ロシア上空を巡る動き
日本から欧州へ向かう場合、航空機は、
広大なロシア上空を、何時間もわたって飛び続けます。
主権を有する国家の上空を飛ぶ場合は、
相互の信頼関係がなければなりません。
これらの情勢を読売新聞は、
以下のように報道しています。
ロシアより日本の損害大きければ
「効果的な制裁と言えない」…
対応に苦慮する日本政府
2022/03/08 09:00
読売新聞 【読売新聞社】(読売新聞)
米国や欧州各国でロシアの航空機に
自国領空の飛行を禁止する制裁の動きが広がるなか、
日本政府が対応に苦慮している。
日本が制裁に踏み切れば、
ロシアからの対抗措置で国内への打撃が予想される。
日本政府は、
これまで米欧と足並みをそろえてきた経済制裁とは
一線を画し、慎重な姿勢を崩していない。
30か国以上
「日本として制裁の可能性はまだいくつもある。
何が効果的か、いつが適切か、しっかり判断したい」
岸田首相は7日、参院予算委員会で、
ロシアの航空会社に
日本の領空飛行を禁止する制裁を科すかどうかを問われ、
こう述べるにとどめた。
日本は対露制裁で、
半導体などの輸出規制や金融機関の資産凍結など、
米欧との共同歩調を重視してきた。
外務省によると、領空内の飛行禁止措置は、
欧州連合(EU)や米英など30か国以上が実施済み。
自民党内からは
「自由な空域からロシアを締め出すことは極めて効果的だ」
(佐藤正久外交部会長)など、
政府に制裁を求める声が出ている。
最短ルート
だが、政府は、制裁に前向きな姿勢は示していない。
制裁に踏み切れば、
ロシアが対抗策として日本の航空会社に
ロシア領空内の飛行を禁止することが想定されるからだ。
日本から欧州への最短ルートを飛行する場合、
広大なロシアの上空を通らざるを得ない。
林外相は「欧州と日本との地理的な状況の違いや、
物流に与える影響も考慮する必要がある」
と指摘している。
全日本空輸と日本航空は3日から、
安全確保のため、欧州便は欠航か、
ロシア上空を避けるルートに変更して運航し始めた。
日航は羽田―ロンドン線を米アラスカ経由に変更し、
飛行時間は往路で3時間、
復路で4時間半増加した。
全日空の成田―ブリュッセル線は
中央アジア経由で2〜3時間半増えたという。
飛行時間に伴い、燃料費や人件費の負担も増える。
痛手小さく
一方、ロシアの航空最大手アエロフロートは8日から、
隣国ベラルーシ便を除く全ての国際線の運航を
一時停止すると発表している。
日本が自国領空の飛行を禁止しても、
ロシア側の痛手は小さい。
ロシアが日本の航空機に領空飛行を禁じれば、
長期化する恐れもある。
日本政府高官は
「ロシアより日本が受ける損害が大きければ、
効果的な制裁とは言えない」と語る。
日本が制裁を明確に否定しないのは、
対露制裁の足並みの乱れを目立たせない狙いもあるとみられる。
日本から欧州へ向かう場合、航空機は、
広大なロシア上空を、何時間もわたって飛び続けます。
主権を有する国家の上空を飛ぶ場合は、
相互の信頼関係がなければなりません。
これらの情勢を読売新聞は、
以下のように報道しています。
ロシアより日本の損害大きければ
「効果的な制裁と言えない」…
対応に苦慮する日本政府
2022/03/08 09:00
読売新聞 【読売新聞社】(読売新聞)
米国や欧州各国でロシアの航空機に
自国領空の飛行を禁止する制裁の動きが広がるなか、
日本政府が対応に苦慮している。
日本が制裁に踏み切れば、
ロシアからの対抗措置で国内への打撃が予想される。
日本政府は、
これまで米欧と足並みをそろえてきた経済制裁とは
一線を画し、慎重な姿勢を崩していない。
30か国以上
「日本として制裁の可能性はまだいくつもある。
何が効果的か、いつが適切か、しっかり判断したい」
岸田首相は7日、参院予算委員会で、
ロシアの航空会社に
日本の領空飛行を禁止する制裁を科すかどうかを問われ、
こう述べるにとどめた。
日本は対露制裁で、
半導体などの輸出規制や金融機関の資産凍結など、
米欧との共同歩調を重視してきた。
外務省によると、領空内の飛行禁止措置は、
欧州連合(EU)や米英など30か国以上が実施済み。
自民党内からは
「自由な空域からロシアを締め出すことは極めて効果的だ」
(佐藤正久外交部会長)など、
政府に制裁を求める声が出ている。
最短ルート
だが、政府は、制裁に前向きな姿勢は示していない。
制裁に踏み切れば、
ロシアが対抗策として日本の航空会社に
ロシア領空内の飛行を禁止することが想定されるからだ。
日本から欧州への最短ルートを飛行する場合、
広大なロシアの上空を通らざるを得ない。
林外相は「欧州と日本との地理的な状況の違いや、
物流に与える影響も考慮する必要がある」
と指摘している。
全日本空輸と日本航空は3日から、
安全確保のため、欧州便は欠航か、
ロシア上空を避けるルートに変更して運航し始めた。
日航は羽田―ロンドン線を米アラスカ経由に変更し、
飛行時間は往路で3時間、
復路で4時間半増加した。
全日空の成田―ブリュッセル線は
中央アジア経由で2〜3時間半増えたという。
飛行時間に伴い、燃料費や人件費の負担も増える。
痛手小さく
一方、ロシアの航空最大手アエロフロートは8日から、
隣国ベラルーシ便を除く全ての国際線の運航を
一時停止すると発表している。
日本が自国領空の飛行を禁止しても、
ロシア側の痛手は小さい。
ロシアが日本の航空機に領空飛行を禁じれば、
長期化する恐れもある。
日本政府高官は
「ロシアより日本が受ける損害が大きければ、
効果的な制裁とは言えない」と語る。
日本が制裁を明確に否定しないのは、
対露制裁の足並みの乱れを目立たせない狙いもあるとみられる。