いわさきあきらの音人的生活

京都のキーボーディスト岩崎明のブログです。音楽の知識、機材の紹介、日記など。

思い出のシンセ・機材「YAMAHA RX15」

2009年07月15日 | 思い出のシンセ・機材
 1980年代の始め、衝撃的なニュースが流れました。

「ドラムの生音がでるリズムマシンができた」

 今では、あたりまえになっているサンプリング。
 つまり、生音をデジタル録音して、トリガーで再生させる方式の
 リズムマシンがあるというのです。

 それは、リン・ドラムという名前の海外製のリズムマシンで、
 価格も50万円ぐらいしていたと思います。

 ドラムのリズムを自分の好きなように組める、
 それは、多重録音という方法で、
 一人でオリジナル音源を作っていた私にとっては、
 あこがれの機材でした。

 ドラムの録音は、叩ける知り合いに頼んでも、
 スタジオで録音するのはかなりのお金がかかりました。

 他の楽器は自分で録音できても、
 何本もマイクを使うドラムはやはり無理。

 個人の多重録音のネックはドラムだったわけです。


 それからしばらくして、さらに衝撃のニュースが・・

「リン・ドラムのようなリズムマシンがヤマハから8万円ぐらいで出る」

 YAMAHAのリズムマシン、RXシリーズです。

 上位機種のRX11(約14万円)そして、RX15(約8万円)が発売されました。
 RX11は、音色数も多く、パラアウトもついたプロ使用。

 値段が手頃なRX15は大ヒットしたようです。

 もちろん、私も発売と同時に買いました。

 この頃は、コンピュータやシーケンサーなども一般的ではなかったので、
 リズムマシンで、打ち込むというスタイルが普通でした。

 RX15は、自分の作品や、デモ・音源づくり、アレンジなどに大活躍しました。


 それまでのリズムマシンのローランドのTR808を中心とした、
 トン、パシャ、トン、パシャという音のアナログ音源のリズムマシンから、
 サンプリングのリズムマシンが主流になっていきます。


 けれどRXシリーズのビット数は、8ビット(CDは16ビット)だったので、
 生音にしては、かなり荒い音だったんですね、

 その頃は、デジタルのそんな概念すらわからずに使っていましたが・・


 一時姿を消していたアナログのリズムマシンは、
 後に、R&Bを皮切りに、テクノ系や、ポップス系でも使われるようなり、
 今では、その音色は普通にリズム系の音源に見られます。

 逆にサンプリング系のリズムマシンは今では姿を見ることはなくなりました。

 実際のドラムの音に近づけば近づくほど、
 オリジナリティーがなくなっていく、
 これは、この後、発達したサンプリング系のシンセも同じですね。



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思い出のシンセ・機材「YAMAHA QX5」

2009年07月13日 | 思い出のシンセ・機材
 似たような名前の機材が続きますが、
 どんどん思い出してきたので、
 思い出のシンセ・機材シリーズが続いてます。

 見た目も、前回のTX7とよく似ていますね。

 DXは、シンセサイザー
 TXは、音源モジュール
 そして、このQXはMIDIシーケンサーのシリーズです。


 シーケンサーとは、もともとは
 アナログ・シンセサイザーを使って
 単純な短いフレーズをくり返す装置だったのですが、

 MIDI(ミディ)というデジタルの規格ができたことで、
 何台ものシンセサイザーを
 何小節にもわたって、
 複雑な演奏をさせることができるようになりました。


「打ち込み」という言葉は、
 コンピュータに音符の情報を
 数字で入力していたことが、
 MIDI シーケンサーを使った音楽制作全般を
 言うようになったものです。


 MIDI シーケンサーには、
「ステップライト」という、「打ち込み」に近い感覚の、
 音符をひとつひとつ入力していく方法と、

「リアルタイム」という、一定のテンポのクリックに合わせて
 キーボードをプレイして情報を録音する方法がありました。


 QX5は、操作ボタンも少なく、
 小窓のような液晶画面に
 演奏情報が表示されるので、
「リアルタイム」に、向いていました。


 その上位機種のQX3は、
 エディット画面も大きく、
 テンキー入力ボタンもあり、
 フロッピー(!)ディスクドライブもついて、
 約15万円。

 シーケンサーのみにこの値段はつらいですね。
 けれど、結局、後にはQX3を使うようになりました。


「打ち込み」が音楽制作のメインになったのは、
 シーケンサーともうひとつ、
 サンプリングによるドラムマシンの登場があります。

 次回は、そのYAMAHAのRXシリーズについての話です。



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