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五十路男の独り言集。
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浅草橋から蔵前散歩

2018年03月11日 23時48分34秒 | よもやま話

※長文注意です。




さて、昨日のお出かけについてつらつらと書いてみようかと思います。



寝ぼけ眼をこすりながら、浅草橋で開かれていた「変わる廃墟展」へ行ってきました。この展示会場、行くのは何回目かな、3、4回来てると思うんですけど、道ももう慣れたモノで迷うことなくつきまして、ビルの入り口につくとこんな感じでした。


ちょっとおどろおどろしい? ちなみに次回はかわうそ展だそうです…かわうそ?

いつものように500円の入場料を支払って、こぢんまりした会場へ入ると結構な人の数。工場夜景展とかもそうですけど、メジャーとは言えないまでもそれなりの認知度のテーマを持ってくるのはうれしいですね。大きい箱だとなかなか開催しないような内容ですから。

写真がずらりと展示されてて、奥のブースでは映像作品が流れていました。誰が、とかどんな構図で、とかは語りませんが、一通り見てわき上がった感情が「これじゃない」でした。いや、作品たちはどれも魅力的ではあります。朽ち果ててゆく人工物の姿をしっかりとらえていると思います。

が。

異物が紛れ込んでいました。

「人(の意思)」です。



※以下はワタクシの主観であり勝手な妄想なのであしからず。



作者の狙いとしては無機質無機物と有機的存在、死と生のコントラスト、単純にかっこいいから…いろんな理由で人を含めたのだと思います。それ自体はいいのです。けど、ワタクシには「異物」でしかなかったのです。

廃墟を構成する重要なファクターの一つに「静謐」があります。「『場』の停止」から来る無音(に近い)情景とでも言いますか。建物(人工物)の時間が止まった感じと言えばわかりやすいでしょうか。廃墟のなかで人の痕跡はあっても、それはけっして「今」ではないのです。「今」の人がそこに入り込んでしまうと「意思(作為)」をどうしても意識してしまう。だって、「今」の人はそこにはあるはずのないものだから。そして人の意思とは刻々と移り変わり、やがて流れを生み出す。その流れの行き着いた先が廃墟の「『場』の停止」であるのに、また流れを生み出すことはその静謐をかき乱すノイズでしかない。そして廃墟のカタルシスとか虚無性とかが毀されてしまうのです。



いやぁ、この展示会に来て、初めてワタクシ自身の「廃墟観」を認識しましたよ。クレイジージャーニーで佐藤健寿氏に紹介された「共産党ホール」「巨大冷却塔」なんかの印象が強すぎてそう感じるのかもしれませんが(笑



そんな廃墟展をあとにしたのがお昼近く。日が差したり雲がかかったりの天気でした。ランチをどうしようかと連れと相談しながら次の目的地へ向かいました。

喫茶店(カフェ?)蕪木です。

 
ちょーわかりづらい 営業中?

ネット記事で紹介されたネルドリップのコーヒーが楽しめるお店です。いや珈琲かな。近場にこんな店があるのかと思って足を運んだのですが、連れが地図を持ってきていてもほんとにお店がわかりづらい。オーナーのこだわりなんでしょうね。

ここなのかなぁとおそるおそる扉を開くとこれまたこぢんまりした店作り。店員は男性(この人が蕪木さんかな?)と女性がひとりずつ。明かりを控えめにした琥珀色の空間。カウンター6席とテーブル2席。すでに5人の先客がいまして、ワタクシたちは必然的にテーブル席へ。とにかく静か。荷物入れを出してくれた店員さんも控えめな話し方。ちなみにお店の裏に作業場があるようでしたが、焙煎機(?)が店内にありました。

席について、メニューとお水を持ってきてくれたのでひと口…ってこれ白湯。しかも熱々ではなく飲みやすく冷ましてる(もしくは水いれた?)ヤツ。メニューも和紙風の紙を和綴じにした必要最低限のもの。この時点で連れと目を合わせて「うわぁ…(謎の恐縮感)」となっていました。メニューにはブレンド3種とストレート1種。そのほかカフェオレなどいくつかあって、珈琲に合わせるチョコ、お酒もメニューに載ってました。

連れはカフェオレを、ワタクシはストレートのモカを。見たことのない豆の名前だったので憶えられませんでした(汗 本来であればその店のブレンドを頼むほうがいいんでしょうけど、普段ストレートの豆で珈琲を飲んでる身としては、プロが淹れる珈琲はどんなものかを知りたかったのです。そして、珈琲に合うチョコレート。モカをブラックで飲むのでチョコはミルク入りの方がいいかなと思って選んだのですが、この珈琲に合うチョコレートはこちらのほうが、と勧められビターチョコに。…アレ?

手際よく珈琲を入れていくのを横目に調度品なんかを見ていまして、黒檀か紫檀かフェイクかわかりませんでしたがそれで統一されているようでした。運ばれてきたカップは統一されていませんでしたが、もしかしたらメニューごとに使うカップが決まっているのかもしれません。また、棚の上に一輪挿しの薔薇(?)があって、粋ですね(ため息

珈琲が来たので飲んでみると、酸味と苦みのバランスはちょっと酸味寄り、でも味は今まで味わったことがない強い味でした。そして合わせたチョコレートも一かじり。酸味と言うより酸っぱさが始めに来ました。いままでに味わったことのない、(ワタクシにとっては)変な味でした。ただ、口溶けの味はちゃんとチョコレートで、珈琲を合わせて飲むとこれが妙に合います。好みが分かれるでしょうが、好きな人は好きなのではないでしょうか。連れのカフェオレも、普段飲んでるよりも珈琲味が強く出ていたそうです。色合いから珈琲とミルクが1:1っぽい?

途中アイリッシュコーヒーを頼んだ方がいらしたようで…。

ウイスキーの入ったグラスをアルコールランプの上でくるくると丁寧に回し、おもむろにフランベしてグラスのなかで青い炎がくるくると回っているところに、淹れたての珈琲を注ぎ生クリームでフタをして味を閉じ込める、その一連の動作にみんな見惚れていました。カップル客の女性の方が同じ物を注文して、同じ光景をもう一度見られたのはちょっとうれしかったです。

ホントは写真撮ってアップしようかと思ってたのですが、さすがに撮りませんでした。実はアイリッシュコーヒーを頼んだ男性はそれが目的だったのか、一眼レフのカメラで何枚か撮っていたようです。人それぞれですねぇ…。


琥珀色の空間で。

雰囲気を壊すのが怖くて会話も控えめに。目の前には珈琲とチョコレート。湯を沸かす音、器具の触れあう音、密やかな声、緩やかなピアノ曲。儀式のような準備を経て珈琲を真摯に注ぐ姿。華美はなく調和。それでいて強いこだわり。窓から入ってくる柔らかな陽の光。一本の紅い薔薇。

連れが言っていました。すごい贅沢な瞬間なんじゃないか、と。
…うん、そうだね。



そういえば何組かお客が入ってきたのですが、入ってくるなりこの空間に圧倒されてかみな口をつぐんでしまい、他のお客さんから鋭い視線を送られていました。ワタクシたちもああだったんだろうなー(´・ω・`)



そんな至福の時間のあとは先日も行ったオーダーメイドのノートとペンが作れるカキモリへ。



この3カ所が徒歩圏内(歩いて5分以内)にあるなんてなんという僥倖。この時点で午後1時を回っていたので先にノートを注文して(注文から早ければ30ほど分でできあがる)、お昼を食べることにしました。で、いろいろ検索したのですがいいところがなく、ランチメニューを出していたカキモリの2軒隣のお寿司屋さん「豊鮨」へ。お昼から回らないお寿司屋さんですってよw 


ランチメニューの握り1人前ですけど、やっぱり美味しかったです(*´ω`*)



お寿司を堪能したあとふたたびカキモリへ行き、すでにできあがっていたノートを受け取ってこの日は終了。蔵前のあたりはオフィスが多いからか休日にはあまり人影がなく、午後の日差しもあって土曜はお散歩日和でした。気持ちよかったー。



帰りに蕪木の前を通ったのですが、外に行列が出来ていました。もともと人気店なのもあるんでしょうけど、ワタクシたちみたいにネットを見てきた人もいるんだろーなーと思ったり。ちょっと早い時間に行ったのがよかったみたいです。



こんな休日もありですよね。

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