On The Road

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2010-02-15 21:43:07 | OnTheRoad第4章
「店番なら僕がいます。お茶会やりましょうよ」。僕が言ってハルさんが笑った。「コンビニの店員さんでしたよね、あの節はどうも」とけっこうきれいなあの人が言った。

 はじめて会ったときのあの人はジーンズで、化粧もほとんどしてなかった。優しい笑顔は生まれつきだと思うけど、今明るい色のスーツを着ているきれいな人はほかの人みたいだ。
 「こんなきれいな人に覚えていてもらえたなんて、幸せです」と正直に僕が言うと、あの人は優しく笑って「お世辞でもうれしいわ」と言った。「きれいだなんて、最近夫にも言われません」

 ハルさんがあの人に声をかけた。「このお菓子ならトオルも食べそうね」
 あの人はハルさんが指さした抹茶のカステラを見た。「トオルさん、抹茶もカステラも大好きですもの、きっと喜びます」。あの人が僕の前から離れた。

 あの人はトオルさんの奥さんなんだ。ハルさんや、きっと子供たちのことで大変でも、トオルさんがいるからステキな笑顔でいられるんだ、と僕は思った。僕は絶対トオルさんには勝てない。サトウさんにも、お父さんにもヨシユキさんにも勝てない。死んでしまった茶道の先生にも。



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1 コメント

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パニックでした (コージ)
2010-02-15 21:48:01
寒さのせいで(?)パソコンの立ち上がりが悪く、ケータイから投稿しようかと思ったりしていました。
寒さはパソコンにも人間にも意地悪をするんですね。皆さんもあたたかくすごしてください。
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