台風12号が通り過ぎた4日の日曜日。
娘と二人で出かけたのは広島県福山市。
目的地は、福山城の天守閣が見える公園の中にある
「ふくやま美術館」。
ここで今開催中の絵本原画展、「田島征三の大地」。
昔から私の大好きな絵本作家であり画家の田島征三。
彼の今までの絵本作品の原画や絵画が約150点も
展示されているというので、ぜひ観たいと思い出かけた。
中でもお気に入りの絵本は「ふきまんぶく」。
毎年春になると、うちの畑にも顔をのぞかせる
ふきのとうを題材にしたとてもユニークな作品。
原画は思った以上に色鮮やかで力強かった。
そして見る人に勇気を与えてくれる「とべバッタ」 。
エネルギーあふれる大胆な描き方に圧倒された。
そして、彼の絵本の原点である「しばてん」。
多摩美の卒業制作時の原画が展示されていたが
のちに出版された絵本よりも暗い色調の印象で
怒りや悲しみの負のエネルギーに溢れていた。
他にも「ちからたろう」や「やぎのしずか」など
彼の個性あふれた数々の絵本の原画と出会い
何とも言えぬ懐かしさが胸にこみ上げてきた。
その昔、我が家では毎晩寝る前に子どもたちに
絵本の読み聞かせをして、寝かしつけていた。
田島征三の絵本もたくさん読んだ記憶がある。
確か、子どもの頃から食いしん坊だった息子は
「だいふくもち」という絵本が好きだった。
残念ながら、今回この絵本の原画はなかったが
いつまでも心に強烈な印象が残る作品だった。
いつまでも心に強烈な印象が残る作品だった。
「田島征三の大地」と銘打たれた今回の原画展。
初期の作品に見られる泥臭さが少しずつ垢抜け
様々に画風を進化させながら70歳を迎えた今、
最新刊の作品では、いい感じに肩の力が抜け
また彼独自の新たな境地を開いたように感じる。
全ての作品を見終えて、美術館を出るとすぐ目の前に
私たちを出迎えるように、そびえ立つ大きなクスノキ。
大地にしっかりと根を張り、台風にもビクともしそうにない
大地にしっかりと根を張り、台風にもビクともしそうにない
その揺るがない姿と田島征三が重なって見えた。