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明応年間(1492~1501)の大干ばつの時、村人は一本松山に集まり、昼夜を問わず愛宕大権現に雨乞祈願をした。効あって大量の雨をいただき、そのお礼として毎年行うというが、確かなことはわからない。
愛宕神社東の火揚げ場で役員の方々が朝から準備をされたようだ。
かつては20mに近い竿に篭をつけて火揚げを行った。現在は、やや簡素化されているが、火揚げの行事が毎年続いているのはここだけである。垣内は4年に1回の檀尻曳き出しがない年の夏に行う。津市場、長松、余部、揖保川を渡って中島、苅屋が以前は行っていたようだ。
高い柱の先に藁を一杯つめたジョウゴ型の竹かごをゆわえて立て、松明を投げ上げて火をつける。このジョウゴ型の竹かごには250本の竹が使われるとの事。
夜7時、愛宕神社において神事のあと、子供の長が特別大きな藁松明に灯明の火を点じ、火揚げ場の隅にある藁の束まで行き、その藁に点火する。
愛宕神社の灯明の火を子供の長が大きな藁松明に移している
参加している子供は6年生のようだ。
火揚げ場のすみに置かれた藁の束に点火したあと子供達は暴れる。
この火が点火用の火となるようだ。
神事に来ていた魚吹八幡神社澤宮司と垣内村のMさんとお会いして、いろいろと教えて頂いた。
子供が投げる小松明。 藁でできていると思っていたが、「おがら」でできているとの事。早速調べてみると、「おがら」とは麻の芯の部分のようで繊維としての強さを生かし昔から材料としているようだ。藁だと束ねても軽いので上にあがらない。この「おがら」でできた小松明を持ってみるとずしりと重い縄の部分を持って振り回す。子供が振り回し投げるには丁度いい重さだ。
欠点は火が付きにくい事。子供会の役員さんが少し灯油を付けて子供に手渡している。
ジョウゴ型の竹かごに入った藁と、最初に子供が点火用に使う藁は小麦藁との事。火が付きやすいのが特徴。火揚げ用に小麦を作っているとの事。
「おがら」だが、7月15日に掲載した「魚吹八幡神社 千灯祭」の灯明の芯にも使われるようで、このあたりには無い為、栃木県から一緒に取り寄せているようだ。
行事の伝承も難しいが、材料調達も大変のようだ。
子供の投げた火が命中。今年はジョウゴに突き刺さった
突き刺さった場合、束ねている縄が火で切れてジョウゴが下に落ちてしまう事が起こる可能性がある。そうなった場合大松明の下でまわっている子供達が危険である。
突きささらないようにジョウゴを作る事を伝承する課題を残したようだ。
ジョウゴに火が付くと、子供達は大松明の下をまわるようだ。
そろそろ終りというところで、大人の登場。
大松明を倒して終了。
ぶらっと立ち寄っただけだが、本で調べてもわからない事が発見できた。
やはり現場に行くべきだ。実りある散歩だった。
来年は大松明を立てるところから見学に行こう。
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