エイシンヒカリの敗因についての一考察

『プリンスオブウェールズＳ』に大本命として挑んだエイシンヒカリでしたが、まさかの最下位という結果に終わりました。海外競馬評論家の奥野庸介氏が仰られる通りアスコット競馬場はかなり特殊な形状をしており、日本馬にとって鬼門となっています。
　しかし今までの遠征馬がヨーロッパでの出走歴がなく適性の是非が分からなかったのに対し、エイシンヒカリは『イスパーン賞』で歴史的な圧勝。しかも馬場が悪いコンディションでのもので克服してくれるのではないかという期待が大きかっただけに失望感もひとしおです。
　ここからが本題ですが実は『イスパーン賞』の勝ち馬は『プリンスオブウェールズＳ』と相性が悪いというデータが残っています。『プリンスオブウェールズＳ』がＧ１に昇格して以降『イスパーン賞』の勝ち馬が出走したのはエイシンヒカリで7頭目。

4着　センダワール Sedawar
4着　オブザーヴァートリー Observatory
5着　ファルブラヴ Falbrav
1着　マンデュロ Manduro
3着　ネヴァーオンサンデー Never on Sunday
6着　マキシオス Maxious
6着　エイシンヒカリ A Shin Hikari

マンデュロこそ勝ちましたが他は敗れています。逆に同じロイヤルアスコット開催でもマイルＧ１の『クイーンアンＳ』は2連覇のゴルディコーバを含め延べ5頭出走。

1着　ソロウ　Solow
2着　ゴルディコーバ Goldikova
1着　ゴルディコーバ Goldikova
1着　ヴァリクシール Valixir
8着　ベストオブザベスツ Best of the Bests

3頭が勝っているように好成績を収めています。また『プリンスオブウェールズＳ』勝ち馬でマイル～中距離路線を走ってきた馬はドバイミレニアム Dubai Millennium とバイワード Byward フリーイーグル　Free Eagle ぐらいで、他は中距離～クラシックディスタンス路線を歩んできた馬、もしくはマイル～中距離路線を歩んでいても次走で『キングジョージ6世＆クインエリザベスＳ』を勝つアザムール　Azaeour、デュークオブマーマレード　Duke of Marmalade　のような陣営がスタミナを認めている馬でないと好走していないことが分かります。またドバイミレニアムやフリーイーグルはアスコット競馬場での好走歴があり適性が示されていました。

　エイシンヒカリの今後は未定だそうですが、イギリスの競馬場で走るならばマイル路線ぐらいの方があっているのかもしれません。

　同業者やこの仕事に興味のある方はコメントくださいね。