もんく [とある南端港街の住人になった人]

真実の公式

真実に至る公式を求めよ、と出題された場合、こんなのはいかがだろう?

インスピレーション+(修行x時間)=真実

こんなに単純に済んでしまえば明日、あの角を曲がって歩いてくる神様に会えるはずだ。



何だか今夜は眠れなくなってしまった。今日は特になにもすることなく、少しの買い物を、それもあまり必要でもなかったものだけれども、済まして帰ってきたからだろうか。ちょっと銀行の様子を伺ってきたは来たのだけれど。



縁あって、以前に精神世界関係の本をたくさん読んだ。これは自分の好みでそうしたわけではなくて、たまたま日本語の本にそう言うのが多かったことと勧める人も多かった、さらにそれ以外の本が少なかったと言うこともある。元来文字に書かれたものはなんでも読むようにできているのでそうした書物も苦にならずに読める。楽しんで読めると言った方が近いかもしれない。

楽しんで読めると言うのは、他の分野も読んでいるので頭の中で相対化できると言う意味だ。前にも書いたかと思うが、たった1冊だけよんでこれはすごい本だと言うわけにはいかない。その1冊だけに真実が書かれていれば角を曲がらずとも神様はドアをノックして入ってくるに決まっている。


そうしたわけで、多くの精神世界の書物にもグルの言葉にも本当の意味での真実の公式は無かったと思う。結局、そうした人たちは誰も結論を出すことができないままだった。そして行き着く先は修行であり瞑想であり、そうした結論に導くための方法論を説くに過ぎない。もちろん、そうした方法論を否定はしない。使い方によっては何かに使えるだろう。ただ、それをする事によって誰でもが真実や結論に至るものではない。それは単に方法論なのだし、誰がやってもできる、つまり公式に当てはめられるほど確実なものではないだろう。


真実を求める、そして絶対なる真実があるはずだと言う考え方からして現代教育の産物だとどうしてわからないのだろう。修行を重ねればいつか見えてくるとか言うような単純な理解をしたがるのは"3+5=?でしょう"、と言う教育の成果でしかない。そのやり方が正しいと知らぬ間に教え込まれていて、正しさや秩序や法律やそうした動かせないものが考えてみもせずにあると信じ込んでいるところから来る単純さなのだ。


逆に言えば、何処かに真実があるだろうと言う予定調和的な考え方をしていれば辻褄を合わせるのは割りと簡単なのだ。それをするにはある"世界観"のようなものを作り出せば済むことで、その世界の中だけで丸く丸くまとめることだ。それ以外、例外などを無視しても良いし、異説を唱える者を糾弾する方法も採ることができる。その世界にいれば幸せなのだと言えばそれで良いとも言える。



しかしながら、そうした考え方はそれでも良いとも思う。放っておいてもあまり害にはならないのと、単に趣味の問題だからだ。それに、修行をするのも良いかと思う。但し、ラジオ体操と同じだと思ってすべきだ。

そしてどうせするなら自分のためだけにやるのは馬鹿げている。なぜならそうした具体的な行動自体だけが自分の人生の時間を消費する手段なのだし、結論にも真実にも届かないだろう人間が貴重な時間をかけてすることだからだ。例えば、マザーテレサのように毎日毎日だれかを助けるような事をしていれば自分が死ぬ前までに誰かに感謝されるかも知れないしそうでなくても何がしかの事ができたと思える可能性だって無くはない。もちろんそんなたいへんな事ばかりが修行じゃないだろう。もっと身近な小さいことだってかまわない。仕事によっても出来るかも知れない。

トランスやそれに類する何かだって、それも良い。けれど、酒に酔ってカーネルサンダースを川に投げ込みたくなるのと何が違うのか、風邪薬を飲みすぎて変な感覚になるのと何が違うのか。そうしたところに自分の真の姿を探すのならカーネルサンダースを見るたびに川に投げ込むと言う真の動機を自己の中に認めなければならないだろう。結局本当の自分の思いはどこにあるのかと言う素朴な疑問に立ち返るだけで、自分に対してさへ何も結論は出ない。


修行やその種の事に時間を費やしているうちにどんどん時間は過ぎて行き、最終目的地に到達する前に、これは100%の確立で必ず人生の方が先に終わる。終わるけれども、その行い自体が人生の一部であって真実が無かったから無意味だったと言うことにはならないはずだ。

人間には光り輝く真実でなく、行動する時間そのものしか用意されていない。それが事実だと思うのだ、現実には。



そろそろ眠れるかな?
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