UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十四話part1

2024-11-21 18:59:00 | 日記
 その日、とある日本の九州地方の片田舎……そこのある地域が地図から消えた。赤黒い球体がその場所を丸ごと飲み込んでしまったのだ。外から見たらそこにはまるでぶちまけた絵の具が渦巻いてるような……そんな感じだった。
 
 色んなニュース媒体でそれは報道されてる。はじめは個人のSNSだった。その近くに住んでる人たちの投稿。その発信から、警察が出動して、何やら完全防備してるような、そんな人たちまで出動し始めてた。そしてその街へと続く道路は全て封鎖。
 緊急事態的な非常令が総理大臣から出されてた。一体この禍々しい球体の内側がとうなってるのか……外側では沢山予想がされてた。すぐにきっと超能力者のせいだ!! というのは満場一致で言われてた。
 
 なにせあんなことが他に誰ができるのか……というからだ。外の方ではきっと覚醒してしまった超能力者の力が暴走してるのではないか? という意見が八割をしめてる。
 あとはどうして今度は田舎なのか? とかこの力はどんな力なのか? とかそんな意見が色んな所で言い合われてた。そんな風に外の方では色々と騒動になってるが、内側はどうなってるのか。
 
 内側は内側で大変な事になってるのか? 外側の人たちはそれも想像するしかない。最悪の事態だって想定してるだろう。もしかしたらこの渦の中ではもう何も残ってない……なんてことだって……とか外の人達はおもってるだろう。
 だってその渦の中には何も通ることはできないのだから。皆が不安に思ってる。いきなり現れた気味悪い色の球体に。
 
 
「ううーん! はえ?」
 
 野々野小頭は朝日を受けて布団から起きる。いつもはシングルベッドに寝てる小頭だが、おじいちゃんの家ではベッドはない。だから畳に布団を敷いてねてる。
 そんな布団からモゾッと起き上がる小頭。外から差し込む日差しは既にかなり強い。今日も既に九時くらいはいってるかもしれない――とおもった。兄である野々野足軽はいつも隣でねてる。横を見てみると、まだ布団は大きく膨らんでた。
 珍しいな――と思う小頭。足軽は最近はいつも小頭よりも早く起きてた。だからまだ布団が盛り上がってるのが珍しかった。それに……
 
(気のせい? なんか背中が大きいような?)
 
 そんな事を思ってた。でもとりあえず夏休みだからっていつまでも寝てたら母親に小言を言われてしまう。なのでとりあえず兄にも声をかける小頭。
 
「ちょっと……ねえ……おい」
 
 最終的にゲシッと蹴る小頭。それでモゾッと動いたことを確認する。うん、なんだか寝ぼけてるからか、かなり布団も大きく見えるような? とか思ったが、小頭は寝ぼけてるから――と自分に言い聞かせた。
 
「早く起きないとお母さんがうるさいよ」
 
 そんな事を言って立ち上がる小頭。窓に近づいて窓を開けて田舎の空気を吸い込む。車の匂いとかしない、自然のにおいが肺を満たす。
 
「ん?」
 
 なんか空に見えたような気がするが、きっと気のせいだろう。そして振り返る。そこには起きたであろう兄が……野々野足軽がいる――筈だった。
 
「ふぁあー」
 
 そんな風に布団から上半身だけ起こして欠伸をしてる。けど……それをやってる存在を見て野々野小頭はピシッとまるでかためられたように固まる。だってそこにいたのは明らかに野々野足軽ではない。
 少なくとも、小頭にはまったくそういうふうには見えない。紫の肌に大きな体躯。足軽とは比べ物にならない筋肉が浮き出てて、そして禿げた頭から生える二本の角。大きく開く口からは凶悪な牙がみえてる。
 それはまるで鬼のような……そんな存在が布団の上で欠伸をしてる。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 116

2024-11-20 23:42:34 | 日記
 ガキイイイイイイン! ガキイイイイイイン!
 
 私は聖剣を振り下ろしました。でもその前に、私が狙った場所には勇者様が聖剣を振り下ろしていたのです。それは左腕の手首の近く。全く同じ場所……ということは出来ませんが、私は勇者様の隣にレプリカの聖剣を切りつけました。
 
「ミレナパウスさんそれは!?」
「ごめんなさい勇者様。けど私が考えれる最高の武器はこれだから……」
 
 二人して腕の敵に攻撃を与えるとき、その言葉を聞いて勇者様はちょっと笑ってくれました。
 
「そうか、一人……一つでは無理でも、二人、二つなら行けるかもしれない。力を貸してくれ!!」
「はい!!」
 
 どうやら勇者様は快く受け入れてくれたみたいです。私のこんな猿真似みたいなマネ……別の人なら嫌がったりするかもしれません。でも私はちょっとわかってました。
 だって……勇者様はとてもやさしいですから。
 
「 「はああああああああああああああああああああああああああ!!」 」
 
 私達は二人でもう一度武器を同時に振り下ろそうとしました。けど当然、それをただ黙ってみてる……なんて事はあり得ません。けど私たちに右手を向けようとしてきますけど、それをアイ様が砲撃でとめてくれます。黄金の野太い砲撃です。その圧力というか余波というか……それが私達も実はきてます。
 でも私達にはそれでも間接的です。けど拳は直接もろにその攻撃を当てられてるわけです。なのに……それでも壊れもせずに動こうとしてます。驚異的です。
 でもせめて……せめてこの左手だけでも私と勇者様で破壊したい! その思いで二つの聖剣を振り下ろしました。
 
 今度は完璧なタイミングで二つの剣の衝撃が重なります。その瞬間、今までにない感覚が手に伝わりました。それはめり込むような感覚です。表面を砕き、内に入ろうとするような……その感覚です。
 
(行ける!)
 
 言葉をかける事はしなかったですけど、きっと勇者様も同じことを思った筈です。私にはこのポニちゃんが再現してくれた聖剣がどれだけの性能をしてるのか、よくわかってません。でも、もしかしたらもの凄く聖剣に近いのでは? とちょっと思ってきました。
 だって、いまの所同じような事が出来てしまってるのです。このままいけば左腕を持っていける。その可能性が見えてます。でもその時です。破壊された装甲の内側……それがなんか赤く光りだしました。
 
「ミレナパウスさん!」
 
 やっぱり私よりも先に勇者様が動きます。そして次の瞬間、私の視界の外で激しい爆発が起きました。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 115

2024-11-20 23:36:07 | 日記
 その姿はまさに勇者様の持ってる聖剣です。ただ形だけで色とかは元のポニちゃんの色ですけどね。薄く水色がかった剣はまさにオモチャのようです。けど……これは玩具じゃないです。
 その研ぎ澄まされた刀身はなにか力強さを感じます。
 
「これなら、私も!!」
 
 今まではあの腕の敵は私に手に余ると思いました。だからこそ、このポニ子アーマーの特性を使って距離を開けて戦ってました。どうやらあの腕は遠距離の攻撃手段がないみたいですからね。
 だからこそ安全圏から安全第一にやってました。なにせ勇者様もアイ様もいるのです。無理をする必要なんてありません。私は自分が二人よりもずっと弱いというのはわかってますから。
 
 けどこうなったら……本当なら剣を持ってる腕の部分を伸ばせばいいじゃない――とか思ってました。でもそれは無理のようです。ポニちゃんが「ポニポニ~」といってきます。
 それは訳すと「無理無理」です。まさかそんな制限が出てくるとは。でもきっとそれだけ勇者様の聖剣を再現することに力を使ったからなんでしょう。なんかちょっと今までの感じと違いますし。
 なんか重いんですよね。こんなのは初めてです。なにせポニ子アーマーは私にはその重さ何てのは全くもって感じないのです。私がポニちゃんを着てる状態なんですけど、普通の服のように体に何か感触が触れるような……そんな感覚もないです。だからこそとても快適です。
 なにせ普通なら鎧なんて着こむとそれだけでとても重くて動くこともつらくなるものでしょう。特に防御力を意識すると、そんな風になるものです。アイ様や勇者様は体は固くなんてないですけど、ものすごく硬いです。
 
 それが魔法ならまだわかります。けどそうではなさそうなんですよね。お二人はズルいです。けど私もポニ子アーマーでかなり頑丈になってます。なんでもポニちゃん頼み? 確かにそうです。けどポニちゃんは委ねてくれてます。私の意思に……私の勇気に。
 
「私は怖いと思ってる」
 
 カタカタと腕が震えてる。明らかに格上の相手。勇者様もアイ様もそれぞれで精いっぱいです。だから私のカバーが十全にできるかはわからない。でも私だって足手まといにはなりたくない。きっとそれなら前に行かないのが正解かもしれません。
 でも二人も私を止めることはしません。きっと私の意思をわかってるから。
 
「確かに私は怖がってる。でも、皆さんが受け入れてくれた時に、逃げないって決めたんです!!」
 
 私は前に進みます。そしてレプリカの聖剣を振りかざします。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章第二十三話part6

2024-11-19 23:47:22 | 日記
 このサルたちは本質的にはその呪いという力に振り回されてしまってるんだろう。多分元はただ、ちょっとしたお守り程度のそんな力しかなかったんだとおもう。
 
 けど怪しげな奴がこれを呪物にしてしまった。けど、実際たった一人の行いでここまでの呪物になるのか? というのも足軽は疑問が残る。けど人の憎しみとかはもしかしたら際限とかないのかもしれない。
 足軽は現代の普通の家庭に生まれて、普通に育ってきた普通の男子なのだ。親だってちゃんとそろってて、かわいがってくれる祖父と祖母もいる。適度な距離間の兄妹に、学校でも目立ちはしないがこれまでいじめられたことなんてなかった。
 そんな普通の男子が野々野足軽だ。だからこそ、実際人の憎しみがどこまで深くて、黒くて、怖いものなのか……確かに最近、愛が変質して暴走したような人を見た。
 でもあれともきっと質が違う。これは悪魔が好むような感情とかじゃないんだろう。呪いという行為。そこにはもちろん悪意とか嫌悪……悔しさや哀しさがあるだろう。
 それは悪魔も好みそうだけど……悪魔ではなく呪物となってる。
 
 最初はそれこそたった一人の呪いだった。けど今やきっとそうじゃない。
 
「きっかけがほしい……えっと触っていい?」
「私に?」
「いや、この……」
 
 足軽は指を指す。それはおばあちゃんではなくてその後ろのサルだ。サルの力を上手く……というか正確には足軽は感じれてない。いや、感じれるが、それほどおおきくおもえない――でもおばあちゃんの言葉を信じるならサルの力は大きくなってるらしい。
 それはあってないと思った。そして一つの可能性を足軽は考える。
 
(今俺が感じてる力はおばあちゃんがあのサルを変身させる為に使った力……なんじゃ?)
 
 でもおばあちゃんの変身の力は時限みたいだから今残ってる力が弱々しいのは、繋がる。つまりはサルは学習して今は自身の力でその変化を維持てるということだ。
 
「大丈夫なの? 足軽この子たちは……」
 
 心配するおばあちゃんの言葉。そんなに信用が? とか思ったけどそうじゃないと足軽は察した。
 
「ああ、大丈夫だよ。呪いは……ほら、俺だって超能力者だし」
「そ、そうね、足軽は空も飛べるものね」
 
 なんか空を飛べる事にとても大きな信頼感を持ってるおばあちゃんである。なんの論理もないが、空飛んでるくらいだから呪いもどうにかなるだろうという理論なのだろうか? けどここで拒絶されても困るので別に足軽も突っ込むことはしない。
 しっかりとサルと触れとその本当の力を感じるのが必要だ。それに……
 
(呪いくらい防いでみせるさ)
 
 そんな意気込みも足軽にはあった。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十三話Part5

2024-11-18 19:28:52 | 日記
「びっくりした。だってあんな姿だったなんて。びっくりした。私が触れたとき、この子達の思いが……歴史がはっきりと感じ取れたから。びっくりした、この子達はね……生きることを望んでるわけじゃないってことに……」
 
 静かにゆっくりと、夜のとばりに染みわたるように……そんな風におばあちゃんは言う。生きることを望んてるわけじゃない? じゃあなんでわざわざこんな屈強になってるの? と疑問に思う野々野足軽だ。ただゆっくりとした死を待つのなら、おばあちゃんがいってたスライムのような形態でただあればよかったんじゃないだろうか? そしたら別に誰かに観られたとしてもただ平べったくしてるのであれば、水たまりにでも思われるだけでスルーされるだろう。
 
「違うの……違うのよ足軽」
 
 足軽がゆっくりとした死について考えてるとさらにおばあちゃんは続けて言う。しかもなんか辛そうである。美人が夜の暗がりの中で辛そうな表情をしてると、なんか浮世離れ感がでてくる。それに今のおばあちゃんの格好はただ足軽が出した大きな白い布を羽織った状態。色々と森の奥深くではおかしな格好なのだ。だからなんだか現実味がなく見えてくるというか、端的に言うとその白い布を羽織ってるだけなのも相まって幽霊、みたいに見えたりね。
 それに暗がりに溶け込んでるサルたちは大体その獰猛な目からの光がぎらぎらと主張してるから余計に怖いというか? まるで女幽霊が従える怪物が背後にいるかのようである。
 
「この子達は自分たちでは消えるなんてできないの。この子達の力は、どんどんと強まってるのよ」
「強まってる?」
 
 そんな大きな力は感じないが? と思う野々野足軽だ。けどここで思い出す。力の質の違いというやつだ。風の子の時もあった力の質の違い。それによって感じれなかったりするんだ。なるべく偏見とか偏重とかせずに力を感じたいと野々野足軽だって思ってる。そうしないと危険だからだ。全くと言っていいほどに何も感じない相手が目の前にいたとしても、もしかしたらその存在は足軽とは全く別ベクトルの力だから感じないだけ……というのが起こりえるからだ。
 最近のは普通に力を感じることが出来てた。沢山の覚醒者が出現して、それは余すことなくきっと足軽は感じ取ること出来てる。だからこそ、その質の違いって奴が抜け落ちてたかもしれない。一応学習した違う力の質は既に感じ取れるようになってるが、質の違う力というのは根本的な所から違うから、事前にそれを感じ取れる手段なんてのはほぼないのが困る。ただ広く遠くまでアンテナを広げるしか現状はやりようはないのだ。それで少しでも何かを感じることが出来たなら、運がよかった……程度だ。
 
「そいつらは呪物なんだよね? つまりはそいつらに怨念とかそんなのが集まってきてしまってるって事?」
「そう、かもしれない。私にはよくわからないわ。でも、この子達は終らせたいの。だからこそ、その力を発散できる体を望んだ。私は願ったわ、この子達の願いをかなえてくださいって……そしたら、この子達はこの姿になったの」
 
 なる……ほど? 野々野足軽はおばあちゃんの発言を必死に理解しようと頑張ってる。