山のガーデンを始めた約10年前。
雑木や笹で覆われた南向きの斜面地を少しずつ開墾し
樹木や草花が植えられる場所を造っては
色とりどりの花が四季折々に咲き乱れるガーデンを夢見ながら
ホームセンターや園芸店で見つけた苗木や花苗など
何でもかんでも手当たり次第に植えていたことを思い出す。
もちろん球根もたくさん植えた。
チューリップ、アネモネ、スズラン、アイリス、ダリア、ユリ、スイセン…等々
でも私は基本、植えっ放しの放任主義なので(笑)
ほとんどの球根はいつの間にか地上に姿を見せなくなってしまう。
ところがスイセンだけは違うのだ。
当時の球根の子孫が未だに毎年春になると顔を出してくれる。
しかも仲間を増やして一緒にやって来るのだ。
ガーデンのあっちこっちに分家が増えて
こんなに大所帯になってしまった所もある。
この黄色のラッパスイセンはこの土地に合っているのかも知れない。
こちらの大杯咲きスイセンもご長寿さまだ。
早春になるとひしめき合うように一気に花開く。
すっくと立ち上がってピンと咲く姿は頼もしげで見惚れてしまう。
この他にも、日本スイセンや黄スイセンなどいろんな種類が
ガーデンの至るところで勝手に根付いている。
このように、ずぼらガーデナーにとっては実にありがたい
まるで救世主のようなスイセンだが…。
調べてみると
球根は分球して増えていくようで
チューリップ等の球根は子球が育つと親球は萎んでいくが
スイセンは子球とともに親球も太っていくんだそうな。
そうか、だからチューリップは花後に球根を掘り起こす必要があり
スイセンは植えっ放しでも大丈夫なわけだ!
つまり、チューリップは親の献身的な犠牲があって子が育つが
スイセンは親が子の犠牲になることなく共に育つらしい。
何とちゃっかりした抜け目のない親だこと…(笑)
でも、だからこそスイセンは逞しく生き続けることができるのだ。
確かに…
親が子に献身的に尽くすチューリップの姿は尊い。
だが、親か子かの二者択一ではなく
スイセンのように親も子もどちらも犠牲になることなく
それぞれが自立した存在として
共に育ち合うことができればそれに越したことはない。
昨今の悲惨な子ども虐待のニュースを見るにつけ
親子関係のあるべき姿を思う。
それはそうと、今回初めて知った球根の仕組み…
こんな基本的なことも知らずに庭作りをしていたなんて…