もんく [とある南端港街の住人になった人]

映画「21grams」 -人智を超えた

映画本体の話とは別に、この映画の台詞は英語のリスニングの練習にはとても良いようです。ひとつひとつの台詞が抽象的でないきちんとした言葉になっていてわかりやすい。

この作品を見ていると、映画の監督は作品にとっての神なのだと言うことがよくわかる。その神があのGodと二重写しに思えてくる。登場人物の目を通して映る場面も多いのだけれども、時間も空間も越えて細切れになった場面が自由に必要に応じて見せられるのはまさにGodのみが成し得る業なのである。

人間であればそれは思いもよらない視点である。もし何かの悲しい場面に立ち会わなければならない場合、不都合や後悔において我々はあの時こうしていたら、ああしていたらと言う視点で考えるだろう。だが、神ではそんなに単純な視点から物事を動かすのではないのかも知れない。我々人間にとって考えもつかないような出会いやアクシデント、幸運や不幸、そうしたものがあの時のあの行動とどう関係してくるかを計り知る事はほとんどできないと思う方が、皮肉にも合理的なのである。まさに人智を超えたものだろう。

さて、そう言う事であれば我らにはな術は何も無いのか。人は全くの無力なのだろうか。あまり希望は見出せないにしても、受け入れる力だけは与えられているかも知れない。幸いにも。


調べてみたら、「バベル」と同じ監督の作品だった。なるほど。
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