の静寂。ベネットと目が合った。
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お互いが同時に踏み込み、衝撃と鈍い金属音が響く。鍔を迫り合い、お互い一歩も引かぬ体制でがっちり組み合った。
…フフフ。
来た。いつものだ。
アハハハハ!
ベネットの笑い声。彼女の闘いはいつも笑い声とともにあった。楽しんでいるようで、泣きそうな声で、いつも笑っていた。
彼女の攻撃は熾烈を極めた。遠隔から近接から、闘技場を縦横無尽に動き回る。攻撃を避けながらなんとか食らいつき、スマッシュラッシュで彼女の体力を削っていく。
しばらくすると、彼女の分身が2体現れた。合計3人のベネットが闘技場にいる。1体でも気の抜けない強さだというのに、これをどうしろというのか。
とにかく近づきすぎず、遠くもならない距離で細かく動き回りながら、スマッシュラッシュ、回転切り、一気に距離を詰めるエクスプロードを多用した。
幻影のベネットには実態がないので、体当たりが素通りすることはわかっている。しかし、幻影の攻撃は私にダメージを与えるのだ。迂闊に近寄るわけにも行かない。
3体がそれなりの距離に集まってきたら、スマッシュラッシュからスピンスマッシュとグラウンドクラッシュ、そしてトワイライトスカーと範囲攻撃のスキルをつなげてダメージを与えていく。合間に回転切りを連続してたたき込んだ。エクスプロードも不意打ちで使った。ダメージは3体に分散されてしまうが、その分早く幻影を消すことにもつながるのだ。
そんなことを何度か繰り返して、ベネットの動きがかすかに変わってきた。軸がぶれている。一瞬ではあるが明らかにダメージのたまった動きだった。
左にフェイントして、彼女の体が流れてきたところに、楯ごと体当たりした。彼女の反応が遅れ、攻撃態勢が整わないうちに、私は猛然と剣を振るった。ベネットも必死に体を動かし抗うが、その手に、その足に、いつもの力はなかった。
死に物狂いで彼女を追い詰め、気がつくと、ベネットを組み敷き、その首に刃をかけていた。勝負あり、の声が響き、観客のどよめきと拍手とヤジが入り乱れる。
それでも。
アハハハハ!
彼女はいつものように笑っていた。それがなんだか、切なかった。
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はい、黒い砂漠日記です。
ようやくベネットを倒すことができました。攻撃力が253を超えて攻撃力ボーナスが上がったのと、リブート後にスキルの威力が上がったからでしょうか。なんとか勝つことができました。
いままではスキルとか書いてこなかったですが、こんなふうに倒したよ、の意味も込めてコンボとか書いてみました。ので、基本的な攻撃は上に書いたとおりです。
気になったのは、分身が元に戻ったあたりで、ベネットのHPゲージが回復しているように見えました。同じように感じた方がチラホラいらっしゃるようで、見間違いではなかったのかなぁ(´・ω・`)
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