ノーやん日記パート2

オモトの花とアジサイ

 曇り。台風3号は今夜伊豆諸島に接近、梅雨前線が活発になり雷雨に注意という。部屋籠りして安野光雅著「絵の教室」を読む。目に見えない世界をどうやって描くか。鳥羽僧正の「鳥獣戯画」とか前田青邨の「西遊記」とかある。著者は自身の体験から「イマジュネーションというノウハウのない世界」があるからでは、という。
 まずは対象を「ためつすがめつして」「よく見て描く」こと、「花を描く」場合も「花びらの数やその並び方、萼、おしべやめしべとの関係など、花の仕組みを調べます」。「ファーブル昆虫記」を訳した奥本大三郎や植物学の牧野富太郎など生物学者は「みんな、絵が上手です」と。生態観察同好会ではM先生によくスケッチを教えていただいたことを思い出す。
 安野さんのイマジュネーションの基礎には「好奇心」「注意力」「想像力」そして「創造力」があったのか。「ためつすがめつ」観察する。その探求精神が大切なんやな。ひまわりや日本の太陽をあこがれたゴッホがそうだった。
 お昼は、パスタ・野菜トマトソースと小松菜蒸し焼きベーコン、鶏モモ焼き。
 わがコンクリート長屋の一角に、いまは亡きFさんが遺されたオモトの瀬戸物鉢がある。その鉢に目立たぬ棒状の茶色がかった花に気づく。アジサイは同じ棟のMさんが母の形見に植えた花(写真)
 思い出の鉢の老母草がひっそりと 昇龍子

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