荻伏共同育成場日誌

北海道浦河町にある競走馬育成牧場・荻伏共同育成場の場長が日々の風景をお届けする徒然日誌。

先週の注目馬ー「メドウラーク」「アカネイロ」「マッサビエル」-

2015-06-22 17:30:01 | 競馬
 20日東京11レース『ジューンS』(1600万下・芝2000m)では2番人気のメドウラークが直線力強く抜け出して快勝。準オープンとしてはかなりメンバーが揃っていた中でこれだけ強い勝ち方。しかも4連勝で一気にオープン入りということで、今後重賞で活躍してくると思われるので、注目したい1頭です。父タニノギムレット、母アゲヒバリ、祖母は『エリザベス女王杯』などを勝ったトゥザヴィクトリー、叔父に『弥生賞』勝ちのトゥザワールド、『日経賞』などを勝ったトゥザグローリーがいる良血馬で安平・ノーザンファームの生産馬です。

 20日函館最終12レース『遊楽部特別』(500万下・芝1800m)では1番人気のアカネイロが中団から捲って突き放す強い競馬で快勝しました。あまり順調に使えていないので弱い面があるのかもしれませんが、北海道シリーズは2週後牝馬限定1000万下で『かもめ島特別』、その2週後『クイーンS』が控えており、ここに出てこられるようなら注目してみたい1頭です。父クロフネ、母マチカネエンジイロ、半兄に『共同通信杯』2着のゴッドフリートがいる血統。これまた安平・ノーザンファームの生産馬です。

 21日東京10レース「芦ノ湖特別」(1000万下・芝2400m)では圧倒的1番人気のマッサビエルが直線力強く抜け出して快勝しました。直線入り口での反応はイマイチでしたが、一度加速すると他馬を置き去りにしてしまいました。まだ3歳で4戦3勝2着1回という成績。距離が伸びても良さそうで秋には菊花賞戦線に名乗りを上げてくるかもしれません。父ハービンジャー、母メジロルルド、祖母はG1・5勝のメジロドーベルという血統。洞爺湖町・レイクヴィラファームの生産馬です。

 函館12レースを勝ったスワーヴジョージも気になりますが、四位騎手が完璧に乗ったことと、週3頭までにしたいので次走を見てからということで。

 

先週の注目新馬「プロディガルサン」

2015-06-22 14:47:35 | 競馬
 面白みがないといわれるかもしれませんが、スケールの大きさや血統背景を考えると、20日の東京5レースのメイクデビュー(芝1600m)を勝ったプロディガルサンをあげないわけにはいかないでしょう。レースでは中団の外目を追走し、直線では内にもたれながらもあっさり抜け出し半馬身という着差以上に強い勝ち方でした。父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー、全兄に「共同通信杯」を勝ち今年のクラシックを沸かせたリアルスティール、曾祖母にG1・10勝の歴史的マイラーであるミエスク Miesqueという良血馬。安平・ノーザンファームの生産馬です。無事に行けば来年のクラシックに出走してきそうな1頭で、注目していきたいと思います。

先週の重賞分析『ユニコーンS』『函館スプリントS』

2015-06-22 06:27:48 | 競馬
 21日の東京11レース第20回『ユニコーンS』(G3・ダート1600m)は2番人気ノンコノユメがブロードアピールを彷彿させるような直線一気の末脚を炸裂させ快勝しました。勝ち時計は1.35.9。注目のブチコが作る淀みのない前半3ハロン34.5という流れをテンから決め打ちの最後方。4コーナー手前から仕掛け、直線では他の馬とは次元の違う末脚で15頭をまとめてかわしさりました。ダート一線級としては小さい450kg前後の馬体でゴチャついた流れでは分が悪いので、外をぶん回す戦法は間違っていないと思います。このような戦法は展開や馬場状態で届かないレースをする可能性もありますが、久しぶりに出てきたダート界の個性派は存在自体が楽しみで、今後も大いに盛り上げてくれると思います。父トワイニング、母ノンコという血統。千歳・社台ファームの生産です。2馬身半差の2着にはノボバカラ(父アドマイヤオーラ)が入りました。ブチコの逃げを見る形で3番手追走。挑戦半ばでは先頭に立ちましたが勝ち馬の末脚に屈しました。距離がこなせるかが課題ですが、レースぶりは安定しているので、この距離なら安定株になるのではないでしょうか。3着はアルタイル(父カネヒキリ)。人気馬マークの形でレースを進めましたが、結果的には勝ち馬の決め手と2着馬のレース運びにやられた格好です。1.5倍という断然人気のゴールデンバローズは中団からレースを進め直線もじりじり伸びてはいるものの伸びきれず、最後は3着馬にも交わされ4着。陣営が状態を不安視するコメントを発表している割に被るなぁと思いながら見ていたのですが、やはりドバイ遠征の影響はあったと思うのが普通だと思われます。寧ろ来月8日の『ジャパンダートダービー』の前哨戦としては上々のステップレースと言えるのではないでしょうか。

 21日函館11レースの第22回『函館スプリントS』(G3・芝1200m)は4番人気のティーハーフが最後方から3~4角捲りから直線突き抜けて、2着に2馬身半差の快勝。実績馬と上がり馬の対決となったこのレース。人気薄のフギンがつくる前半33.0と速い流れに人気馬たちがついて行く展開。人気馬の中で唯一後方にいたティーハーフは3~4角中間で一気に捲り直線では突き放してのゴール板を駆け抜けました。勝ち時計は1.08.3。ここ2戦の勝ち方が良かったという一方オープンでどうかという見方もありましたが、元々は重賞を賑わせていた馬でもあり、スランプを抜けたらこれぐらいやれてよい馬なのかもしれません。父ストーミングホーム、母ビールジャント、全兄には『京王杯2歳』2着など短距離で活躍したサドンストームの全弟という血統。日高・ダーレージャパンファームの生産です。私事ですが、いつもお世話になっている西浦先生の管理馬ということで、この場を借りて本当におめでとうございます。大混戦の2着争いは後方から脚を伸ばしたアースソニックが入りました。展開が嵌った感は否めませんが、意識的に控えたような印象もあり、新しい一面が見られたということで今後も注目してみたいと思います。3着も後方から脚を伸ばした人気薄のレンイングランドが入りました。近走の戦績ではとても通用するようには思えませんでしたが、52kgという斤量と距離短縮、それに展開が嵌って穴をあけました。3歳なのでまだまだ成長の余地があり今後に注目です。1番人気のコパノリチャードは14着と大敗。先行して流れに乗れているように思えましたが、直線は全く伸びず馬群に飲み込まれていきました。58kgという斤量が響いたのか、本調子ではなかったのか、理由は定かではありませんが不甲斐ない一戦でした。2,3着がクロフネ産駒で母の父がサクラユタカオーとサクラバクシンオー親子。後肢が緩い産駒の多いクロフネと同じように後肢が緩い産駒が多いテスコボーイ系はあまり相性が良いようには思えなかったので意外です。あまり多いとは思えない配合であり、今後もこの配合があったら注目ですね。