本当に大変ですよね。
当院でも、お仕事に従事しながら治療をされていらっしゃる方が非常に多いので18時以降の予約は予約枠以上に受診のご希望が多く、「時間外予約」としてお受けしている状況です。
チェックインは診療受付時間の最終である18時30分までに済ませて頂いてますが、診察が終了するのは遅ければ21時を過ぎている場合も多々あります。
スタッフも頑張ってますが、受診されている患者も本当に頑張ってられると思います。
過去に、患者様とこんなやりとりがありました。
「卵巣の状態からすると人工授精するには、土曜日がいちばんいい時期になりそうですね。 お仕事をされていらっしゃるので土曜日であれば受診しやすいですかね? ご主人様のご都合はいかがですかね」
患者様「・・・・・」
「ご都合が悪いですか? 少し早めにはなりますが前日の金曜日でも人工授精での妊娠の可能性はつかめる時期ではあります。 お注射を併用すれば卵を成熟させたり受精に必要な排卵を促したりできるので、ご都合が悪い様なら前日もできますよ。 どちらかご都合の良い方に合わせられますよ。 来週月曜日では人工授精をするには少し時期が遅いと判断します。 排卵後、時間が経ってしまうのでやはり金曜日か土曜日がよいとは思います・・・」
患者様「・・・・・」
「ご都合の件、他に何か相談させて頂いた方がよい内容がございますか? 何かお悩みがございますか?」
患者様
「私は普段仕事をしているので、平日は仕事で、夜もチェックイン時間ギリギリに飛び込んでくるのです。 主人はたいてい夜遅くまで仕事なので平日は診療時間には間に合わないので人工授精はできないんですよね・・・・
土曜日と日曜日は、私と主人の休日なんです。
どうして私達のお休みに、病院に来ないといけないんですか?
平日は仕事、休みの日に受診、となると私達の体がもたないです・・・・」
「そうですよね・・
普段、お仕事を頑張ってられて、土曜日のせっかくのお休みにゆっくりできず、受診するのは大変なことですよね。
じゃあ、どうしましょうか? 今回は人工授精を見合わせて、タイミング療法にされますか? それとも私達に何か協力させて頂いて、予定していた人工授精を受けることができる環境にできそうですか?」
患者様
「タイミング療法よりも人工授精の方が妊娠率が高いのでステップアップしたのです。
なので、タイミング療法に切り替えるつもりはありません。
協力してくれるって・・・何に協力してくれるんですか?」
「そうですね、土曜日なので少しゆっくりされてから御受診をご希望であれば、お昼前くらいの受診予約をお受けすることも出来ますけれど、いかがですか?通常は朝8時30分から10時半頃の間にご予約を頂いておりますが、そのお時間を遅らせて対応させて頂くことは可能です」
患者様
「でも、結局は土曜日に出てこい!っていうことですよね!」
「ああ、、、土曜日に御受診されること自体がご負担ですよね・・・
どうしましょう?
金曜日、ご主人様に少しご協力頂いて人工授精される方がよろしいですか?」
患者様
「主人は、平日は無理なんです!!」
さあ、こんな会話になったらどうしましょうね~
私達にとっては
こういうやりとりはめずらしくなく
よく遭遇するやりとりの場面です
患者様も一生懸命に毎日を過ごしてられるので
何を工夫したらいいのか、どうしたらいいのか? が
わからなくなってしまうんですよね。
ここで知っておかないといけないことは
卵巣や排卵の予定には盆・正月・土日祝日は「ない」ということです。
ご自身がゆっくりしたいと思っていても、ゆっくりしたい日に限って排卵のタイミングにあたったり、受診するのに丁度よい時期にあたったりすることがあるのです。
あらかじめ決まっている出張やはずせない会議の時期に排卵の時期があたることもあります。
でも、人間の体ってよくできていますよね。
忙しい毎日を送る人間の生活に合わせるように排卵した卵は1日半くらい生きているといわれています。
精子は3~5日女性の体内で生きることが可能と言われています。
ご都合がなかなか合わない時には排卵日を挟んで前後1日(合計3日間)の間にどこかでお時間を作ることができれば人工授精などご希望の治療を受けることはできますよ。
お仕事がすごく忙しい・・・
でも、もし、立つ事が出来ないほどの、仕事ができないほどの腹痛や頭痛、発熱、下痢、嘔吐などの症状がある時、
みなさんならどうされますか?
不慮の事故で、「骨折した」場合はどうでしょう?
きっとお仕事を抜けて受診したり、帰宅したり出来るはずですよね。
では、なぜ不妊治療だったらできないんでしょう?
それはきっと、「痛い」とか「しんどい」とか体の症状を感じないから・・・
受診をする必要性を感じないからではないでしょうか?
「痛い」とか「しんどい」とか感じない治療だけに
「チャンスを失うこともあるかもしれない」
そんなことも頭の片隅に置いておきましょう!
月に1度、1年にたったの12回しかない排卵です。
この12回のうちには「排卵しそこなったり」「卵管が卵を受けそこなったり」「精子がたどり着けなかったり」「受精はしたけれど分割しなかったり」ということも起こり得るのです。
仕事も大事です。
でも、仕事は数年後も従事することが可能かもしれませんが
赤ちゃんを授かる可能性のある時期は非常に限られています。
長い人生の中で女性が妊娠可能な時期は比較的短くはありませんが、結婚年齢の高齢化、仕事への従事、という要因により非常に制限されているのは確かなんです。
今、何をすべきか?、何を優先すべきか?
そんなことを冷静に考えられる時間が得られれば、治療を受けられる患者様にとって利益は増えるかもしれないですね。
色々なことを知って、貴重なチャンスを掴んで妊娠の可能性を掴んでいきたいですね。
一緒に頑張りましょう!
この事例のように
どうしたら良いのか? が見えなくなったら
いつでも相談にお越しくださいね!
※注)
この事例は、個人が特定されないように、また主旨が変わらないように配慮して内容を若干アレンジしています。
当院のスタッフが読んでも患者様が特定されないように工夫されています。
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