緊急事態宣言が5月末まで延長になり
まるで出口の見えないトンネルの中を走っているような
いつまで続くかわからない自粛生活に
疲れやストレスを感じている人々も多いと聞く。
そんな中、コロナ関連のニュースで見た
自粛を余儀なくされた全国各地の花の観光地で
せっかく綺麗に咲かせた何万本ものチューリップや
藤棚に見事に垂れ下がった美しい藤の花などが
今まさに見頃を迎えたこの時期に
心ならずも無残にも刈り取られる光景は
いくらコロナ対策とは言え、見ていて心が痛んだ。
ちょうど同じ頃、うちの山庭でも…
色とりどりのチューリップの花が見頃を迎えていて
日々その可愛らしい姿に癒されていただけに
花が刈り取られたというニュースは胸に刺さった。
そんな花仲間たちの悲劇も知らず
のほほ~んと咲くうちのチューリップたち。(笑)
もちろん、花に罪はない。
手塩にかけて育てた花の最も美しい時に
刈り取らざるを得なかった人々も苦渋の決断だ。
悪いのはコロナであって花でも人でもない。
こうした巷の状況を見聞きするにつけ
自然に囲まれた山庭はまるで別世界のように感じる。
その別世界にまた新たな住人が加わった。
鮮やかな黄色のラナンキュラスだ。
昨秋植えた春咲き球根の一つだが
葉の形がカエルの足によく似ていることから
ラテン語のカエルranaを語源にして命名されたそうだ。
こちらは古くからの住人のスズラン。
ロクな手入れもせず植えっ放しにしているのだが
今年も一年振りに可愛い姿を見せてくれた。
そして今年も一番乗りで咲いたクレマチスは
真っ白なスノーパラダイス。
クレマチスはいくつか植えているが
なぜか名前がなかなか覚えられず(歳のせい?)
毎年花が咲くたびに過去のブログを見返している。(笑)
もっと熱心に勉強しなければ…。
こっちはバラの一番乗り、アイスバーグ。
気の毒に白い花びらが虫に喰われてしまっているが…
咲いている本人も見ている庭主もお気楽なので
そんなこと気にしない、気にしない。(笑)
こちらは山庭に元から住んでいる先住民。
白い花を枝いっぱいに咲かせているガマズミだ。
一見地味だけど、よく見ると大玉花火のように派手で
職人こだわりの手の込んだ細工が施してある。
トウカエデのハナチルサト(花散里)も芽吹いてきた。
別名メイプルレインボーと言い
新葉の白色から始まって、徐々に黄緑から緑、そして紅葉と
まるで虹のように色の変化が美しいことで有名だ。
そのトウカエデの後ろにデ~ンと立っているのは
昨年初めてその花の存在と由来を知ったウワミズザクラ。
別名ハハカ(波波迦)の木。
その詳細についてはこの記事を…。
古代から皇室の祭祀とも深い関わりのある
そのウワミズザクラの木に
今年も白い穂状の花が咲き出した。
この花を見ると昨年の今頃は新元号令和の始まりに
日本中が湧いていたことを思い出す。
そして日本古来の万葉集を出典とする新しい元号の
令和が美しい調和という意味だと知り
誰もが新たな時代の幕開けに希望を感じていた。
あれから一年経った今
まさかこんな大変な事態になろうとは…。
ウワミズザクラは去年と何も変わらず咲いているが
人類は見えないウィルスとの闘いで
去年とはすっかり状況が変わってしまった。
やっぱりここは別世界なのだ。
そしてこんなところにも別世界の住人が…。(笑)
「ボクもそう思います。ここは別世界です!」
あら、ノラくんもそう思う?
「だって、こうやってじ~っと待ってれば…」
待ってれば、どうなるの?
「ボクのことを大好きなオジサンが…」
そうか、オジサンがノラを好き…なのかぁ~。
「あっ!もうすぐご飯がやって来る!」
オジサン、じゃなくて…ご飯が来るのね?(笑)
「そうです!ご飯が、やって来るんです!」
何だか…オジサンは形無しだね!(笑)
「それに…モッコウバラはキレイに咲いてるし…」
ノラくんは花より団子じゃなかったの?
「もちろん団子が好きだけど…お花も好きですよ!」
へえ~、そうなんだぁ~意外だね!
ノラくん、何の花が好きなの?ねえ、ノラくん!
あれれ…イヤだ、寝ちゃってるの?
厳しいノラ猫の世界で生きるノラにとって
やっぱりここは安心してお昼寝できる別世界らしい。
おやすみなさ~い。