遅く起きた朝にはいつもとは違う方向へ。
最近また世田谷一家殺人事件の本を読んでいることもあり足は上祖師谷公園へと向いた。
素人が現場に行くなんて不謹慎だとは思うが3度目の訪問、しかも自宅からそんなに遠くはない。
初めて来たのはまだ事件から2.3年経ったくらいの雨で霧が濃い日。
雨に打たれバイクに乗って霧の中を進むと公園に紛れ込んでしまった。
目の前には2軒の戸建てが。
すると音もなく物陰から1人の警官が現れた。
「ここは立ち入り禁止だから入っちゃダメだよ」と言われ「なんでですか?」と返すと、
「ここは例の世田谷一家の現場だから」と言われ本当に偶然迷い込んだもんだから背筋が凍る思いで逃げるようにその場を去った。
次の日友達にそのことを話すと「それって本当に警官だった?」と…
久しぶりに来た現場は事件から20年経過していることもあってか立ち入り禁止にはなっているが警察関係者もいなく廃墟のようになっていた。
そして周囲では若者や家族の遊ぶ賑やかな声が。
その中であの家だけは時間が止まったように不気味な静寂だった。