カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

ベージュ

2011年12月06日 | Fashion

私の場合、日常的に様々な肌や髪の色を持つ女性達を見ることになるものですから、

ファッションにおいての色の相性も、比較で見ることになります。

ベージュのワントーンコーディネート

私の憧れでございます。

でもこのコーディネートは、アジア人の肌と髪の色には簡単には馴染んでくれません。

日本に住む妹が、ベージュの服を買っては『私が着ると作業着みたいになる!』

と嘆いておりますが、その気持ちは良く解ります。

カタログ撮影では照明を駆使しますし、ブティックの照明の下で見る色は詐欺師です。

自分の暮らす環境下の光源、特に自然光で洋服の色というものを考えないと、

アジア人は何を着てもくすみやすいのではないかと思います。

姉としてはもういい加減目を覚まして欲しいと思うのですが、放っておきましょう。

 

ベージュのトーンを吟味すれば、それなりのコーディネートも出来上がりますが、

白い肌とブロンド女性のベージュコーディネートの隣には並ばない方がよろしい。

人間の目と申しますのは、隣り合わせた色との比較で色を認識するものですが、

アジア人の黒髪や瞳の色、オークル系の肌と隣り合わせたベージュはくすむのです。

それに引き換え、光を思う存分集める色素の薄い瞳、ブロンドや白い肌は、

ベージュを限りなく明るく見せる効果があります。

ベージュのタートルネックにベージュのパンツ、

ストールまでもがベージュで、ブーツとバッグのキャメルが全体を引き締める!

私にとっては大人の女性の象徴の様な、シンプルにしてエレガントなコーディネート。

でもそれだけでは私には無理なことを、周囲の白人女性の装いが教えてくれました。

メイクテクニックを駆使し、髪を明るく染めたり、カラーコンタクトレンズを使ったりして、

本来魅力を生かすべき、自分という素材を打ち消したところで、

私の求めるエレガンスからは遠ざかるばかりです。

だからと言って諦めるのではなく、私という素材を生かしてベージュを着ることを心がけます。

トーンの揃ったベージュの組み合わせ。

シルクコットンでゆったりとしたシルエットのセーターと、

厚手コットンのクロップドパンツ。

これが白人女性なら、このままでひたすらに格好いいのです。

スポーツ対応のスニーカーを履いてさえ、格好いいのですからイヤになります。

ベージュ的に全く持って格好悪い私は、小物に頼るといたしましょう。

例えば、はっきりとしたヒョウ柄のホースレザーのデザートブーツ。

これに明るいオレンジ(コレは私の必勝カラー)のストールを足す。

このオレンジは、私の顔を最も明るくしてくれる色なのですが、

顔周りにこの色を置くことで、髪や目のダークブラウンが明るくなります。

ここまで明るいトーンを上に持って来たので、足元は私らしく派手に引き締めます。

ヒョウ柄は好き嫌いの別れるところですが、

私とヒョウ柄は自他ともに認める相性の良さですので、控えめにしたりしません。

ヒョウ柄のパターンを少し小さくしたプリントのストールと、

コニャック色のアンクルブーツを合わせてみます。

オレンジのストールの時より、グッと辛口になりますが、

ヒョウ柄が顔周りにあるコーディネートはそれなりに迫力が出るものです。

ヒョウ柄に使われている焦げ茶と黒のお陰で、

私が本来持っている肌や髪の色がベージュを邪魔する事無く、

腰位置のバッグを通って足元のブーツまでのフローを作ってくれます。

 

ちなみにブーツですが、私は足首がゆったりしたルーズタイプではなく、

足首にぴったり沿う細身のものが好みです。ブーツの高さはちょうどくるぶしの上。

先端のシェイプも細身のデザインを選んでおくと、応用範囲が広いかと思います。

車を運転することが多いので、ロングブーツの出番はあまり有りません。

特にデザートブーツと呼ばれるレースアップタイプはシーズンレスで、

スニーカー感覚で一年中履けるため、何足か揃えています。

 

白とは似て非なるベージュ。

その着こなしは私にとって永遠のテーマでございます。

 

では