皆さま、こんにちは
今回は、受精卵の細胞数についてお話しいたします。
受精卵の発育具合を患者様へ説明した際に、
「培養3日目は8細胞じゃないとダメなんですよね?」
「16細胞は速すぎて染色体異常ですか!?」
「16細胞は速すぎて染色体異常ですか!?」
と質問されることがあります。
ダメじゃないです。むしろ良い。元気があって素晴らしい。ちょっとせっかちさんなだけ。
とお答えします。
6-7細胞だと、ちょっとのんびりさんだなと思いますが、5細胞でも妊娠して出産されている方がいらっしゃいます。分割の仕方が正常であれば、問題ないと考えています。
なぜ、分割が速い方がむしろ良いのか・・・簡単なグラフを作成しました。
左が新鮮胚移植、右が凍結胚移植の妊娠(胎のう確認)率です。
青色が8細胞以下の受精卵、オレンジが9細胞以上の受精卵を移植した結果です。
新鮮胚・凍結胚移植のどちらも9細胞以上の方が妊娠率が高い結果となっています。
当院では、2015年11月からタイムラプスインキュベーターによる、受精卵の動画観察を行っています。動画観察によって、正常に分割していると判断された受精卵の移植結果です(見た目の評価はVeeck分類グレード1から4の受精卵)。対象は2015年11月から2018年12月、39歳以下の初期胚を1個移植した症例です。
人間や動物に個性があるように、受精卵にも個性があります。細胞数はあくまで目安だと思っておいてください
ご質問がございましたら、遠慮なく胚培養士にお声掛けくださいね