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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 223

2025-04-16 23:38:09 | 日記
「あの……えっと、勇者様の質問に答えてくれませんか?」
 
 やんわりとミレナパウスさんがメタリファーだった彼女に言ってくれる。なにせ彼女はミレナパウスさんの体に夢中だ。そういうとなんかヤバい事をしてそうだけど、そうじゃない。寧ろ美女と美少女の絡みはとても美しい。ミレナパウスさんも聖女をやってたわけで、その容姿はとてもいいからね。
 金髪のメタリファーだった彼女と、金髪のミレナパウスさんは見栄え的にとてもよくあってるといえる。同じ金髪でもちょっとタイプ違う二人。どっちもとても綺麗である。同性の特権を使って抱き着いて鼻先をその胸に押し付けてくるからね。寧ろ……
 
「あれは羨ましい……」
 
 私は思わず本音が……だってだよ? だって考えてもみてよ。私はずっとここにいて、誰かに触れる……なんてことできないんだよ? すべてはG-01を通してしかできない。それなのに……だ。それなのに自分と同じ容姿の女がイチャイチャとしてるんだよ? それはちょっとモヤモヤとするだろう。
 私だって自分以外のおっぱいを触りたいよ! 自分のおっぱいもいいけどさ……やっぱり他のおっぱいにも興味はあるっていうか? てか……
 
「あいつ、幸せそうにしやがって……」
 
 歯ぎしりしてしまいそうだ。だって本当に彼女は幸せそうなんだ。ミレナパウスさんの体に自分の体を擦り付けて、いっぱいミレナパウスさんを吸って……
 
「んー?」
 
 とか堪能しながらいっている。いや聞いてないかもしれないあれは。なにせ堪能してるからね。うらやまけしからんとはこのことか?
 
「えっと……聞いてますか?」
「うん、聞いてるよぉ。私は、幸せです」
「違います!」
 
 困ってるミレナパウスさん。てか二人の絡みは勇者にもちょっと刺激が……ね。別に絡み合ってるからってエロい事をしてるわけじゃない。多分彼女はただミレナパウスさんの匂いを堪能してるだけだし、それ以上の知識がきっとない。
 だから変な事……この場合は嫌らしい事? なんてのはやってない。けど……女の子が目の前で絡み合ってるのって、男にとっては目のやり場に困る物じゃないかな? 事実、勇者は直接チラチラとみる……くらいにしてる。
 
「えっと、私達は貴方をなんと呼べばいいのでしょう? 何か覚えてることはありますか?」
 
 勇者が言っても応えてくれないと思ったのか、ミレナパウスさんが引き継いでくれた。幸せな顔をしてるが、ミレナパウスさんの言葉には彼女はこたえてくれた。
 
「私はぁあんまりおぼえてない。でも~わかる~私には、使命があるのぉ」
 
 最後の使命……とかいう部分はやたらとはきはきと言ってた。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 222

2025-04-16 23:32:44 | 日記
「合格ですか? ありがとうございま……す?」
「うん、貴方もいい匂い。しゅき。良い人」
 
 どうやらメタリファーだった彼女はその人の匂いで好き嫌いを判断してるらしい。てかこの中なら、きらいになるような奴がいるだろうか? はっきり言って私達の顔面偏差値はかなり高い。美形……に入らないのはポニ子くらいだろう。でもポニ子はマスコットみたいなものだし? だからポニ子は別にあれでいいと思うんだ。
 だから私達のパーティーで彼女に認められない奴なんて……ね。もしも魔王がいたら? と考えたらもしかしたら拒否してたかもしれない。あいつは野生感が強かった。でも……美形じゃなかったか? といったらそんな事はない。勇者とは違うタイプの美形ではあった。オラオラ系っていうのだろうか? そんなだった。まあそれを彼女が受け入れるかはわかんない。
 勇者の様な王子様系は大体の女が好みだと思うが、オラオラ系はなかなかに好みが分かれると思うしね。それに匂いか……実際私は魔王の匂いとかはわかんない。まあ今はいない奴の事なんて考えても意味はないけど。
 
 とりあえずメタリファーだった彼女はアイもミレナパウスさんも、そして多分勇者も気に入ってると思う。
 
「ふう、なんなのこいつ」
 
 なんとか彼女をミレナパウスさんへと押し付けることを成功したアイは深く息を吐く。そんなに嫌か? それは私の顔……だからだよね? なんかちょっとショックなんですけど……
 
「彼女はまだ生まれたばかり。寛大な心で見てあげよう」
 
 イライラとしてるアイに優しく勇者が語り掛ける。流石は勇者。人間として出来てる。まあ私達は人間じゃないからそれを否定するのは簡単ではあるが……
 
「それで、えっと……君は、自分の事、わかるのかな?」
 
 勇者は努めて優しくもう一度声をかけた。既に寝起きでもないだろうし、今なら、この場にも慣れたんじゃないか? と思ったのかもしれない。けど……
 
「スーハースーハーここが天国か?」
 
 やばい、あいつ美女の匂いを嗅ぐのに夢中で勇者の話聞いてない。なんか……なんか……
 
「残念な奴に見えて来たぞ」
 
 私はそう思った。喋ってないときはとても神秘的な美少女に見えたんだけどな。なんかそのイメージが瓦解してるぞ。もっとイメージ大切にしようよ。てかこいつが変な奴に見られてると、私が変な目で見られてる気がして……モヤモヤするんだけど。これも同じ顔のせいかな?
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十二話part4

2025-04-16 23:24:21 | 日記
「えっとこれは……」
「何が目的だ。応えろ」
 
 バチバチと角からスパークを放出させて凄む鬼男。それに対して簡単な顔のこの妖怪は「ふえええええ鬼……」――とか言ってついにはその点の様な目よりもおおきな涙がこぼれだす。それは服の袖では受け止めきれない程の大きさと量……はっきりいってマンガ的表現でよく見る、ドバドバという量である。
 
(なにあれ、凄い)
 
 この小さな存在の全ての水分を吐き出してそうな涙。でも……どうやら鬼男の言ってることは正しかったらしい。
 
「いたっ?」
 
 何やらチクッとした痛みが走った。でもどこにも小頭には外傷はない。けど、確実にこの場所に変化は起きてた。だって……小頭の息が白くなってのだ。急激に冷えるこの場所の気温。
 更に……
 
「こいつ……」
「うえーーーーん! うえーーーーん鬼怖いよーー」
 
 そんな事をいいつつ、その妖怪は体を薄くさせていってる。涙は同情を誘うための手段であり、そして油断させるための道具。さらに言うなら、次の行動への伏線でもあった。鬼男の力が一気に高まったおかげで、寒さは一気に吹き飛んだ。再びこの空間の靄へと潜ろうとしたこの雪ん子なのか、もっと別の何かなのかわからない奴は鬼のあふれる力に恐れをなしてとことことその小さな足で距離をとろうとする。けど……
 
 ドガアアアアアン!!
「あっ……あぁぁ……」
 
 鬼男の動きは早かった。やっとで捕らえたこの場所の元凶だ。鬼男は油断なんてやっぱりしてなかった。だから逃がすなんてことはしない。彼は逃げようとしてたそいつの前に出て拳を突き立てた。鼻先をかすめたであろうその衝撃にそいつはごろんと頃がった。
 
「下手なことをするな。次は当てるぞ」
 
 コクコクと鬼男の脅しに全身を使って首肯するその存在。青くなってるそいつの目に、涙はない。どうやらやっぱり涙はただの手段だったらしい。
 
(見た目かわいいけど、こいつはきっと悪い妖怪なんだ)
 
 それを小頭は再認識した。いくら鬼男に警戒しろ……といわれても、ついついかわいい存在には甘くなってしまう小頭だけど、そんな事はやめようと心に強く刻む。
 
「なんでこんなことを……ううん、早く皆を返して!」
 
 そんな風に強く小頭はその存在に向かっていった。けどその言葉を聞いた瞬間だった。今まで間抜けで抜けた感じだったその点の様な目を横棒にしてそいつは笑い出した。
 
「あははははははははははあはははははははははははははははははははははははははははははははは!!」
 
 それはとても邪悪な……そう、邪悪な笑いで小頭はゾッとした。悪意がここまで込められた笑いをしらないから。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十二話Part3

2025-04-15 23:58:06 | 日記
 鬼男は大きく息を吸って大きな声を出した。実際小頭には声を発する前に耳を塞がれてたから、どれだけ大きな声だったのかはわからない。でも……その声が凄まじいってのは伝わってきてた。
 
 それは空気の震え――だって肌にビリビリとその振動の強さが伝わってきてた。確かにこれなら、一点を攻撃するパンチとかよりも、広範囲に威力を伝える事ができるだろう。
 そしてその鬼男の狙いはあたってた。実際見えもしてない相手だった。それをよくこれまで見えない中、殴ってきたな――と小頭は思ってたが、それでは結局、変わり身の術? をされてかわされてきてた。
 それはきっと鬼男の感覚と小頭の曖昧な指示のせいだろう。実際見えない相手の位置を正確に伝えるのは難しい。画面ではそこにいても、1秒後に画面と同じ場所にいるとは限らないからだ。
 
 いや、むしろ1秒後には同じ場所にいないほうが普通だろう。けどそれをわかってるからこそ、鬼男はなんの躊躇いもなく行動してたとも言える。でもそれでも捉える事はできなかった。だからこそ、今度は音を使った。音はきっと拳よりも速さと範囲を兼ね備えてるだろう。
 
 空気の震えさえ感じるほどの咆哮……それによって現れれた存在……それは……
 
「あわわ……」
 
 ペタン……とその場に腰を落としたのは……子ども? 何やら民族衣装みたいなのに身を包んだ簡単な顔をしたへんな存在。観る限り、忍者ではなさそう。なんだろう? 雪ん子とか……そんなのかな? と小頭は思った。
 
「えっと、あなたは……」
「油断するな。これも罠かもしれない」
 
 なるほど……と小頭は思った。確かにいきなり姿を見せたそれが、本人……とは限らない。本当に騙すことに長けてる存在なら、予想外の事が起こっても、まずは身代わり位は用意してるだろう。
 そしてそれは相手を騙しやすい姿をしてるはずだ。なんか衣装は凝ってるのに、顔はまるで指に目と口を書いただけ……みたいなのも怪しいとそう言われたら思えてきた。流石は鬼男は戦闘慣れしてる。
 小頭は思わず心配する心が出てしまったが、それが相手の思う壺なのかもしれないのだ。なにせ先に攻撃を仕掛けて来たのは、眼の前のこいつ。それを忘れてはいけない。
 間抜けで簡単そうな顔をしてるし、その体が子どものように小さいといっても、こいつは「人」ではない。
 
「ちが……僕は……」
 
 それでもただの点のような目をうるうるさせて、小さな体を震えさせ、手が見えないほどの裾で涙を止めてる姿は、小頭には可哀想――に映ってしまう。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十二話part2

2025-04-14 20:00:26 | 日記
 鬼男の拳が何か……を打ち付ける。ゴト――という音と共にそこに落ちたのは、白い布? ゴトなんて音がするわけがない布……だけどどうやら、その内側にはなにかあるみたいだ。警戒しつつ、鬼男はその布を持ち上げる。すると中に仕込まれてた石が落ちた。これって……
 
「変わり身の術?」
 
 まさか相手は忍者なのだろうか? 妖怪だけど忍者? よくわからない。でも……
 
「誰かがいるのは確定だね」
「今度は捉える」
 
 この何者か……それを捉えたら、この霧を晴らすことが出来るかもしれない。どこにいるのかもわからないおじいちゃんやおばあちゃん、お父さんお母さん、を探すよりも、元凶を特定した方が早いだろうという判断だ。
 実際なんでそれがいるのか? って思う。だって近づかない方が絶対にいい。小頭はそう思ってる。なにせもうここに捕えた時点でほぼ、相手は勝ち確ではないだろうか? パワーで強引にこの空間を壊すことが出来ない理由をつけてとらえてしまえば、小頭達は永遠にここをさまよう事になるだろう。ここを作った本人さえいなければ……だ。
 
 小頭は周囲に向かってスマホを向ける。そして、背後の方でスマホが透明な何かを再びとらえた。すると、小頭が声を出すよりも早く、鬼男は動いてた。そして再び炸裂する拳。けど……やっぱりゴト――という音と共にその場には白い布が現れた。でも今度はもう惑わされない。
 小頭は抱えられたまま、素早くスマホを左右に向ける。
 
(きっと近くにいるはずだよ!)
 
 その考えは当たったのか、さっきよりも早くスマホが反応する。緑の枠が、今までよりも大きく表示されてる。小頭は叫ぶことはなく、ただ指で指し示した。そして鬼男はそれを疑うことなく動く。それは一歩だった。
 実際距離感とか全くもってわかんないはずだけど、鬼男は近くまで来たらなんとなくでも感じてるのかもしれない。それかあの角が実は反応してる? とりあえず一歩では流石に詰めれない筈の距離を一歩で詰めた鬼男は別の方法で敵を倒すことにしたようだ。
 
 いきなり小頭の頭を……というか両耳をその大きな手で塞いだ鬼男。そして前に向かって彼は叫んだ。
 
「があ!!」
 
 ――とね。