もんく [とある南端港街の住人になった人]

正社員化

「フリーター100万人を正社員化」 政府目標、3年で(朝日新聞) - goo ニュース


すごく聞こえの良いタイトルの付いたニュースだ。

けど、すごく「否定的」ニュアンスも感じてしまうものでもあるなあ。


フリーターを正社員にしようと目論んでいるちゃんとした人たちかた見れば、それはフリーターは所謂(いわゆる)「ちゃんとしてない」者たちなのだろう。

「ちゃんとした」人たちは正規雇用されていて、毎月ある程度決められた収入があって、社会保障もあって、多分多くに家族もあって、家を買って、30年ローンも組めて、週末にはレジャーに出かけて、話題のスポットに買い物い行って、将来にもあまり心配も無くてと言うような「ちゃんとした」生活を送っている人たちのことだと思う。

「ちゃんとしていない」人たちはアルバイトとかパートで働いていて、長く仕事をやっても昇給はないし、ボーナスも無い、国民年金を自分で手続きして支払っていて、ちょっと長く病気になると解雇されて、家は安アパートで、結婚するなんて夢のようなことで、遠くまで遊びに行くなんてなかなかできないような「ちゃんとしていない」生活を送っている人たちだろうか。

この「ちゃんとしていない」人たち像を思い浮かべた「ちゃんとした」人たちが考える100万人を正社員化ってのは、やっぱり、かなり否定的見解の結果なんだろうと思えて仕方ないなあ。


でも「ちゃんとした」人たちの「ちゃんとした」生活って、本音で言って、そんなに良いもの?

「ちゃんとした」事をするにはそれなりの(良く言えば)努力ってのが大きいんじゃないかな。悪く言えば「我慢(がまん)」かも知れないよね。もちろん、我慢している人ばかりじゃないけれど、どちらかと言えば我慢している人の方が大多数だろうと思う。多分95%。

こんな事詳しく言うまでも無いので割愛してしまうけれど、人を幸せにしない日本と言うシステムの中で「ちゃんとした」人生を歩むって、それは幸せになる事なのかなあ? 100万人が正規雇用になって、「ちゃんとした」人になって、それは幸せになるってことなのかなあ?

「ちゃんとしていない」人たちが経験している「仕事をやった分だけお金を貰うって言う」システムはある意味フェアなやり方だと思うけれど、日本の中では「ちゃんとした」人たちのやりかたとの間で根本的なアンフェアがあって、その結果フェアなやり方がダメなやり方になってしまっているんじゃないんだろうか。

そのアンフェアを解消するのが本来やるべきことじゃないのかな。100万人をその中に組み込んでまた多数派にしてしまえば、確かに問題は無くなるように見えるけれど、それは問題が無くなるんじゃなくて見えなくなるだけじゃないのかな。


「ちゃんとしていない」人たちの中にはそれを選んでいる人もいるわけで、それをダメの部類に入れないで「それもアリだね」って言ってやる優しさが、本来的には必要なんじゃないかなと思う。
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