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五十路男の独り言集。
乱筆乱文はご容赦ください。

「オススメのヘヴィメタルは?」の問いに答える前に「X-JAPANは“聴けますか”?」

2020年05月18日 15時00分55秒 | 音楽

注1:ワタクシは音楽ライターでもメタル評論家でもX-JAPAN信者でもありません。好みの曲を好きなように聴いていただけの人間です。なので、ここに書かれてある歴史的なことやバックボーンなどは信憑性に欠けることもありますので、ご自身で調べてみてください。

注2:あくまで独断と偏見から来る、こんな意見もあるよ、の域を出ません。思考実験に近い何かかもしれません。あしからず。

 

 

……よし、予防線は張ったぞ(´・ω・`)

 

 

はい、今回は危険球のオンパレードでございます。ケンカを売るつもりはありませんが、火種を振りまくことになるかもしれません。でも、ちょっと書いておきたかったのです。日本にいてヘヴィメタルを語る上で、X-JAPANは避けて通れないよなぁ、と思うのです。

 

 

最近、ヘヴィメタルに関して目的もなしにネットの記事を読んでいたのですが、「ヘヴィメタルを聴くならこれが鉄板」とか「メタル初心者にお勧めする王道アルバム」みたいなものが結構ありまして、たいていMEGADEATHやIRONMAIDENやMetallica、HELLOWEENあたりを推しているわけです。

もちろん、MEGADEATHやIRONMAIDENやMetallica、HELLOWEENなんかは王道であり鉄板であり基礎の基礎、という認識はワタクシも理解しているつもりです。

けどね。

万人が万人、これらビッグバンドの曲を気に入るかというと、どうなんだろう、と思ったのです。

 

ヘヴィメタルに興味を持ち始めた人が、詳しい人に質問する1番はやっぱり「オススメは?」「何を聴いたらいいの?」でしょう。ヘヴィメタルだけではなく、もちろん音楽だけではなく、さまざまなジャンルに言えることで、羅針盤がなければそのジャンルの海へ航海に出られません。

そんなときに、特に体験系のジャンルである音楽は、聴く人の人間としての感性や内包しているリズム・センス、あるいはバックグラウンドなどが複雑に絡み合って好みが分かれていく分野だと思うので、ファーストインプレッションは大事にしたいと思うのです。

しかし、処女航海の旅に出るというのに、なんの準備もなしにいきなり聖地を目指せというのは、いささか乱暴な気がするのです。羅針盤がどういうものか、海の状態やどんな海域なのかという情報がないまま海に出れば、すぐに難破するか高い波のいなし方がわからず、すごすごと戻ってきてしまう。そんな感じがするのです。

リアルに言うと、ヘヴィメタルに興味のある人がみんなあのギターの旋律やザクザク刻むリフの嵐、dkdkなドラムを好むわけではない、というかホントに“ずっと聴いていられる”のかはわからないということです。

ニッチな話かもしれませんが、シンフォニックメタルにクラシックの楽器やらオーケストラやら使ってるわけですが、メタルではなくても、ポップスだったりロックバンドとのコラボだったり、そこからの流入がいてもおかしくないし、日本のポップスしか聴いてなかったけど、ハードロックアレンジを聴いて興味を持った、なんて人もいるはず。そんな人たちがじゃあいきなりMEGADEATHやIRONMAIDENやMetallicaやSlayerなんかを「スゲー!!」って聴くかというと…どうなんだろう。

日本にもロックバンド、ヘヴィメタルバンドは数多くいます。メジャーどころでは、GlayやBumpOfChickenやMr.Childrenもロックバンドですし、AsianKanfuGenerationやらRADWIMPS、B'zなんかは耳にしたことあるでしょう。

まあ、DirenGreyなんかはヨーロッパ進出を機に本格的なヨーロッパメタル(造語)に進んでしまって、ちょっとコアになりすぎた感じがあるし。あ、ちなみに相撲おじさんでおなじみのデーモン小暮閣下率いる聖飢魔IIも歴としたヘヴィメタルバンドですよ。

でも、“ジャパメタ”(日本のヘヴィメタル)のGalneryusやLOUDNESSといわれても、一般人からしたら「誰それ?」となって、結果としてヘヴィメタルへの親近感がわきません。

 

良くも悪くも知名度の高いX-JAPANであれば、あーあのX-JAPANね、とある種の共通理解を得ることができます。

 

何言ってんだこいつ、とお思いのメタル兄貴におかれましては、そのお言葉はごもっともです。メタルのとっかかりがX-JAPANでホントにいいのか、というご意見があろうかと思いますが、免疫のない方に勧めると考えると、まず日本人がやっているヘヴィメタルの中でも、その人に一番近いであろう存在で楽しんでもらえれば、それ以降の沼への沈め方、もとい同士の作り方なんていくらでもあると思うのです。

 


ここで、X-JAPANについて語っておきましょう。

 

X-JAPANはデビュー初期(1980年~1990年)の頃のプロモーション活動や素行の悪さ(ご本人様およびファンの方ゴメンナサイ)から、当時のメタル界隈からは総スカンを食らっていました。メタルを安売りしやがって、とか、奇抜すぎるファッションはけしからん、など、非難囂々だったようです。ビートたけしの番組とかで、あのファッションメイクのまま運動会とかやってたんだぜ。信じられるか?

しかし、彼らが発表した楽曲(アルバム)の完成度は高く、テレビで見る彼らの姿とそのギャップから、非常に驚かれたようです。現在でも、当時としては世界の潮流とマッチしていたのではないかと、再評価する声も聞こえて久しくなっています。

折しも、アメリカでMTVが流行り、アーティストがみなPV・MVを作るようになり、ヴィジュアルにも気を使い出した「ヘアメタル」の時代です。日本で言うV系のヒントになったとも言われていますね。

それと同時に、HELLOWEENやBLINDGUARDIAN、GAMMARAYなどが日本でも人気を博し、ジャーマンメタルが認知されるようになりましたが、X-JAPANの楽曲もまた、ジャーマンメタル特有の美しい旋律と高速リズムでダイナミックな世界観を作り出すことに注力していました。

X-JAPANのアルバム「VANISHING VISION」や「Joker」あたりなんかはやっていることはほぼ同じです。が、いろんなやらかしのせいで、いわゆるお騒がせバンドとしての(一般人からの)イメージが拭えませんでした。

しかし彼らは、売れること=曲を聴いてもらうこと、そのためには知名度を上げなければいけない、そんな確固たる信念から、なりふり構わず露出を増やしたと言われています。そういう積み重ねと、メンバーの強烈な個性と、楽曲の美しさが認められるようになり、社会現象にまでなったあの熱狂的なファンを生み出しました。

X-JAPANのアルバムはどれも、高いキーの歌声、速いリズムのドラム、複雑に絡むギターの音色、差し込まれるピアノ、そして高速ビートとバラードの落差、その連続です。

そして楽曲は、パワーメタルからプログレッシヴメタル、シンフォニックメタル、グラムメタル、スピードメタルなど、ヘヴィメタルにカテゴライズされる代表的なジャンルの特徴を持っています。それを日本人の感覚で叙情たっぷりにアレンジしてます。

その後、X-JAPANは世界進出を果たしましたが、それ以前から実は、海外のアーティストがX-JAPANをリスペクトしていたようで、"Marty" Martin Friedman だったかな、「X-JAPANを聴いて、すげえと思った。ジャーマンメタルからバラードまでやるなんて! バラードなんて他の国のメタルバンドじゃやらない。こういうのをやってもいいんだ、と驚いた」と言わしめたほどです(うろおぼえ)。MartinはあのMEGADEATHのギタリストだった人間ですよ?

 

アルバムを一通り聴いてもらえば、自分に合ったもの、聴いていて“不愉快ならない”系統のジャンルを探ることができるという、ある意味希有なバンドなのです。しかも一般人にも知名度がある。多少系統の偏りはありますが、リトマス試験紙的バンドとしてこれほど適しているのは、実はX-JAPANだけではないでしょうか。

言うなれば、X-JAPANがそれぞれのジャンルの海の羅針盤となり、航海を導く役割を果たすのです。そしてその先に、ヘヴィメタルのレジェンドたちが待っているのです。

 

ただまあ、いろんな意味でアンチを生み出しやすい体質なのもX-JAPANなので、避けられてしまうこともあるでしょうけどね(´・ω・`)

 

 

別の角度から見ましょう。

 

歌詞でいえば、いわゆるヘヴィメタルの歌詞は、ノンジャンルと言っていいほどバラエティに富んでいます。悪魔ネタからお下劣ネタ、社会的テーマを取り上げたものまでさまざまです。

しかし、さらに下位のジャンルになると、ある種の方向性が定まってきます。

わかりやすいところで言うと、シンフォニックメタルやエピックメタルなどは、幻想的というか英雄譚というか、とにかく“クサい”です。

デスメタルは反キリスト的でもありますが、怒り悲しみ恨み絶望鬱など、負の感情を表現することが多く、ブラックメタルなんかはまさに悪魔礼賛悪魔崇拝キリストいらねぇ! 的なものが多いです。

ヘヴィメタルに免疫のない人がこれらの歌詞カードを見てどう思うのか。繊細な人だとそこで固まってしまうかもしれません(もしくは大ハマりするかもしれませんが)。

X-JAPANであれば基本日本語で、感情の機微も理解できる表現で歌われています。そういう意味でも、ハードルが低くなるのです。

 

また、これはTV番組「関ジャム」で言われてたことですが、1つの音符に載せる言葉・発音は、英語と日本語で違うそうです。

英語発音では単語(あるいは単語のアクセント)を当てられるけど、日本語発音では、できるだけ1音符に1発音もしくはそれに近い発音数が当てられることが多いそうです(うろおぼえ)。言葉・発音の仕組みからするとそうならざるを得ないようです。

裏を返すと、音符の数が多い複雑な旋律は日本語歌詞を乗せやすいということです。スピードリズムに乗った歌詞をちゃんと理解できる、高レベルの楽曲作りができるヘヴィメタルが“ジャパメタ”の強みですね。

ヘヴィメタルのレジェンドを聴く前に、「自国のビッグネーム」をまずは堪能してもいいのではないでしょうか。

 

さらにいえば。

男性ボーカルより女性ボーカルを好みの方なら、まずはSHOW-YAとかBAND-MAIDもいいんですけど、BABYMETALでもいいんじゃないかなと。

何言ってんだこいつ、とお思いのメタル兄貴におかれましては(ry

MEGADEATHやMetallicaCもABABYMETALを絶賛してるし、お墨付きはもらってるんですよぅ。

 

まとまりがなくなってきました。

 

ヘヴィメタルは音楽もそうですが、聴いている人も“うるさい”です。こだわりが強い人たちが好む音楽ですからね。こうであるべきだ、という強い思いもわかります。

ただ、せっかく「仲間になりたそうにこちらを見ている」というであれば、もう少しなじみやすい選択肢があってもいいんじゃないのかなぁ、と思ったのです。

その一例として、X-JAPANが適してるのではないか、と論じてみた次第でございます。

 



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (赤伊陽炎)
2020-06-20 14:44:44
熱いヘヴィメタル論を読みました。
洋楽の方はほとんど無知ですが(苦笑)
GALNERYUSとかアンセムとかは
ヘヴィメタとは言わないんですか?
ちょっと気になったのでおききしたいです。
返信する
赤伊陽炎さん (のヮの)
2020-06-20 17:51:38
 
ワタクシの言葉足らずですみません。
もちろんGalneryusやAnthemもガチのヘヴィメタルですよ。
日本のヘヴィメタルには欠かせない存在です。
 
ただ、X-JAPANはテレビやネットでそれなりに映像が流れてたりして、
一般の人でも、YOSHIKIとかTOSHIの顔も思い出しやすいと思うのです。
でも、小野正利や森川之雄の顔はわからないんじゃないでしょうか(独断と偏見)。
そういう距離の近さを、親近感と言い換えたつもりだったのです。
 
GalneryusやAnthemをヘヴィメタルの足がかりにしても全然問題ないと思います。
ようは、「メタル曲」からのアプローチだけじゃなく、
「YOSHIKIはテレビで見たことある~」からのアプローチがあってもいいんじゃない?
ってことを言いたかったのです。
返信する
ありがとうございます (赤伊陽炎)
2020-06-22 10:36:41
私はドラムの音から入りましたんで・・・
足バスの響きが好きで・・・(苦笑)
いい年齢のおばさんですですがね。
返信する
赤伊陽炎さん (のヮの)
2020-06-22 23:47:51
ワタクシもバスドラdkdk大好物です
youtubeやニコニコ動画で
ドラム演奏、叩いてみた動画を
見たりしてますョ~
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