ふらふら日記

物足りない日常にふらふら、怪しい読書にふらふら、激しい映画にふらふら、美味いメシにふらふら、そんな感じの自己満足日記。

読書覚書2013 #4-5

2013年04月05日 17時40分00秒 | 読書めらめら

「パイの物語(上)(下)」
著者 ヤン・マーテル
訳者 唐沢則幸
めらめら度★★★★★
20130226TUE-20130325MON

今年1月に公開した3D映画「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」の原作を読んでみた。映画版は、俺の映画ランキングNo.1を更新し、3D字幕、3D吹替、2D字幕と、3回も劇場鑑賞するほどの激ハマり。3回目なんて公開が終了する間際だったから、広い劇場に俺1人きりのスクリーン独占状態だった。劇場鑑賞のリピートは過去にも何度かあるが、3回も観たのは初めてだ。ホント、良い映画だったなァ。

基本的に安い古本しか読まない貧乏読書家だが、映画版に感動した勢いで珍しく新刊をネット購入。映画版のシーンを思い浮かべながら、苦難の漂流譚をワクワクして耽読した。原作と映画版を比べると、8割方は原作の方が面白いって思うのだが、今回は映画版の方が少しだけ良かったかも。やっぱり、フルCGで描かれたリアルなトラの存在感が大きいねェ。空と海のCGも涙が出そうなぐらいに美しかったなァ。

映画版は、原作の野暮ったい部分を上手くカットしてあり、エンタメ作品としてのバランスが素晴らしかった。その分、偶然に頼りすぎだったり、リアリティが欠如している場面もあったけど、個人的にはグットシェイプだったと思う。トラの喰い残しや排泄物なんて、わざわざ映像にするようなもんじゃないしねェ。原作の述懐形式は時間軸が行ったり来たりで解りにくかったけど、映画版は一本道で解りやすかった。

少年のキャラクターも、結構、違っていたなァ。原作の方が、ずっとワイルドだ。映画版の漂流は、映像美を優先した結果、ちょっとキレイすぎなんだよねェ。食への執着も原作の方が生々しい。そういう意味では、原作の方が面白かったんだけど、映画版の映像美に圧唐ウれていたので、生々しい描写は見たくない部分だったのかも。冒険ファンタジーの要素も含んでいるし、醜いリアリティはオミットで正解でしょ。

でも、海亀を喰うシーンは、映画版にも入れて欲しかった。2年ぐらい前に「無人島に生きる十六人」という漂流記を読んで以来、個人的に海亀が凄く喰いたいのだ。亀の甲羅を盾にしてトラと戦うシーンも映像化したら面白かったのになァ。う~ん、やっぱり漂流記って面白いッ! これが、ホントのワイルドだぜェ。6月に発売するDVDを買って、いち早く4回目の「ライフ・オブ・パイ」が観たいッ!


衷走[「パイの物語(上)」680円

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