昔に比べると、めっきりモノを買わなくなりました。
年金暮らしのせいでもありますが、どうやらそれだけでもないらしい。
物欲そのものが枯れてきた気がします。
もともと質素倹約のタイプではありません。
会社勤めの頃も、使ったら稼げばいんだろ、と滅茶苦茶タクシー代など使っていました。
私的にも、江戸っ子でもないのに、宵越しの銭は持たねえ、などと粋がって。
カネは使うことによって生きてくる。
わたしが使ったカネは、回りまわって誰かや国の収入になる。
誰かや国がカネを使えば、それまた回りまわってゆく。
カネは天下の回り持ち、とはそういうことでしょう。
とくに消費と生産が循環することで成り立つ社会ではそれが不可欠。
消費は美徳、とまではいわないが、貯めこんでしまうよりはマシかも。
ヒトがヒトになりたての頃は、ひとりで生きていた。
が、群れで暮らせば、欲しいものがより多く手に入るようになった。
掟などの束縛もあっただろうが、それより便利に暮らせるほうがよかった。
もはや人は、利便性の意味でも相互依存の関係から抜け出せない。
その関係の環もだんだん広がってグローバル化。
もともとカネが基盤の関係、広がるほど利害関係も入り組み、TPP難航などその一例。
人は高齢化すると、物欲が枯れるのか、死に欲が増すのか。
どちらにしても欲望に限界を決めるのは、社会ではなく個人。
便利さも、極めていけば、いずれ不便さに帰着する予感が・・・。