いわさきあきらの音人的生活

京都のキーボーディスト岩崎明のブログです。音楽の知識、機材の紹介、日記など。

マイケル・ジャクソン、逝く

2009年06月30日 | 音楽記事
 ここのところ、テレビでは連日、
 マイケル・ジャクソンのニュースが流れています。

 20~30代ぐらいの人にとって、
 マイケル・ジャクソンは、整形をくり返してる変な人、
 ぐらいの印象しかないんじゃないでしょうか?


 けれど、プロデューサー、クインシー・ジョーンズと作り上げてきた数々のアルバムのサウンドは、
 無駄な音が一切ない。
 まるでマイケルの体型のように、完璧にダイエットされたサウンドでした。


 私の最もお気に入りは、やはり、最も多感な時期に聴いたアルバム、

「OFF THE WALL (オフ・ザ・ウォール)」です。

 今とは、まったく顔が違いますが、これはこれでカッコよかったんですけどね。


 そのアルバムの曲がヒットしていた頃、
 私は、木屋町通りにあったディスコ(クラブじゃないですよ、ディスコ)で、
 週に何回かその頃やっていたバンドで演奏していました。

 演奏後、ダラダラと最後まで、ディスコで曲を聴いたり、踊ったりしていましたが、
 それが結構リズム感を鍛える練習になってたんだな~
 と、今、思います。

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TRITON extrme(トライトン・エクストリーム)中古市場で値上がりか!?

2009年06月27日 | 音楽記事
JEUGIAのヤマハ大人の音楽教室
キーボード・レッスンのページをチェックして見てみると、

http://www.jeugia.co.jp/school/yamaha/pms/Keyboard.html

「けいおん」で人気上昇中!

と書いてありました。


「けいおん」って、何だ?


と、検索してみると、人気アニメだとか・・ 全然、知りませんでした。


そして、そのアニメでバンドをする女の子たちが
使っている機材が、めちゃくちゃ売れているらしい。


で、キーボードは、と見れば、

KORG の TRITON extreme (トライトン・エクストリーム)。

なかなか、やるなぁ、選ぶ機材が渋い!


残念ながら、このトライトン・エクストリームは
もう生産終了しているはずですが、
コルグのワークステーション型のシンセで、
最も完成度が高いのは、音色、デザインなどの面で、
トライトンだと思います(OASYSという80万円以上するシンセは含めず)。

最新のM3は、内容はよさそうなんですが、
デザイン的に、どうもひかれません、個人的な意見ですが。


トライトン・エクストリームは、
このトライトンに真空管を装備したものです。

何度か、試奏はしましたが、真空管ONにすると、
やっぱりかなり音は太くなります。
買おうか、買うまいか、かなり悩んだシンセですね。


中古市場で、値段が上がりそうです。
手に入らないとなると、
逆に、なんとしても、ほしくなるものですからね。



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☆キーボードプレーヤー列伝 第6回「デイヴ・グルーシン」後編

2009年06月24日 | キーボードプレーヤー列伝
 デイヴ・グルーシン(Dave Grusin)は、

 アコースティック・ピアノ、
 フェンダー・ローズ・エレクトリック・ピアノ

 と’70年~’80年のフュージョンの定番キーボードの他に、
 シンセサイザーも積極的にサウンドに取り入れていた。

 フェンダー・ローズは高温を強調した音でも、
 エフェクトを効かせた音でもなく、ナチュラルな音質だ。

 ドラマーのラリー・ローゼンと、
 GRP(グルーシン・ローゼン・プロダクション)を設立。

 オーディオ・クオリティーの高いレコード(ダイレクトカッティングのレコードも)、CDを続々と出した。

 ダイレクトカッティングのレコードは、
 録音しながら、レコードに溝を刻んでいくという、
 演奏のミスが許されないレコードなのだが、
 そういうレコードが出せるのは、
 かなりの確かなテクニックがある人なのだ。


 若い頃はジャズのレコードもリリースしていて、
 かつてあった河原町のジャズ喫茶で
 それを聴いたことがあるのだが、
 これは、なんだかもうひとつの出来だった。

 それがフュージョンという土俵で、
 様々なヒット作を出す人になったのは、
 クインシー・ジョーンズとの出会いが
 大きかったのではないかと思うのだが、
 詳しくはわからない。
 
 映画音楽から様々なミュージシャンのプロデュースなど、
 かなりの仕事量をこなす、
 大器晩成型、職人キーボーディストである。


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☆キーボードプレーヤー列伝 第5回「デイヴ・グルーシン」前編

2009年06月22日 | キーボードプレーヤー列伝
 デイヴ・グルーシン(Dave Grusin)は、
 キーボード・プレーヤーとしてよりも、
 プロデューサーとしてのイメージの方が、最初は強かった。

 
 サックスの渡辺貞男は、
 ジャズといういかにも難しそうで、近より難そうな音楽を
 シンプルなメロディーを奏でて、ポップな音楽に仕立てた。

 そのプロデューサーがデイヴ・グルーシンだった。

「カリフォルニア・シャワー」
「マイ・ディア・ライフ」
「モーニング・アイランド」

 この3枚のアルバムはホントによく聴いた。


 和楽器とフュージョンをコラボレートした日本人、横倉裕。
 そのファーストアルバムのプロデュースもこの人だった。

 その他、アコースティック・ギターのアール・クルー、
 大御所ギタリスト、リー・リトナー、
 フルートのデイヴ・バレンティンなど・・・

 そのプロデュースの特徴は、ポップで明るく、聴きやすい。


 そのデイヴ・グルーシンのプレーヤーとしての最初のフュージョン・アルバムは、
「ワン・オブ・ア・カインド(ONE OF A KIND)」だと思う。

 プレーヤーといっても、やはり、プロデューサー、
 ソロのプレイよりもトータルの曲の完成度が印象的なアルバム作りだ。

 レコードの1曲目だった複雑な曲「モンタージュ」は、
 CDでは後半になっている。
 このスティーブ・ガッドのドラムがすごい。

 アルバムの完成度でいえば、
 この後の「マウンテン・ダンス(Mountain Dance)」がおすすめ。
 
 歯切れのよい、能天気な、とも感じるキーボードのリズム、
 アーティストというよりも、職人的な見た目とパフォーマンスが
 このデイヴ・グルーシンの特徴だと思う。


                  (後編につづく)


ワン・オブ・ア・カインド/デイヴ・グルーシン


マウンテン・ダンス/デイヴ・グルーシン


カリフォルニア・シャワー/渡辺貞男


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おもいでメモ「YAMAHA CS10」

2009年06月19日 | 思い出のシンセ・機材 ~シンセ編~
 これが、私が一番最初に使ったシンセ。

 YAMAHA CS10

 オシレーター(発信器)がひとつ、ということは
 音が1音しかならない。

 メモリーもできないので、図にしてつまみの位置を書いてました。


 その頃のシンセはほとんど1音しかでなかったので、
 リード、ベース、あるいは、効果音的な使い方しかできなかった。

 構成は、今でも人気のあるミニ・モーグを基本的にマネしていて、
 VCO(オシレーター)→VCF(フィルター)→VCA(アンプ)という、
 一般ピーポーには、なんのこっちゃわからないでしょうが、
 今のシンセにもつながる基本的な音作りの構成になってました。

 ミニ・モーグは当時で50万円以上、CS10は8万円台と、
 値段の差はもちろんあって、音は薄っぺらい。

 その後、時代はデジタルへと移って、
 このシンセもほとんどゴミのような価値になっていたんですが、
 テクノ系からアナログ・ブームになって、
 また人気が出てきました。

 その時にヤフオクで売ったんですが、
 落札価格が2万円ぐらいでした。
 一時は、1000円以下になっていたので、破格ですね。


 エフェクターはもちろんついてないので、
 今なら、マルチエフェクターをアウトの途中に入れて、
 リバーブ、コーラス、ディレイなどをかけると雰囲気が出ると思います。
(私は当時、コンパクトエフェクターのアナログ・ディレイを使ってました)


 シンセサイザーの基本の基本を勉強するのには、最適な機種だと思います。


※なんと今でもヤマハのホームページに載ってました ↓

http://yamaha.jp/product/music-production/synthesizers/cs10



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★KBP列伝 楽器・機材編 No.2「フェンダー・ローズ(後編)」

2009年06月17日 | KBP列伝 楽器・機材編
 フェンダー・ローズには、
 ステージ・タイプとスーツケース・タイプの二つがありました。

 スーツケース・タイプの方が、持ち運びに楽そうに聞こえますが、
 こちらはアンプ付きで(写真)、
 鍵盤部とアンプ部を分けることができるのですが、
 ふたつ合わせて、ゆうに100Kgは越えたはず。

 アマチュア・ミュージシャンには、価格、重量ともにつらいものがありました。


 けれど、このスーツケース・タイプの、
 ステレオ・トレモロというエフェクトは魅力的でした。

 ヘッドフォンで聴くと左右に揺れるこのエフェクトは、
 いわゆる「ステレオ・パン」で、ローズの音色をさらに雰囲気あるものにしました。


 リチャード・ティーの音色は、
 当時、コーラス・エフェクトをいろいろ変えて試したのですが、
 うまくいかず、結局、それはコーラスではなく、
 スモール・ストーンのフェイザーであると分かったのはずいぶん後のことでした。

 
 ステージ・タイプの方は、本体に電源コードもなく、
 私の持っていたステージタイプ MARK I は、
 ボリュームとベース・ブースとのつまみと、アウトプットのジャックがひとつあるだけ、
 というシンプルな構成でした。


 最近の機材は色々な音が出せる分、どんどん複雑になっていますが、
 今となれってみれば、このシンプルさはとても魅力に感じますね。


★KBP列伝 楽器・機材編 No.1 「フェンダー・ローズ(前編)」

2009年06月14日 | KBP列伝 楽器・機材編
 ブログ連載「キーボード・プレーヤー列伝」の楽器・機材編です。

 楽器・機材の名前などに、なじみのない人も多いと思いますから、
 この楽器・機材編で、解説をしていきたいと思います。


 今回は、リチャード・ティー、ジョー・サンプルと、
 ともに出てきたエレキピアノの「フェンダー・ローズ(Fender Rhodes)」です。

 この二人だけでなく、70年~80年代初めまで、
 数多くのキーボーディストに愛用された名機です。

 プリセット式のシンセでは、エレキピアノといえば、
 このフェンダー・ローズの音色がまず出てきます。

 けれど、そのアナログでなければ出せない音の暖かみにこだわって、
 今でも使っているミュージシャンも少なからずいます。


 Fender といえば、ギターの会社ですが、そこが作っていたんですね。

「ローズ(Rhodes)」は、最初、そのつづりから
「ローデス」と呼ぶ人もありましたが、
 発音的には「ローズ」だったんでしょう。こちらが一般的ですね。

 写真は、フェンダー・ローズ・ステージのMARK I
 と呼ばれている最初のモデルで、鍵盤は73鍵です。

 私もこのモデルを持っていて、重さが約60Kgもあるこのキーボードを苦労して
(一人では無理なのでバンドメンバーと二人で)、運んだ覚えがあります。

 一番辛かったのは、大阪に昔あったコットン100%というライブハウスで、
 エレベーターなしの4階でした。
 

 80年代にYAMAHAからDX7という
 FM音源方式のデジタルシンセが出ました。

 それまでのシンセが出せなかった金属音が得意で、
 キラキラとしたエレキピアノの音色も魅力的でした。

 約16Kgというローズに比べて3分の1以下の重さと、
 耳に新しいFM音源の響きによって、
 ステージのメイン・キーボードはDX7へと移り変わっていったのでした。


                           (後編につづく)



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☆キーボードプレーヤー列伝 第4回「ジョー・サンプル」後編

2009年06月12日 | キーボードプレーヤー列伝
 ジョーサンプル(Joe Sample)は、

 フェンダー・ローズ・エレキピアノと
 アコースティック・ピアノがメイン・キーボードで、
 シンセサイザー系は、サブ的にアナログシンセはを使うぐらい。

 ローズはアタックを強調した音色で、
 歯切れの良いソロやバッキングのフレーズにフィットしている。

 ちょっと前にツッコんだように聴こえるぐらいのノリが、フレーズにスピード感を与える。


 メロディアスなフレーズとシャープなリズムのコントラスト、
 それが、ジョー・サンプルの最大の魅力である、と思う。


 キーボード・プレーヤーはアレンジャーとしての実力がある人が多い。
 ジョー・サンプルもまた、
 1stアルバム「虹の楽園」の名曲「メロディーズ・オブ・ラブ」での
 見事なストリングス・アレンジでそれを示している。

 もちろんピアノも素晴らしく、クラシック畑のピアノの人にもこの曲のファンが多い。


 フュージョン・ミュージックは、
 チック・コリアのような複雑で技巧的なものと、
 イージー・リスニング的なものに分かれていくが、
 ジョー・サンプルは後者の代表格。

 リチャード・ティーと並んで、
 私が最も影響を受けたキーボーディストの一人だ。


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☆キーボードプレーヤー列伝 第3回「ジョー・サンプル」前編

2009年06月10日 | キーボードプレーヤー列伝
 ジョー・サンプル(Joe Sample)を初めて聴いたのは、,
 クルセイダーズのアルバム「南から来た十字軍」のプレイだった。

 このアルバムの1曲目「スパイラル」。
 この曲で、初めてリズムというものを意識するようになる。

 スティックス・フーパーのドラムとロバート・ポップウェルのベース、
 いまだに自分の中でのNo.1リズムセクションだ。
 実は、この時耳を傾けるのは、キーボードのプレイよりも、
 リズムセクションの方がメインだった。

 正直、ジョー・サンプルのプレイはその時の私には難しすぎて、ついていけなかったのだ。


 その後、何枚かクルセイダーズのアルバムを聴いたのだが、
「これ良い!」と思う曲は、「スパイラル」も含め、すべてジョー・サンプルの作品だった。

 なので、ジョー・サンプルのソロアルバムを、すぐに買った。
「虹の楽園(Rainbow Seeker)」 これも、もちろん、レコード。

 クルセイダーズのリズムセクションで
 メロディアスな部分を前に出したこのアルバムは、大ヒットした。
 聴きやすく、カッコいい。
 このアルバムは色々な意味で、フュージョン・ミュージックの頂点に位置するアルバムだと思う。


 この後、なぜかフュージョン・ミュージックは急速に勢いを失い、
 80年代に入ると、時代は歌もの中心に移行していく。

 クルセイダーズもランディ・クロフォードをフューチャーしたりして、
 歌ものとフュージョンの融合を計る。
 そして、何曲かの名曲を生むが、
 結局、クルセイダーズは時代の波の中に消えていった。


                    (後編につづく)


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☆キーボードプレーヤー列伝 第2回「リチャード・ティー」後編

2009年06月08日 | キーボードプレーヤー列伝
リチャード・ティー(Richard Tee)の使うキーボードは、

アコースティック・ピアノ、
フェンダー・ローズ・エレキピアノ、
そしてオルガン(ハモンド)

と、キーボーディストとしては基本中の基本のようなセット。
シンセサイザーなどは使っているのは聞いたことがない。


それでいて、プレイを聴けば、すぐリチャード・ティーだとわかってしまう。
特に、フェンダーローズ(スーツケースタイプ)のスモールストーンのフェイザーを使った音色。
最近のプリセット式シンセでは、定番音色となっている。

これを使うと「リチャード・ティーのものまね」になってしまうので、使いづらい音だ。


自分自身のアルバムでは、歌も歌う。味のあるいい歌声だ。

私が1980年頃にジャケットが気に入って買ったのは、
写真の「ナチュラル・イングリーディエンツ」。
もちろん、レコード、でだが。

おすすめかと言われると、「う~ん」と言わざるをえない。
(でも、今聴くとまた違うかもしれないが・・)

リチャード・ティーの本領は、これだけの個性を持ちながら、
サイドメン、つまりバック・ミュージシャンとして最高に発揮されると思う。


これこそ自分の音という音色を持つことはミュージシャンの究極の目標でもある。
特に、キーボードにおいては、むつかしいと思うのだが、
それを体現した見本として、一度は聴いておくことをおすすめする。



Amazon; リチャード・ティーのCD