うちの芝生が一番青い

Tokyoに暮らす、ごくごく平凡で標準的な【ナイスサーティーズ】の奮闘記。

書評 ~ いきいきと生きよ ゲーテに学ぶ

2010年09月08日 | 書評
本日は久しぶりの書評です。


今回のチョイスは

いきいきと生きよ ~ ゲーテに学ぶ   手塚富雄 著





東大教授であり、文学博士である手塚氏が、数多くのゲーテの名言を紹介、解説しながら
彼なりの論点でコメントを加えていくという内容である。

そもそもみなさんゲーテってどんな人か知ってますか・・・?
僕は全く知りませんでした。

簡単に紹介しますと、18~19世紀にかけて活躍したドイツの文豪。

その活躍は文壇のみならず、哲学、劇作家、自然科学と多岐にわたり、数えきれないほどの作品を残す。
また政治の世界でも活躍、ワイマール公国の政務長官まで務めた。

その一方実に恋多き人であり、人生において多くの女性と恋に落ちる。
なんと、80歳近いときにも17歳の少女に熱烈な恋をしたという記録が残っている。(スゴイ・・・)

まぁ、なんとも人生をエネルギッシュに駆け抜けた人なのであります。

これからも何となく分かるように、彼の生き方はポジティブそのもの・・・。
彼の残した言葉も「いきいきと、ポジティブに行きましょうよ」という前向きなものが多い。

そんな観点からすると、同時期に生きたニーチェとは【180度違う】といえるかもしれない。


そんなゲーテの珠玉の言葉の数々を少しご紹介・・・。



・「心が開いている時だけこの世は美しい。」
      
      ~きっとゲーテは全体としてこの世を美しく見た人に違いない。
       世界を斜めに見る必要なんてないのだろう。
       結局すべては自分の心のとらえ方次第なのである。


・「昼の間は、働きなさい。」
・「困難な務めを日々に課すこと、ほかには何の掲示もいらぬ。」

      ~勤勉に生きた人である。働くことの大切さを説く言葉がとても多い。
       しかもゲーテはがむしゃらに仕事をする人ではなかった。
       計画を立て、その結果に対して整理整頓を怠らなかった。
       うーむ、学ぶべし。


・「活動だけが恐怖と心配を追い払う。」
・「時を短くするものは何か、活動。時を耐えがたくするものは何か、安逸。」
・「昼のいそしみ、楽しい憩い日、これを今後の呪文とせよ。」

      ~人間にとってナーンにもしない暇な時間というのは、本来苦痛なものなのである。
       一生懸命働いた上での休息、これにこそ価値がある。
       

・「阿呆、燃えてしまったのなら消せ。燃えてしまったのならまた建てろ。」
 
      ~ゲーテの楽天主義、と現実性がよく出てます。


・「誰でもほかの人々の好意を喜びとする場合にだけ、
  本当の意味でいきいきとしている。」
  
      ~人の好意が注がれていると感じた時が、いっとううれしい。
       そうですよね、人の好意を感じるとホント嬉しいものです。





・「人間は努力する限り迷うものである。」  

      ~こんな言葉は凡人の私にはホッとする言葉です。
       そうです、アクションを起したり、努力して初めて迷うのですね。


・「行動する人にとっては、正しいことを行うのが重要な問題である。
  正しいことが起こるかどうかについて、心を煩わすべきではない。」
・「人間のことは考えるな、事柄を考えよ。」
      
      ~憂い多き世の中ですが、「周囲に心を煩わすな!」ということですね。 
       せめて自分だけでも正しく生きよ、ということです。
       うーむ、深い!


まだまだありますが、これが極め付け・・・。


   ・「生きている間は、いきいきとしていなさい。」


いやはや、スゴイ人です。

実はこの本40年以上も前に出版された本で、長年にわたって読み続けられている名著です。
しかし全く古さは感じられません。

内容がギューッと詰まっていて、文庫本なのに【ズシッと】感じられる深いイイ本ですよ。
おススメです。