ファッションを考える時、私の頭の中に常に存在する一人の女性が居ます。
ファッションビジネスの先駆者でいらっしゃいますが、
私は20代の頃から常に彼女の存在が心にありました。
このブログには、出来るだけ固有名詞を使用しない事を信条としているのですが、
今回はお名前を明確にしない事の方がかえって失礼だと思いますので、申し上げますね。
彼女のお名前は、伊藤美恵さんとおっしゃいます。ご存知の方も居られるでしょう?
勿論個人的に存じ上げている訳ではありません。
昔から、私の周りにはファッション業界の友人が多く、
私自身もファッションが大好きですので、彼らを通してその存在を知るようになりました。
彼女のお人柄やご活躍ぶりについては、私などが論じるような事ではないのですが、
彼女の姿を拝見するにつけ、ファッションはその人そのものであると言う思いを新たにし、
あだやおろそかに服を着てはいけないと思う次第でございます。
ご自身を知り尽くしておられ、お仕事上の立ち位置を充分考慮された上で、
気負い無く、迷い無く、確かな目で選ばれた彼女のファッションは、
常に清潔で、彼女の内面を雄弁に物語る趣味の良さと大人の女性の品があります。
私と彼女は当然タイプが違いますので、同じお洋服が欲しいとか、
コーディネートを真似たい等という類いの憧れではありません。
お洋服に対するメンタリティーを大変尊敬申し上げております。
私もやがて彼女の年齢に達した時、別のスタイルであっても、
彼女のように洋服を着られる女性でありたいと思っております。
そんな私ですが、インテリア、陶芸、そしてファッションと、
白は永遠のテーマであり、追求すればする程その奥深さに惹かれて行きます。
白いパンツの中から、比較的登場回数の多いもの4型です。
左からバミューダショーツ、サブリナ、セーラー、フルレングスフレアーです。
幸い私の住むところは、白のパンツの活躍期間がとても長いのです。
・・・と申しましても、私の場合ウールの白いパンツ等は真冬でも履きますよ。
私が白を着る時に心がけておりますのは、
格好よくなりすぎない白、よそ行き感を出さない白、人を不安にさせない白、などです。
”人を不安にさせない白”って変でしょ?
どういう事かと申しますと、私のお洋服が汚れるかも知れない等と、
一緒に居る方を不安にさせない配慮をするということなのです。
汚れているかもしれない椅子、汚れるかもしれない食べ物、
駆け寄って来てくれる小さな子供や動物達。
それらに顔をしかめるくらいなら私は白を着ません。
お洗濯の観点からいたしますと、白ほど汚れを落とし易い色はありません。(個人的な意見です)
ですので、出来る限り自分で洗えるものを選ぶようにしております。
そして、どなたかのお宅にお招きいただいた時には、
必ずバッグにエプロンを入れておきます。お手伝い大好きなので。
そして何より、どんなハプニングが起こったとしても、
それをカバー出来るコーディネートというのがあるのです。
春から夏に掛けて白を着る場合、全身を白にする事が多いです。
こんな感じで、指し色等あえて使わず、ひたすらに白を重ねて行きます。
生成りのタンクトップと薄手コットンのロングカーディガン、純白のカーゴとサンダル。
そして全ての白のまとめ役兼、汚れ対策の大判の麻の白いストール。
ピアスは大粒のパール、その他のアクセサリーも時計もバッグも白です。
このストールは分類すれば純白ですが、天然素材の柔らかさが色の温度を上げています。
この温度が、生成りのトップスと純白のボトムスを上手く繋いでくれるのです。
不思議ですね、単品で見れば誰もが必ず白だと思うものばかりなのですが、
隣り合う色によってベージュを強く感じたり、一層白さが際立ったり。
それが私を夢中にさせる理由なのです。
万が一、ハプニングが起こってコーディネートの一部が汚れても、
この大判ストールの羽織り方を変えると、必ず隠せます。
パンツの裾周りはさすがに隠せませんが、
元々カーゴパンツというのは作業着なのですから、
そのカジュアルさが多少の汚れを許してくれると思いますので、カーゴの白は安心の白です。
裾が汚れたら思い切って膝までロールアップという大技だって、カーゴなら出来ちゃいます。
昼間はこのコーディネートで過ごし、夜改まった場所にディナーに出掛けるのなら、
パンツを別のシルエットのものに履き替えれば良いだけの事です。
白には温度がありますから、肌の色やご自身の雰囲気等を考えた温度選びをなさると、
どなたにもお似合いになるのではないかと思います。
その上、光を集める効果がありますから、
女性を美しく見せてくれる色だと思っているのですが、
いかがでしょう?白いお洋服はお好きですか?
では