カウント2.8

2007年01月06日 | 演劇をみました
3年連続で年始に野田地図ですよ。

野田地図 第12回公演「ロープ」を見てきました。

全く知識を入れずに見に行ったのですが、面白かったです。

役者としての野田秀樹は、正直いかがなモノかと思いますが、
劇作家としての野田秀樹は天才だなと再認識しました。

「ロープ」って何?と思っていたのですが
プロレスのリングの事を指していました。

プロレス=エンターテイメントという視点で
「何で血を流しても犯罪にはならないのか?」
「何でロープに振られたら止まらないのか?」
という前フリから、戦争は何故やめられないのか?
というオチまでノンストップで突っ走りました。

カノンでは「南北戦争」、オイルでは「原爆投下」と
戦争をモチーフにした作品が多いので、
戦争を扱った事自体は特に目新しくないのですが
今回はベトナム戦争、朝鮮戦争、第一次湾岸戦争、第二次湾岸戦争
とアメリカの経済活動を目的とした現代戦争を
扱っていた上に、表現が今までに無く直接的だった事が
非常に印象的でした。
スプラッタが苦手な人は気持ち悪くなっちゃうかも…

しかし、やはり野田マジックは凄かった。
この人と口げんかをしたら勝てる気がしない位の
もの凄い言葉の畳み込みです。
「オイル」で、この人の言葉の使い方は
天才だと思いましたが、今回は越えてたかも…

あと、役者さんの演技は全般的に良かったです。
体のサイズが一回りスリムになっていた藤原竜也さん、
声が潰れてイタイタしかった宮沢りえさん
罪と罰に引き続き怖い人枠で出演の宇梶剛士さん
重鎮渡辺えり子さん
今までの中では一番自然だった野田秀樹さん
大人計画の人だとず~っと思っていた、ナイロンの三宅弘城さん
ってカンジでした。

とはいえ野田地図の演劇って、演技が若干平板なので
役者さん自体にキャラが立っていないと
「誰がやってもいいんじゃ?」的な雰囲気が
漂ってしまうのが難点ですが…

しかし、経済活動のレベルが下がれば、社会を維持することが難しくなります。
社会を維持出来なくなるという事は、治安が維持できなくなるという事です。
つまり経済活動のレベルを下げるワケにはいきません。
なので経済活動を維持するための戦争をやめるワケにはいきません。

という理屈は、いつになれば通らなくなるのでしょうね?
コメント
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