暑さ寒さも彼岸まで…
まさにその通りの今日この頃
山の庭ではあちらこちらにフキノトウが
いっぱい顔を出してきた。
このフキノトウ…実は
以前は段々畑の一角に蕗を植えていたのだが
余りにも広がり過ぎてしまったため
地下茎まるごと全部引っこ抜いて
畑の外の斜面地に植え替えたものなのだ。
それが今、こんなふうに広がっている。
なんとまあ、逞しいことよ!
フキノトウを見るたびに思い出すのは
田島征三さんの「ふきまんぶく」という絵本だ。
彼の出身地の高知ではフキノトウをそう呼んでいるらしい。
彼はこの生命力あふれるフキノトウに
主人公の田舎の素朴な女の子のイメージを重ね
フキノトウの真ん中にその顔を描いた。
そして
一つひとつ女の子の顔が描かれた
無数のフキノトウが山の斜面に広がり
月夜に照らされて光り輝くシーンは圧巻だった。
そう…今まさに、うちのフキノトウもそんな感じだ。
この絵本を思い浮かべながら見ていると
確かにあの女の子の顔に見えてくるような気がして
何だかウキウキと楽しくなってくる。
こんなふうに見えてくると
フキノトウはただの植物ではなく
もう、ひとつの人格を持った存在なので
むやみに天ぷらやお浸しにはできない。
悲しいところである。(笑)