不妊治療は保険診療(自己負担額 3割負担)受けて頂ける診察や検査もありますが、保険適応外の自費診療の検査もあります。
特に、高度生殖医療(体外受精、顕微授精、凍結胚移植)は地方自治体の助成制度で助成金を申請したり、医療費控除の申請を行い自己負担を軽減することはできますが自費診療となります。
先日、ある患者様より、現在治療中の患者様に「お伝えしたいこと」としてメッセージを頂きました。
お時間があればメッセージをぜひ読んでみてください
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夫婦共働きで30歳代半ばから不妊治療を始めた
色々と検査、治療をしたが、年齢的にも、もう時間がないと思い体外受精を決断した。
体外受精のステップにすすめば、すぐに妊娠すると思ったが、そう簡単ではなかった。
その時に思ったことは
「どんなにお金を使っても、何が何でも妊娠するまで治療を頑張る!
共働きだし夫婦で30代半ばまで貯めてきたお金があるので、全部貯金を使ってでも頑張る!
妊娠した後も夫婦で働けば何とかなる!」と思っていた。
第1子を出産し、第2子も幸い第1子の採卵時に凍結していた受精卵を移植してすぐに妊娠した。
第2子の子育ても一段落し、第3子の妊娠を望んで凍結受精卵を移植しようと思った時に実母の言葉で現実に引き戻された。
「子だくさんはありがたい。
兄弟、姉妹はいる方がいい。
でも、第3子が成人するときの夫婦の年齢を考えなさい。
今は夫婦とも若くて仕事も当たり前にできる。
夫婦が病気をしたり、仕事を続けられなくなった場合のことを考えたら、この子達の教育費、生活費、そして夫婦の老後の生活費はどうなるのか?」
実母の指摘を受け、目が覚めたようなきがした。
自分の頭の中はいつも「妊娠、子供、妊娠、子供」「治療、治療、治療」だったけれども、新しい家族が増えることがゴールではなく、そこから家族の生活がスタートする、ということがはっきりと認識できていなかった。
生活のことは「何とかなる」と思っていたけれども、
「何とかならなかった場合(例えば、病気や労働困難な状況の想定)]
の事は考えていなかった。
子供の学費、習い事、生活費用、家族の娯楽etc...
親は、私達夫婦のために不妊治療費をある程度支援してくれた。
でも、自分達は今の状況に子供が一人増え、老後に向けての貯蓄もままならない状態で今後の生活は大丈夫なのか?
娘達が結婚し何か困った時に助けてあげる事ができるのだろうか?
孫達に何か買ってあげる余裕があるのだろうか?
その後、夫婦で色々と話合いをした。
そして、第3子の妊娠は諦めることにした。
私は、30歳代半ばから、今日まで、「妊娠したい病」にかかっていて、まるで「妊娠を達成するのがやりがい」みたいになっていて、これからの家族の生活が見えていなかったと思う。
これも、不妊治療をしたからこそわかること。
でも、今、治療を頑張っている方にはそれは見えないことなのかもしれない。
私みたいに、全財産を投入してでも「妊娠したい」と思っている人には、私の感じた不妊治療の体験を早い時期に伝えてあげたい。
そして、夫婦が子供を得て、どんな生活をしていきたいと考えているのかをイメージして、使えるお金の上限を決めた方がいい、このことを少しでも多くの方に伝えたい。
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いかがでしたか?
どなたも治療に一生懸命取り組んでいる時には、これから先のことは見えにくいことだと思います。
でも、人生という長い道のりの中の「不妊治療」の時間ですから、ここでたくさんのお金を使いすぎるのは、その後の道のりに影響を与えるよ、というメッセージだと思います。
確かに、今、描いているイメージが現実になるかどうかはわかりませんよね。
夫婦は働ける状況でも、ご家族の介護や思いがけず離職しなければならない状況もあるかもしれない、ということも考えておかなければいけないですよね。
当院では、不妊治療も人生設計に組み込んで色々なプランを立てて頂くためにフィナンシャルセミナーも開催しております。
過去のセミナーの動画は2本あります
パート1(医師からのお話)こちらからご覧頂けます。
パート2(フィナンシャルプランナーからのお話)はこちらからご覧頂けます。
ご夫婦の背景(年齢や体の状態)を考えてどのステップから治療を始めたら無駄な時間を省きお金を節減して治療に取り組めるか、なども適宜不妊症看護認定看護師が個別相談を行っております。
是非、ご利用ください。
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