「先輩が卒業してわりとすぐに陸上やめて太っちゃって、ムリなダイエットしたんですよー。それでボロボロになっちゃって病院にかかって、で、看護師になっちゃった」スズキさんはあっけらかんと言った。
それでも、僕は自分が生保会社を辞めてバイトをテンテンとしてるとは言えなかった。ダイエットして体調をくずしても、スズキさんは看護師になって立派に働いている。
僕は今サトウさんたちと知り合って楽しく働いているけど、まだ始めたばかりでいつまで続けられるかわからない。後輩とか先輩とかって人の価値とは関係ない。
「サトウさんの奥さんが先輩のことほめてましたよ。若いのによく気がつく人だって」とスズキさんが言ったとき、サトウさんが戻ってきた。
「あずさちゃん、うちの若いホープの知り合いだって?」とサトウさんが言うと、「陸上部の先輩です」とスズキさんが笑った。僕はスズキさんを名前で呼んだことはなかった。
スズキさんは僕たちに頭を下げて、足早に立ち去ろうとした。七年前に別れた時みたいだった。
それでも、僕は自分が生保会社を辞めてバイトをテンテンとしてるとは言えなかった。ダイエットして体調をくずしても、スズキさんは看護師になって立派に働いている。
僕は今サトウさんたちと知り合って楽しく働いているけど、まだ始めたばかりでいつまで続けられるかわからない。後輩とか先輩とかって人の価値とは関係ない。
「サトウさんの奥さんが先輩のことほめてましたよ。若いのによく気がつく人だって」とスズキさんが言ったとき、サトウさんが戻ってきた。
「あずさちゃん、うちの若いホープの知り合いだって?」とサトウさんが言うと、「陸上部の先輩です」とスズキさんが笑った。僕はスズキさんを名前で呼んだことはなかった。
スズキさんは僕たちに頭を下げて、足早に立ち去ろうとした。七年前に別れた時みたいだった。