出光興産と昭和シェルの経営統合交渉が、暗礁に乗り上げているとの報道がなされていますが、両社が共に歩む事は難しい事ではないでしょうか。石油需要の減少から、元売り各社の再編が進むのは必然性があります。これからの時代に生き残っていくためには、避けては通れない関門です。しかし、両社の会社組織と経営理念とこれまでの歩みを振り返れば、上手く行く「要素」があまりありません。消費者としては、この事は静観する以外ありませんが、山奥に暮らす私としては、もっと切実な問題に目を向けて欲しいと思っています。「ガソリンスタンドの廃業」に歯止めがかからない事です。施設の老朽化や後継者難、需要の減少による採算の悪化から、廃業するガソリンスタンドは後を絶ちません。給油の為に30分以上かけて車を走らせる必要がある地域は、年々拡大しています。高速道路でも100キロ以上給油施設がない「空白地帯」が幾つもあります。これからの季節、灯油が欠かせなくなりますが、灯油を買おうにも売ってくれる場所が数十キロも彼方だとしたら、そして大雪で道路が閉ざされ孤立でもしようものなら、死活問題です。スタンドが仮に存続したとしても、営業時間の短縮や「セルフ化」で常駐しているスタッフがいない時間帯が生まれています。こうした事がどんな問題を引き起こすかと言うと、ガス欠・タイヤのバースト・バッテリー上がり・オーバーヒートと言った車両トラブルの増加に直結しているのです。一般道でも高速道路でもこの種のトラブルによるレスキュー依頼は、増加していますし、不幸な事故の一因にもなっています。スタンドでのちょっとした点検で防がれていた危険因子が、今はすべからく「ユーザーの責任」になっているのです。新車で購入してから一度もタイヤ交換をした事がない。ボンネットも開けたことがない。出来ない。開けられない。そう言った人々が実に多いのです。しかも、そう言った人に限って「ユーザー車検」に挑みたがるのです。何と無謀な事か。(私は5年間、国の検査場で働いた経験がありますが、車に対して無頓着な人ほどユーザー車検に挑みたがり、その果てに不合格の烙印をもらって帰るのを幾度も見ています。そうした人達は、職員としては迷惑以外の何物でもありませんでしたが・・・)
話を本来の軌道に戻しましょう。スタンドで発見され、救済されていたトラブルの因子が、今はユーザーの双肩にすべて掛かってきていると申しましたが、本来は自動車の使用者が日常的に点検・整備を行わなくてはならないと法で定められているのです。スタンドでは長らくそうしたユーザー点検・整備のお手伝いをしてくれていた訳です。法の定めでは、日常の点検・整備は「使用者の義務」であると書いてあります。ですので、この部分は私達の意識改革に努めることとしますが、スタンドの減少は本当に死活問題です。今後、人口が減り続ければ、過疎地域での石油の供給問題はさらに深刻化し、自治体をも揺り動かす大問題になるでしょう。私の住む地域には、1つだけですがJAのスタンドが生き残っています。距離もそう遠くはないので深刻な事態には至ってはいませんが、私より更に奥地に住んでおられる方々にとっては、唯一のそして命のスタンドです。JAの経営体質もまだ良好なので、早晩に廃業することは無いでしょうが、この先10年15年を考えるとさすがに疑問符が付いてきます。「エネルギー難民」がこれ以上増える事の無い社会になって欲しいと切に願います。出光佐三さんが生きておられたら、この事態にどう立ち向かわれたでしょうか。
話を本来の軌道に戻しましょう。スタンドで発見され、救済されていたトラブルの因子が、今はユーザーの双肩にすべて掛かってきていると申しましたが、本来は自動車の使用者が日常的に点検・整備を行わなくてはならないと法で定められているのです。スタンドでは長らくそうしたユーザー点検・整備のお手伝いをしてくれていた訳です。法の定めでは、日常の点検・整備は「使用者の義務」であると書いてあります。ですので、この部分は私達の意識改革に努めることとしますが、スタンドの減少は本当に死活問題です。今後、人口が減り続ければ、過疎地域での石油の供給問題はさらに深刻化し、自治体をも揺り動かす大問題になるでしょう。私の住む地域には、1つだけですがJAのスタンドが生き残っています。距離もそう遠くはないので深刻な事態には至ってはいませんが、私より更に奥地に住んでおられる方々にとっては、唯一のそして命のスタンドです。JAの経営体質もまだ良好なので、早晩に廃業することは無いでしょうが、この先10年15年を考えるとさすがに疑問符が付いてきます。「エネルギー難民」がこれ以上増える事の無い社会になって欲しいと切に願います。出光佐三さんが生きておられたら、この事態にどう立ち向かわれたでしょうか。