今日から７月。
２０２１年もいよいよ後半が始まる。
「ノラにゃんこ物語」も一区切りがついたことだし
このブログも気持ちを新たに再スタートだ。
そこで、今の私の関心事について書いてみよう。
実は最近、私は断捨離に取り組んでいる。
きっかけは昨年、自宅のプチリフォームをしたことから。
リビングの壁紙を張り替えることになり
ピアノを思い切って処分することにしたのだ。
このピアノは娘が３歳でピアノを習い始めてから
１５歳まで練習用に使っていたものだが
それ以降はほとんど弾くこともなくなっていた。
でも、手放すのは何だか惜しい気がして
ず～っとそのままにしていた。
そんな状態で昨年、リフォームの話が持ち上がり
「私はもう弾かんよ。処分したら？」という
娘の「鶴の一声」に後押しされてついに決心した。
よし！手放そう！
そこからピアノの買い取り業者探しが始まった。
それもなるべく高く買ってもらえるように
ネットで検索して合計８社の査定を依頼した。
もちろんテレビCMでお馴染みの業者も含めた。（笑）
査定の結果はいちばん安いところで１６万円
高いところは２２万円と予想以上に大きな差があった。
ちなみにCMで有名な業者は返事が来なかったが
熱心な数社からは直接、担当者から電話がかかってきた。
いずれも感じの良い対応ぶりだったが
その中の一社との電話での交渉の結果、さらに値段をあげて
２２万７千円で買い取ってもらえることになった。
やったね！結構いい値段だ。
１２月９日、業者の買い取りを翌日に控え
最後のお別れとばかりに久し振りにピアノを弾く娘。
「うわぁ～、全然弾けんわぁ～。」と言いながら
その昔弾いていた曲をたどたどしく奏でていた。（笑）
「私、本当はピアノが好きじゃなかった。」
知ってるよ。母の勧めで嫌々やってたんだよね。
だから、大学は絵の方に進んだんだよね。
「でも、ピアノを習わせてもらったことには感謝しているよ。」
えっ、そうなの？…初めて聞いた。
「だから、ピアノにも感謝して手放さないとね！」
そうだね。断捨離じゃなく、感謝離だね。
思いがけなく聞けた娘の本音と私への感謝の気持ち。
ピアノを手放そうとしなければ
こんな会話も生まれなかったかも知れない。
そして１２月１０日、ついに手放す日がやって来た。
業者さんは手慣れた様子であっという間に
あの重いピアノを難なくトラックに積み込んで
あれよあれという間に行ってしまった。
しばし感慨にふける間も与えずに
現金で２２万７千円が入った封筒を置いて…。（笑）
見ると、ピアノが去った後ろの壁はやけに白く
そして、思いのほか広かった。
今まで、そこにあるのが当たり前のように感じていたものが
突然いなくなってしまう喪失感。
ノラにゃんこの時にも嫌というほど味わったが
今にして思えばこの時にも感じたような気がする。
でも、断捨離とはこういう未練がましい気持ちと
捨て去る勇気との心のせめぎ合いを経て
ようやく成し遂げられることなのかも知れない。
だとすると、断捨離するには相当な覚悟が要りそうだ。
そんな時に背中を押してくれるのが
今までお世話になって「ありがとう」と
感謝しながら捨てる、感謝離という考え方かも知れない。
まだ使えるのに捨てるのは「もったいない」
そんな意識が根っからぬぐえない私たち世代にとって
この感謝離という言葉は実に便利だ。
物を捨てることに対する罪悪感が
感謝という言葉で少しは和らぐ気がするではないか。
どこの誰が言い始めたかは知らないが
感謝離という言葉そのものに「ありがとう」と言いたい。
さて、ピアノを感謝離したあとの壁は今
こんな感じになっている。
和室からサイドボードを移して飾り棚にしてみた。
家族写真やゴンタ、ティーウー、そしてノラ…
我が家に縁のあった歴代のワンニャンたちの思い出の写真。
それに加えてステンドグラスのランプや鏡
ドライフラワーなどの私の手作りの作品たち。
何だか、ゴチャゴチャとしているが（笑）
弾きもしないピアノをど～んと置いておくよりも
よっぽどこっちの方がリビングには相応しい。
何かを捨てれば、新しい何かが生まれる。
時代は常に移り変わっていくのだ。
過去に対する執着を捨て去る勇気こそが必要なのだ。
変わることを恐れてはいけない。
そんなことを思いながら断捨離…いや感謝離を
少しずつ進めている今日この頃なのだ。
