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妊娠しやすい体作りへの近道とは?

不妊治療を始めて、「すぐに妊娠する人」と「なかなか妊娠しない人」がいます。
排卵日をしっかり見定めて、タイミング療法をしたり、人工授精を行ったりしているのにどうして妊娠しないのか?
何か大きな原因があるのかな?って心配になりますよね。

私達は毎日、毎日、色々な受精卵を見ることができます。
透明でプリップリしていて、生命力があふれ輝いているような受精卵から、変性してしまい生命力を感じることができない受精卵まで、様々な質の段階があります。

これらの受精卵の質の違い、何が原因だと思いますか?
原因には色々あると思いますが、そのうちのひとつに、体が健康かどうか、体を構成する細胞一つ一つにきちんと酸素や栄養が運ばれていて、酸化ストレスを受けていないか?ということが指摘されています。

仕事が忙しくて外食が増えたり、睡眠不足が続き体に疲れを感じ始めた時に、お肌の状態が悪くなったり、目の下のクマが気になったりすることがありますよね。
体の中に疲れの物質がたくさんたまり、循環が悪くなると体が本来排出するはずだった老廃物が体内に貯まってしまい体が酸化しやすくなります。
卵も精子も体の細胞の一部ですから、体に酸化した血液が流れているとその酸化ストレスを受けて質がわるくなってしまうんですよね。

体が酸化するってどういうことかわかりますか?
簡単に言えば体がサビる、ということです。
体がサビてくると、細胞は弱くなり壊れやすくなったり病気を引き起こしやすい状態に変わっていきます。
例えば、血管がサビると動脈硬化を引き起こすと言われています。

体がサビると顔色が悪くなったり、冷えて手先や足先が冷たくなる、という症状を感じる方もいらっしゃいます。
また、便秘したり、体に湿疹が出る、かゆみを感じる、といった症状で現れる場合もあります。
このような症状を自覚することなく、徐々に体のあらゆる細胞に影響を及ぼしていて、知らず知らずのうちににサビが広がる場合もあります。

妊娠を希望している人は、普段から体がサビないように抗酸化作用の強いものをしっかりと食事に取り込みましょう!

「食事なんて関係ない」
「私は、妊娠できる治療をしてもらえたらそれでいいので食事のことには興味ない」
そんな風に考えていらっしゃる患者様は非常に多いのが現状です。

「受精卵の質が悪い」
「どんなに高度な治療を尽しても受精卵の質の改善が難しい」

こんな状況の患者様は全国のどこの不妊治療の施設でもそれなりの人数がいらっしゃるようです。

しかし、その一方では
「抗酸化作用を期待した食事改善と体質改善に取り組んでもらったら、受精卵の質が改善した」
という事例も色々な施設から報告されています。

2016年7月にはフィンランドでヨーロッパ生殖医学会学術集会が開催され、その演題報告にも「抗酸化を取り入れた食事の改善と体質改善の必要性」について発表されていました。

食事の見直し、体質改善、健康な体作りは「妊娠」のためだけではないんですよ。
妊娠した後も、赤ちゃんはお母さんの体の中でお母さんの血液をもらって育つんです。
そのお母さんの体を流れる血液が、サビている状態では赤ちゃんの発育にはよくないのです。

生れてきた赤ちゃんには母乳を与えますよね。
母乳はお母さんの血液から作られるのです。
その母乳が、サビた血液から作られていると、赤ちゃんの体もサビやすくなるんです。
せっかく治療をして、生れた大事な赤ちゃん。
誰だって、健康にすくすくと育って欲しいと願いますよね。
それを願うなら、お母さんが今から食事のこと、食材のこと、体の健康のことを知っておいてほしいな、と思うのです。
子供が離乳した後は、お母さんの作る食事で栄養をとり成長してゆきますから、妊娠前から生れてもずっと「食」のことは大事な内容なんですよね。

「妊娠したい」の気持ちをきっかけに、抗酸化を意識した食事に意識を向けてみませんか?

急激な変化は感じないかもしれませんが、今よりもきっといい体の状態にかわることは間違いありません。

当院では、毎月、
栄養セミナーを開催しています。
そして、栄養士による栄養指導も行っておりますのでぜひご利用くださいね。
栄養指導を受けた3ヶ月後に、少しずつ体調の変化を感じ、自然妊娠された方もいらっしゃいます。
月経不順だったのに、毎月生理がくるようになったと喜んでいらっしゃり、それからすぐの妊娠でした。

毎週、週末には、丹波篠山の農家様より、低農薬で妊娠しやすい体作りを願って新鮮な野菜を送って頂き皆様には待合室で購入できるように提供しておりますよ。



高額なサプリメントを買うよりも、お金をかけず、少しの意識を食事にむけることで体の根本から健康になってもらいたいと願っています。

意外な妊娠への近道のお話、いかがでしたか?
興味を持たれた方は、是非、今日から、できることから始めてみてください。
※コンビニやお総菜コーナーで売られている揚げ物を控えたり、加工品(カップラーメンやインスタント食品)を控える、など。

「ばかばかしい」と思われた方は、また、思い出してもらえる機会があればうれしいな、と思います。

本日は、不妊相談でよくある質問から「食」について書いてみました。

不妊症看護認定看護師
西尾京子

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