OCTAVEBURG 外伝

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2018年最後のつれづれ「いざ、ナルニア!」

2018-12-30 | 日記

2018年も暮れゆく中、最後にしたいことを実行してみた。

それは。私の永遠の憧れ「ナルニア」を読み直す。

帯を見るとどうやら映画化が決まった時の記念にもなっているのでしょうか、いわゆる愛蔵版をその時大人買い(私レベルですが)しました。全7巻を図鑑の様な重さで挿絵(これがまたいいのです)も全てフルカラーで1冊にした夢の様な本で大事に大事に飾ってきました。写真のすず様のちょうど横です。

飾って?あら、お気付きですね。ええ、読んでいませんでした。

私は卑しいほどに勿体ぶるというか、大変な「出し惜しみ」屋さんなのでいつかその時が来たらまとめて!と思って読んでいなかったのです。(正直10年越え)

やっと時が来たと感じられたので早速読み始めることにしました。

そして、私は大ファンでありながら、いつもの「大事なところは押さえていない」という惜しさを発揮していました。
ここで一応シリーズを順にご紹介。

1.ライオンと魔女(映画化された・4兄弟が主人公)
2.カスピアン王子のつのぶえ(映画化された・4兄弟が再び戻る)
3.朝びらき丸 東の海へ(映画化された・4兄弟した2人といとこが行く)
4.銀のいす(そのいとこと少女が行く)
5.馬と少年(ナルニアの中の話 4兄弟が統治していた時代)
6.魔術師のおい(少年と少女が行く いわゆるエピソード1)★
7.さいごの戦い(4兄弟の3人、銀のいすの2人が行く)

これは年代順ではなく出版順と言いましょうか。私は次々と小学生時代に図書館でせっせと借りていたのですが、なぜか1冊だけなかった。から読めていなかった。どれかと言えば
★魔術師のおい エピソード1を読んでいなかったのです。
ああ子供の無力さよ。

愛蔵版は年代順に並んでいるのでページを開けば「魔術師のおい」から始まるのですが、手にしたワクワクが激しく、逆に読めない、みたいな謎のテンションにより1ページ目だけ読んで「今ではない!」とか思って温めていたわけです。...どうです、この長持ち具合。10年以上もったいぶれる自分が怖い。。。
というわけで今回は本当に魔法の本を開くかのごとくワクワクに満ちてページを読み進めました。

ああ、なんという!ナルニアの誕生の瞬間!色々なことが全部繋がって私は本当に満足しました。スッキリ。そりゃ自分の家の衣装ダンスの奥からはナルニアに行けないわけだわ。

とにかくナルニアに初めて出会ってからは何十年も経ってしまっているし、映画化された時も感動にうち震えながら見ましたし、それをまた文章で読み直すというのはとてもいいもので。映画は美しく作られていて私は微塵も不満はありませんでした。ただ文章で一言でさらっと行くところをものすごく読み込んで情景描写、実写にしたのね、と制作の皆さんのご苦労に心から拍手と感謝を送り、それでも文章だけでも私の頭には映像化されていたわけですので、その世界観の素晴らしさよ。
そしてそれ以上にナルニアは子どもが勇気を持って立ち向かい、その目的を迷いながらも頑張って達成します。ナルニアのいいところはそこなんです。子どもはちゃんと子どもで無力なのです。でもアスランという、「神」の様な存在ではなく、親でもない、周りの正しい「誰か」が子どもの心の中に勇気や元気を湧き上がらせてくれる。そして自分から解決していくのです。素晴らしい。改めて本を読んで清々しい気持ちになりました。ありがとうナルニア!

という気持ちで2018年を終えようとしていますが、実際は「冬の旅」を行ったことで私は気持ちの整理がついた気がします。そしてロシアの作曲家たち(ストラヴィンスキー、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチ)と改めて胸襟を開いて(って私が一方的にですから変な話ですが)付き合い直したことは大きなことでした。そして、今ここでナルニア。
音楽と文学、好きなものは小学生から変わらないもんだなと改めて実感しております。
好きなものに忠実に、素晴らしい芸術に染まって生きていけるならどんなにいいだろう、と思いつつ。

それを共感してくださる方がいることもいつも感謝しております。
2019年も好きなことを素直に形にしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
羽石道代

(実は愛蔵版の英語版を最初に買って挫折したことは内緒です)