「サバイバーズ・ギルト」というものか・・・。

2014-10-16 | わし日記
御嶽山生還に罪悪感…「犠牲者に申し訳ない」

御嶽(おんたけ)山の噴火に遭遇した登山者が、「亡くなった人に申し訳ない」といった、罪悪感に苦しむケースが出始めている。

 放置すれば心的外傷後ストレス障害(PTSD)など深刻な事態に発展する恐れもあり、専門家は、継続的なケアの必要性を指摘する。ただ、人気観光地で起きた噴火災害では登山者の居住地が全国に広がっており、精神的な「孤立」をどう防ぐのか、課題が横たわっている。

 ◆「なぜ」

 なぜあの日、あの時、噴火が起き、なぜ自分は助かったのか――。愛知県小牧市の女性(30)は御嶽山から下山以来、いくつもの「なぜ」が頭から離れない。

 9月27日、9合目付近で噴火に遭った。黒い噴煙の中、息苦しさと熱風に耐え、視界が開けるのを待って下山。「すごい経験したな」。当初は笑って無事を喜べた。だが帰宅後、異変が起きた。

 噴火の映像を目にし、多数の死者が出たと知った。「10分違っていたら私も……」。吐き気に襲われ、「犠牲者に申し訳ない」との思いがこみ上げた。夜、電気を消すと黒煙の中がよみがえり、眠れなくなった。

 友人らに思いを吐き出し、女性は落ち着きを取り戻したという。だが一方で「正直、今は山には行けない」。傷の深さは隠しようもない。

 ◆PTSD

 一緒に登った仲間4人を亡くした愛知県豊田市の男性(56)も「4人を思うと申し訳なく、苦しい」と漏らす。生き残った負い目から遺族に会うのもためらったといい、「身近に話を聞いてくれる人がいなければ耐え難かった」と振り返る。

 国立精神・神経医療研究センター(東京)によると、災害や事故で家族や友人らを亡くした人は、助かったことに罪悪感を抱く「サバイバーズ・ギルト」にとらわれることがある。2~3か月で元に戻ることが多いが、日常生活に支障が出るほど激しい悲しみが半年以上続く複雑性悲嘆や、PTSDに至る人もいる。